会社を変える分析の力

未 読
会社を変える分析の力
ジャンル
著者
河本薫
出版社
定価
820円
出版日
2013年07月20日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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河本薫
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820円
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2013年07月20日
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レビュー

データ分析と聞くと、ビッグデータのようなテクノロジーや数理計算のイメージが浮かぶ。しかし、それらはあくまでも一断面でしかない。著者は分析者としての仕事内容を深ぼりした上で、自身の仕事の枠組みを広げ続けた結果、成果をあげた人物である。本書には、そんな著者のキャリア形成のプロセスが、そのままデータ分析という職能でも活用されていることが示されている。

約10年前、「データ分析=数値計算」だと勘違いしていた著者は、ある日、とある人物から「お前はまるでデータ分析の便利屋だな」と言われた。その後、アメリカのローレンスバークレー研究所でデータ分析に従事している際にも、「私はあなたに数値計算を期待しているのではない。分析を期待しているのだ」と諭された。そう、本書にはデータを分析する方法ではなく、分析により成果を上げる方法が書かれているのだ。その上で重要なのは、意思決定に役立つ分析をすることだという。例えば、新規事業を立ち上げる判断をする際、その意思決定はテクノロジーや数理計算だけで下すものだろうか。当然、最終的には人が判断するものである。

本書には、人が分析に携わる上で、成果を上げるために身につけておくべき力が理路整然とまとめられている。分析を実務でされている方も意思決定に分析結果を用いる側の方も、本書を通読すれば、分析という業務の本質を理解し、意思決定の精度を高めることができるだろう。

新井作文店

著者

河本 薫(かわもと かおる)
大阪ガス株式会社情報通信部ビジネスアナリシスセンター所長。一九六六年、神戸生まれ。京都大学工学部数理工学科卒業。同大学大学院工学研究科応用システム科学専攻修了。一九九一年、大阪ガス入社。九八年から二年間、米国ローレンスバークレー国立研究所にてエネルギー消費データ分析に従事。二〇〇五年、大阪大学にて博士号(工学)を取得。現在、ビジネスアナリシスセンター所長として、九名の分析者を率いる。株式会社オージス総研のデータ分析ビジネスも支援している。大阪大学の数理・データ科学教育研究センターにて、「意思決定とデータ科学」を担当する招聘教授も兼務している。

本書の要点

  • 要点
    1
    データ分析は、必ずしも数学力を問われるものではない。ビジネスを変える効用を得るために、意思決定で用いる材料を構想する力こそが必要だ。
  • 要点
    2
    データ分析では、分析力が高ければ成果を残せるわけではない。分析力の他に「見つける力」「使わせる力」が必要となる。
  • 要点
    3
    データ分析に携わる者は、分析を終えた後も気を抜くべきではない。最終的に業務で分析結果を活用され、業績に貢献できてこそ意味があると認識し、分析から導かれた施策が実行されるまでコミットするべきである。

要約

データ分析に関する勘違い

データ分析の主役は「数学力」ではない
Mckyartstudio/Thinkstock

データ分析という言葉は大辞林にも載っていない。データと分析という2つの言葉の意味を合わせると、データ分析とは、「データから問題を解明するプロセス」ということになる。データを集めて、数値計算をし、その結果を解釈して問題を明らかにするというステップを踏む。問題を明らかにするところに達する意図がなければ、データ分析とは呼べない。

一方で、データ分析の手法や問題領域は全く限定されない。データ分析手法が統計でも、数理計画でも、数値シミュレーションでもよければ、問題領域が顧客選別になっても、顧客離脱予測になっても、投資判断になってもいい。ただ、どんな手法や問題領域を定めても、データを解釈して問題を明らかにするプロセスを構想する力がなくては、データ分析により価値は生まれない。

データ分析に興味を持つ多くの人が、テクノロジーや分析手法のことをデータ分析だと誤解しがちである。例えば、「データ分析=数値計算」だと考える人や、成果を得ることよりもテクノロジーや手法を使うことに価値を感じる人がいる。しかし、テクノロジーや手法といったツールだけで、データ分析ができるわけではない。テクノロジーや手法が発展した現在は、インターネットで国勢調査などの情報を得ることや、エクセルで簡単にグラフ化することが可能になった。データを集めて計算する処理能力よりも、どのような分析をするかを考える構想力が問われている。

データ分析の「価値」とは何か
phototechno/iStock/Thinkstock

そもそも、分析が生む価値とは何だろう。「意思決定を改善するために、その分析が果たした効用」こそ「分析の価値」だといえる。さらに分解すれば、「意思決定への寄与度×意思決定の重要性=分析の価値」だ。

意思決定とは、経営や営業など、ビジネスにおけるあらゆる領域で決断を下すことを指す。例えば、賃貸マンション投資において入居率を予測するとしよう。この時、入居率を予測することで投資判断の材料にしてもらうとする。賃貸価格や不動産価値など他にも予測が必要な項目がある中、入居率予測がどれだけ重要な判断材料になり得るのか。

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2013年07月20日
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応用性
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経営戦略
著者
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