起業ナビゲーター

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起業ナビゲーター
ジャンル
著者
菅野健一 淵邊善彦
出版社
東洋経済新報社 出版社ページへ
定価
3,024円
出版日
2016年12月29日
評点(5点満点)
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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レビュー

「起業したいけれど、不安が大きくて行動に移せない」、「起業したものの、先行きが読めない」という方は多いだろう。本書はそんな不安を解消するために書かれたものである。

著者のふたりは、それぞれ経営者、弁護士としての経験をもとに多くの起業家にアドバイスを行ってきた。そこで分かったのは、「志やアイデアが優れていても、経営ビジョンを考え抜いたうえで、成功の王道を行く人は限られている」という点だ。会社という社会の公器を運営するうえで、もっとも重要なのは「ゴールを見据えて戦略を組み立てること」だと著者は言う。ゴールとは主に、事業の承継、IPO(新規株式公開)、売却という3つの道を指す。

巷には、起業をする人向けの心構えやノウハウを示した本が数多く存在する。しかし、ビジネスモデルの策定からエグジット・ストラテジー(退出戦略)まで体系的に学べる本書は、かなり希少価値が高いのではないだろうか。

著者たちは「とにかく走り出す」という風潮に警鐘を鳴らしている。持続可能なビジネスを行うには、斬新でなくてもいいので確固たるビジネスモデルを考え、どのようなゴールをめざすのかを考えることが非常に重要であると説く。起業を真剣に考えている方や今後の事業の道筋を明確にしたい方にとって、本書は有用な羅針盤になってくれるにちがいない。

岡本 翔太郎

著者

菅野 健一(すがの けんいち)
リスクモンスター(株)取締役会長FOUNDER/一般社団法人与信管理協会 専務理事
1993年日商岩井(現、双日)入社。審査部に配属され、国内与信を担当。1996年より米国日商岩井審査部(ニューヨーク)に異動。 その後本社審査部にて、国内・海外案件審査、投融資案件審査、債権回収実務、訴訟実務等に従事。2000年9月に、与信管理クラウドサービスを行うベンチャー企業「リスクモンスター」を上司、同僚と共に創業。 2004年6月、代表取締役社長に就任。同社は2005年3月に設立後4年半で大阪証券取引所ヘラクレス市場(当時)に上場を果たし、2016年9月に東京証券取引所市場第2部へ市場変更。総合商社の審査部門での勤務経験と、起業の実践経験により、多くの若手起業家から助言を求められている。経済同友会所属。 一般社団法人与信管理協会の専務理事、企業評価・与信管理の専門家である与信管理士として、同志社大学、山形大学、千葉商科大学において講師として与信管理論を担当。就職活動や起業にも役立つ実践的な授業を行っている。

淵邊 善彦(ふちべ よしひこ)
東京大学大学院法学政治学研究科教授/弁護士TMI総合法律事務所パートナー弁護士
1987年東京大学法学部卒業。1989年弁護士登録。1995年ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン卒業(LL.M.)。西村眞田(現、西村あさひ)法律事務所、ノートン・ローズ法律事務所等での勤務を経て、2000年、TMI総合法律事務所にパートナーとして参画。弁護士として約25年間、M&Aやアライアンスをはじめとする多くの国内外の企業法務案件を担当。起業関連での相談も数多く寄せられている。中央大学ビジネススクール客員教授として、社会人学生の指導にもあたる。創通株式会社社外監査役を務める。著書に『契約書の見方・つくり方』『クロスボーダーM&Aの実際と対処法』『ビジネス法律力トレーニング』、『シチュエーション別提携契約の実務(第2版)』(編著)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    いくら素晴らしい志やアイデアがあっても、ビジョンや計画を煮詰めて、具体的なゴールを設定しなければビジネスを成功させることは難しい。
  • 要点
    2
    ビジネスでは「5W2H」を考える必要がある。また、起業を成功させるには「Why(なぜ)」の部分にあたる強み、不確定要素の「弱み」を把握しておくことが欠かせない。
  • 要点
    3
    起業においては、ゴールを明確にし、撤退基準を設けることが重要となる。「エグジット・ストラテジー(退出戦略)」には、IPO(新規株式公開)、事業売却、事業継承の3つがある。

要約

起業ナビゲーター

起業という選択肢が一般的になってきた日本

これまで日本では、高学歴→有名一流企業入社→裕福な年金生活という人生が成功とされてきた。しかし、この勝ちパターンは崩れつつある。一流企業では厳しい社内競争が待っており、そもそも一生安泰の企業などないに等しい。また、定年まで働けたとしても、潤沢な年金は望めないだろう。

こうした変化のなかで、リスクをとって起業家になる人が増えてきている。日本社会は、起業が異端の選択肢とされた20年前とは大きく様変わりしている。いよいよ日本にも起業の時代が訪れたといえる。

高い志と優れたアイデアだけでいいのか

著者たちは、多くの起業家やその予備軍たちの悩みに対しアドバイスをするなかで、次のように強く感じたという。それは、社会に貢献したい、世界を変えたいという高い志と、ビジネスや商品のすばらしいアイデアを持っているにもかかわらず、経営に関するビジョンや計画を煮詰めている人が非常に少ないということだ。会社を大きく発展させるには、いま手がけているビジネスのゴールを具体的に設定し、次のステップとしてどのような行動をとるかを明確にする必要がある。

まず、ゴールを定めよ
your_photo/iStock/Thinkstock

マラソンを例に考えてみよう。ただ「長距離を走れ」と言われるのと、「ここから10キロ先のA地点まで1時間以内で走れ」と言われるのでは、心持ちも準備も異なってくる。ゴールや設定条件が明らかならば、それを達成するのに、どれくらいの練習や、どんなアイテムが必要なのか、具体的な準備ができる。反対に、目標設定があいまいだと準備のしようがない。起業も同じだ。漠然とした思いで走り出してしまうと、ペース配分が決められず、事業を続けるべきかどうかの判断もできなくなる。

そこで「5年後にマザーズ上場をめざす」といった明確な目標が非常に重要となる。そして、たとえ目標が達成できなかったとしても、「なぜ達成できなかったのか」を検証し、課題をあぶり出すことができる。

起業の不安を取り除く

実際に起業する人はまだまだ少ない

起業家の講演会などのイベント会場を見ると、起業に関心を持つビジネスパーソンが増えていることがわかる。しかし、実際に起業する人はまだまだ少ないのが現状である。

なぜ、日本では起業をする人が少ないのか。その理由は、起業後の不安が拭えないからだといえる。起業に失敗はつきものではあるが、事前にきちんと知的武装をしていれば避けられるリスクは多く存在する。

起業家の不安の根源
Rawpixel/iStock/Thinkstock

起業を検討するときに最初に考えるのは、自分、あるいは創業メンバーが資本金を全額出資して設立する株式会社だろう。株式会社の特徴のひとつに「取締役会への経営権の委任」がある。これは株式会社の「所有と経営の分離」を意味する。しかし、日本の企業の99.7%を占める中小企業の多くはオーナー経営であり、実質的に所有と経営が一体になっている。そのため、パワーとリスクの分散がなされないのだ。

本来オーナー経営者は、出資の範囲内で有限責任を負うにすぎない。

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ジャンル
起業・イノベーション
著者
菅野健一 淵邊善彦
出版社
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定価
3,024円
出版日
2016年12月29日
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