「聞き方」を変えればあなたの仕事はうまくいく

未読
「聞き方」を変えればあなたの仕事はうまくいく
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著者
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「聞き方」を変えればあなたの仕事はうまくいく
著者
出版社
文響社
出版日
2016年10月26日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

世界的企業の経営者からスポーツ選手、芸能人など3000人以上にインタビューをしてきた著者が、自身の経験をもとに「聞き方」を伝授したのが本書だ。数年前、話し方ブームが到来し、関連本は爆発的に売れた。しかし著者は「話し方」以上に「聞き方」のほうが大事だという。なぜなら、話すだけではコミュニケーションは成立しないからだ。そして本来、人間は自分のことを話したい生き物である。そのため円滑な会話のキャッチボールをしたいならば、聞く側に回り、相手の「聞いてほしい欲」を満たせるかどうかが非常に重要となる。

また、面白くて有用な情報を獲得できるかどうかは、インタビュー力、つまり聞く力に大いに左右されるという。本書は、編集者・ライター向けの指南本としても優れたテキストであるが、思わず話してしまう人の共通項、ピンチのときの会話法など、どんな職種の読者にも応用できるエッセンスがちりばめられている。

まずは、次の9つの「聞く心得」のうち、どれだけ体得できているかセルフチェックしていただきたい。(1)聞かれることはうれしいことであると知る、(2)聞くことは意外に簡単ではないと認識する、(3)聞く姿勢は相手に伝わると理解する、(4)相手に関心を持つ、(5)大事なことは、話しやすい雰囲気づくり、(6)うまく聞こうとしなくていい、(7)やってはいけない聞き方がある、(8)聞くことは学びにつながる、(9)聞いていれば、聞いてもらえる。このうち一つでも「まだ実践できていない」という点があれば、本書を読む価値は十二分にあるといえよう。

ライター画像
名久井梨香

著者

上阪 徹(うえさか とおる)
1966年、兵庫県生まれ。89年、早稲田大学商学部卒業卒。アパレルメーカーのワールド、リクルート・グループを経て、94年よりフリーランスのライターとして独立。経営、経済、就職などをテーマに、雑誌や書籍などで幅広く執筆やインタビューを手がけている。広範囲に及ぶ取材相手は軽く3000人を超え、自らが聞き出した成功者のエッセンスを伝える講演活動も行う。著書に『職業、ブックライター 毎月1冊10万字書く私の方法』(講談社)、『ライザップはなぜ、結果にコミットができるのか』『なぜ気づいたらドトールを選んでしまうのか?』『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』(あさ出版)、インタビュー集に累計40万部を突破した『プロ論。』シリーズ、『外資系トップの仕事力』シリーズなど。

本書の要点

  • 要点
    1
    本書では、聞くことの本質、聞くためのコツ、ピンチな会話の対処法などを紹介している。
  • 要点
    2
    相手について関心を持ち、相手について下調べをすることで、的確な質問を投げかけられるようになる。
  • 要点
    3
    話を聞くときは、話すスピードや声量、リズムといった相手のペースに合わせることが肝要である。
  • 要点
    4
    相手との共通点がないときは、自分のまったく知らない世界の話を聞ける絶好のチャンスだととらえ、たくさん質問をするとよい。

要約

「聞く」の本質

聞く力はすべての仕事に求められる

SNSを通じて、簡単に自分を発信できるようになったことから、コミュニケーション力を「話す力」だと思っている人は少なくない。しかし、話す力だけでは不十分である。営業職を例にとろう。自分の売りたい商品について流暢に説明するスキルよりも、相手のニーズをしっかりと聞き出し、相手を満足させられる適切な提案をするスキルのほうがよっぽど重宝される。

営業職に限らず、どんな仕事でもすべては「聞く」ことから始まる。どんな目的の仕事なのか、誰のためなのか。いつまでにどんなアウトプットを求めているのか。いい仕事をするために、疑問に思うことは上司やクライアントなどに聞く必要がある。さもなければ、単なる自己満足の仕事になりかねない。

相手に関心を持って「聞く姿勢」が大切

聞くことは、相手への関心を表すことでもある。もし相手のことを知りたい気持ちがあれば、自ずと質問事項が思い浮かぶだろう。

質問事項を考えるうえでは、取材対象者について事前に調べることが欠かせない。相手の具体的な情報を得ていれば、自分にしか聞けない質問を作りあげられる。よって、相手のことを事前に調べずにインタビューに挑むのはご法度といってもいいだろう。事前準備をしてこなかったことは相手に伝わると思っておいたほうがいい。そして、的確な質問を投げかけることで、相手の信頼が得られる。

相手について関心を持つこと、下調べをしていくこと。これらは、自分を印象づけようと過去の武勇伝(自慢話)を語るよりも、はるかに好印象を残すのに役立ってくれる。

【必読ポイント!】 うまく聞くためのコツ

脳内でシミュレーションをしておく
SonerCdem/iStock/Thinkstock

ここからは、うまく聞くためのコツを紹介する。インタビューはもちろん、営業や打ち合わせにおいても、質問内容を事前にリストアップし、相手が話しやすい流れを想定しておくことが大切である。ダメなインタビューの典型例は、話があちらこちらに飛んでしまうことである。なぜなら、答える側が質問ごとに思考を巡らせなくてはならず、結構な労力がかかるからだ。相手に負担をかけないためにも、答えやすい質問を用意しなければならない。

ただしYES、NOで終わる問いかけでは、コミュニケーションがなかなか活性化しない。そこで、質問は5W1H(How muchを追加してもいい)を意識するとよい。質問が思い浮かばないときは、コミュニケーションの目的が何なのか、どんな着地点になれば理想の時間になるのかを確かめるとよい。

相手にとって心地よい雰囲気を作るために

いいインタビューを行うためには、相手がつい話したくなるような、楽し気な雰囲気を作ることも大切だ。とはいえ、取材対象者に馴れ馴れしく接するのは控え、フォーマルな距離感を保つよう留意したい。

もう一つのポイントは、

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要約公開日 2017.04.21
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