新規事業ワークブック

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出版社
総合法令出版

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出版日
2017年04月11日
評点
総合
4.3
明瞭性
5.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

世の中に起業に関する本は数あれど、社内での新規事業の立ち上げにこれほどフォーカスした書籍はなかなか見つからないだろう。ましてや、ここまでわかりやすいものとなれば、なおさらである。

まず強調したいのが、とにかくステップ・バイ・ステップが徹底されていることだ。成功する新規事業に育てあげるためのポイントが、まるでプログラミングのごとく精密に解説されているのである。本書の想定する読者対象や類書との違いが明確に示されているのも良心的で、本書の想定する読者層に当てはまっているのなら、まずまちがいなく本書から得られるものは大きいだろう。そうでなくとも新しく何かを立ち上げる際、参考になるところは多々あるはずだ。

また、「ワークブック」の名に恥じることなく、本書は「使いこめる」一冊でもある。それぞれのStepにおいて、模範例とともにワークシートが用意されているので、ぜひ一度書きこんでみることをお薦めしたい。本の知識をビジネスで活かすうえで、手を動かすことは必要不可欠である。書きこんでみることで、本書への理解もより深まるにちがいない。

リクルート社で1,000件もの新規事業案件に携わり、独立後も新規事業の立ち上げに関わりつづけてきた、著者の叡智と経験が詰まった一冊だ。読み終えたら、あとは走り出すだけである。幸運を!

著者

石川 明(いしかわ あきら)
新規事業インキュベータ、株式会社インキュベータ代表取締役
リクルート社で7年間、新規事業開発室のマネジャーを務め、リクルート社の企業風土の象徴である社内起業提案制度「New-RING」の事務局として、1,000件以上の事業案に携わる。
2000年にリクルート社社員として「All About」社を創業し、2005年JASDAQに上場。10年間にわたり事業企画、事業運営の責任者を務める。
2010年に独立し、大手企業を中心に、新規事業の創出、新規事業を生み出すボトムアップの仕組みづくり、創造型人材の育成に携わっている。
リクルート社時代も含め、これまで携わってきた新規事業・企業内起業家は100社、1,700案件、3,500人。ビジネスチャンスを探すための独自の「国語・算数・理科・社会」思考法は、とてもわかりやすいとクライアントから好評を得ている。
早稲田大学ビジネススクール研究センター特別研究員、SBI大学院大学MBAコース客員准教授。
著書に『はじめての社内起業』(ユーキャン)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    新規事業を検討する際は、はじめに方向性を明確にしておくべきだ。そのためには、起案を求めている経営陣と起案者の目線を合わせることが重要である。
  • 要点
    2
    いきなり具体的な事業案の検討を始めてはならない。検討の幅を狭めていく際には、既存事業を検討の起点に置くことが有効である。
  • 要点
    3
    事業とは世の中にある「不」を解消することだ。設定した領域・テーマのなかにどのような「不」があることを見極めることが、ビジネスチャンスにつながる。

要約

Step 1:準備

経営陣の意思を読みとれ
Digital Vision./DigitalVision/Thinkstock

新規事業を生む道のりは簡単ではない。にもかかわらず、そもそも「何を目的にするのか」すら明確でないケースが、新規事業を検討する際には少なくない。

どういう方向性にするのかを最初に明確にしておかないと、途中でハシゴを外されてしまうこともありうる。大事なのは、起案を求めている経営陣と具体的なアイデアを検討する起案者の目線を合わせることだ。そのためにはまず経営陣の意思を知り、そのうえで起案者は自らの意思を固めるべきである。

意思のすり合わせにはポイントがある

経営陣と意思のすり合わせをおこなううえでは、(1)フェアウェイ、(2)OBゾーン、(3)制約条件の3点がポイントとなる。

(1)フェアウェイとは、何を検討すべきか具体的に決められる範囲を指す。これが明確であればあるほど、検討のスピードは上がる。フェアウェイはできるだけ広くとっておきたいところだが、あまり広いと検討に時間がかかるので注意したい。

(2)OBゾーンはアウト・オブ・バウンズ(境界の外)ゾーンの略だ。どの会社でも、「これは考えない」「そこまではやらない」という領域がある。ひとつひとつ確認しながら、どこにOBゾーンが設定されているのかを見定めよう。

最後に(3)制約条件についての検討をおこなう。どの企業でも投資できる枠にはかぎりがある。法律が制約になることもあるし、人材やブランドイメージが制約になることもあるだろう。リスクをいとわなければ、乗りこえられない壁はそうそうない。しかし、制約条件についてはあらかじめ明確にしておくほうが無難である。

Step 2:テーマ決め

急がば回れ

何をめざし、どういう範囲で検討するかを決めたら、次は新規事業のテーマを決める段階に進む。ただこの時、いきなり具体的な事業案の検討を始めてはならない。検討の幅を少しずつ絞りこんでいき、徐々に検討範囲を狭めていくべきだ。まさに急がば回れ、である。

おすすめは、検討の起点を既存事業に置くことだ。もちろん、既存事業とまったく関係のない事業を検討することもあるが、その場合も既存事業と対比しながら起案するほうが好ましい。

以下、本書で紹介されている8つの新規事業開発の検討フレームのなかから、その一部を取り上げる。

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要約公開日 2017.05.30
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