僕らが毎日やっている最強の読み方
新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意

未 読
僕らが毎日やっている最強の読み方
ジャンル
著者
佐藤優 池上彰
出版社
東洋経済新報社 出版社ページへ
定価
1,540円(税込)
出版日
2016年12月29日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.5
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僕らが毎日やっている最強の読み方
僕らが毎日やっている最強の読み方
新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意
著者
佐藤優 池上彰
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出版社
東洋経済新報社 出版社ページへ
定価
1,540円(税込)
出版日
2016年12月29日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
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レビュー

忙しくてインプットする時間がないと悩んでいる方も多いだろう。一方で、知の巨人と呼ぶべき池上彰氏や佐藤優氏は、極限的に多忙ななか、あらゆるメディアから幅広い知識と教養を得て、血肉にしている。どうすれば彼らのように知的生産性を上げ、自分の力で世の中を読み解けるようになるのだろうか。

そんな疑問を解決すべく、本書では池上氏と佐藤氏の対談形式で、新聞や雑誌、書籍、ネット、SNSなどをどのように駆使しているのかが、体系的に解説されている。具体的な媒体名を出しながら、読者が「何をどう読めばいいのか」というポイントにも言及がなされており、大いに知的探究心をくすぐられる。

2人が共通して参考にしている媒体もあれば、まったく違う情報網もある。つまり、情報を取得する方法に唯一の正解はないということだ。大事なのは、2人の方法を単に真似るのではなく、本書に書かれた情報を参考にしながら、自分流のスタイルを構築していくことだといえよう。

全70の極意を片っ端から実践しなくてもよい。意欲の高い人ほど、意気込みすぎて途中で挫折してしまいやすい。インプットを毎日の習慣にしていくのが理想的だが、もちろん何日かサボってもよい。肩の力を抜いて、確実に継続できる方法とペースをつかんでいってほしい。

本書を読めば、知は「武器」であり「楽しみ」でもあると痛感できるだろう。2人の知の源泉を知ることで、自分なりの「知の技法」を確立したいと考えるビジネスパーソンにとって必読の一冊だ。

名久井梨香

著者

池上 彰(いけがみ あきら)
ジャーナリスト。1950年、長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。NHKで記者やキャスターを歴任、1994年より11年間『週刊こどもニュース』でお父さん役を務める。2005年より、フリージャーナリストとして多方面で活躍中。東京工業大学リベラルアーツセンター教授を経て、現在、東京工業大学特命教授。名城大学教授。2013年、第5回伊丹十三賞受賞。2016年、第64回菊池寛賞受賞(テレビ東京選挙特番チームと共同受賞)。『伝える力』(PHPビジネス新書)、『おとなの教養』(NHK出版新書)、『そうだったのか!現代史』(集英社文庫)、『世界を動かす巨人たち〈政治家編〉』(集英社新書)など多数の著書がある。

佐藤 優(さとう まさる)
作家、元外務省主任分析官。1960年、東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了。2005年に発表した『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社)で第59回毎日出版文化賞特別賞受賞。2006年に『自壊する帝国』(新潮社)で第5回新潮ドキュメント賞、第38回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『読書の技法』(東洋経済新報社)、『獄中記』(岩波現代文庫)、『人に強くなる極意』(青春新書インテリジェンス)、『いま生きる「資本論」』(新潮社)、『宗教改革の物語』(角川新書)など多数の著書がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    「新聞」「雑誌」「ネット」「書籍」には、それぞれ違った読みこなす技法があり、それらを身につけることで、インプットのスピードと質が変わり、知的生産性が上がる。ただし、基礎知識を身につけておくことが前提であり、教科書や学習参考書を活用すると便利だ。
  • 要点
    2
    新聞は最低2紙に目を通すのが必須条件である。新聞社のバイアスは社説とコラム欄で判断するのがよい。
  • 要点
    3
    ネットの情報は玉石混淆であるため、ネットは上級者のメディアだといえる。

要約

【必読ポイント!】世の中を知るための基本かつ最良ツールは新聞である

第一次情報の多くは「新聞」にあり

まずは新聞の読み方を紹介していく。政治や経済、文化のエリートで新聞を読まない人はいない。新聞が「世の中を知る」ための基本かつ最良のツールであることは、今も昔も変わらない。一面から順にめくっていけば、政治、経済、国際情勢、文化やスポーツを含めた世の中の動き全体を短時間で、ざっと俯瞰できる。この一覧性において新聞に勝るメディアはない。

仮に新聞を読んでいない人でも、ニュースサイトの記事やSNS上の情報をたどっていくと、第一次情報は新聞というケースが非常に多い。ネットの普及により、実際の発行部数以上に多くの人が新聞の情報を目にするようになったのだ。

新聞は2紙以上読むこと
seb_ra/iStock/Thinkstock

ただし新聞は、少なくとも2紙以上は読まなければならない。なぜなら、2013年頃からニュースの取り上げ方が新聞ごとに異なり、そこに各紙の意図が表現されるようになったためだ。

たとえば『産経新聞』『読売新聞』『日本経済新聞』は安倍政権に好意的であり、『朝日新聞』『毎日新聞』『東京新聞』は、安倍政権に対立的な立場をとる傾向にある。よって、複数の新聞を読んでおかなければ、自分が読む新聞のバイアスの影響を受けてしまう。

また、新聞社の本音を知るには、各紙の「社説」と「コラム欄」をチェックするのが手っ取り早い。社説は世論形成や政治・経済政策にも影響を及ぼしているといえる。どの2紙を選べばいいのかについては絶対的な正解はないが、1紙は保守系、もう1紙はリベラル系というように、論調の異なるものを読むのが望ましい。もちろん、一般のビジネスパーソンならば定期購読するのは1紙で十分である。もう1紙は、時間と財布が許す範囲で、駅売りやコンビニなどを活用するとよい。

新聞は「飛ばし読み」が基本

池上氏の新聞の読み方は、こうだ。まず毎朝、自宅に届く新聞8紙(『朝日新聞』『毎日新聞』『読売新聞』『日本経済新聞』『朝日小学生新聞』『毎日小学生新聞』『中国新聞』『信濃毎日新聞』)の見出しに目を通す。その日のニュースの全体像を捉えるのが目的である。その後、外出時にもう2紙(『東京新聞』『産経新聞』)を購入し、『ウォール・ストリート・ジャーナル日本版』は電子版で購読している。そして気になった記事は夜寝る前に読み込む。1日にかける時間は朝20分、夜1時間程度だという。

一方、佐藤氏の場合、『東京新聞』『琉球新報』『沖縄タイムス』『ニューヨーク・タイムズ』の4紙は紙で読み、『朝日新聞』『毎日新聞』『産経新聞』『日本経済新聞』『琉球新報』『沖縄タイムス』『聖教新聞』『ウォール・ストリート・ジャーナル日本版』の8紙は、電子版で読んでいる。(『琉球新報』『沖縄タイムス』は紙・電子版両方)延べ2時間以内におさまるよう、ストップウォッチで計りながら読んでいるという。

その中で気になった記事は、電子版もデジタル化したものもEvernoteやDropboxなどのクラウドサービスに保管していく。情報の保管と整理にかける時間と労力は最小にするのが鉄則だ。

また、2人とも、新聞は飛ばし読みが基本である。ニュースを読む力を磨くポイントは、「自分ならこの記事よりこの記事を大きく載せるのに」「この小さな記事は今後、どう展開するんだろう」と考えながら読むことだ。何よりも、継続して読むことが第一である。

雑誌は興味関心、視野を広げるためのツール

隙間時間は、電子版の雑誌を読むのが効率的
SebastianGauert/iStock/Thinkstock

佐藤氏は、電子雑誌の定額読み放題サービス「dマガジン」を愛用している。隙間時間にスマホでSNSをチェックしたり、ネットサーフィンをしたりするよりも、きちんと編集・制作された電子版の雑誌を眺めるほうがインプットの効率もいいし、娯楽としても楽しいからだという。

定期購読するほどのコアな趣味ではない雑誌も気軽に読めるのが「dマガジン」の魅力である。それが興味や関心、視野を広げる格好のツールになるからだ。ただし、一部の学術誌や経済紙を除けば、雑誌は基本的に娯楽の読みものとして考えるのが現実に即している。

仕事に役立てるなら、経済誌・ビジネス誌を読む

ビジネスパーソンにチェックしてほしい週刊誌といえば、経済誌・ビジネス誌だ。両氏ともに『週刊東洋経済』『週刊ダイヤモンド』『週刊エコノミスト』は毎週、目を通しており、池上氏は『日経ビジネス』も読んでいる。

ビジネス誌を読むメリットは、新聞が報じなかった特ダネを出すこと、そして特定の主義主張に固執しておらず書籍よりも情報が早いことである。経済やビジネスの動きの要点を初動でつかめるのに便利だ。とはいえ、雑誌を無理に定期購読する必要はなく、興味がある記事や特集があれば購入するというスタンスでよい。また雑誌の読み方も、新聞同様に「拾い読み」が基本であり、移動時間や隙間時間に読むスタイルでもいい。

インターネットこそ上級者のメディア

ノイズ過多で、時間を浪費する危険性あり

ネットの情報は玉石混淆である。誰もが情報発信できるがゆえに、ネット空間は、新聞や雑誌が持つ「編集」と「校閲」という重要な2つの機能が欠如しているためだ。いわば、ノイズ過多であり、うまく使いこなさなければ、時間を浪費する危険性もある。

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