日本電産 永守重信、世界一への方程式

未 読
日本電産 永守重信、世界一への方程式
ジャンル
著者
田村賢司
出版社
日経BP社
定価
1,500円 (税抜)
出版日
2013年10月28日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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日本電産 永守重信、世界一への方程式
日本電産 永守重信、世界一への方程式
著者
田村賢司
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出版社
日経BP社
定価
1,500円 (税抜)
出版日
2013年10月28日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
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レビュー

日本には強い部品・素材メーカーが今もなお存在し、世界でもプレゼンスを発揮している。京セラ、東レ、村田製作所など枚挙に暇がないが、やはり日本電産は特徴的な存在ではなかろうか。日本電産は積極的なM&Aにより発展、グローバル企業に転換していることに特徴があることは、様々報道されている通りである。

日本企業はM&Aを得意としていないとよく耳にすることだろう。しかし、なぜ日本電産はかくも突出した実績を残せるのか。もちろん今後の市場変化を見通した戦略を基にした、買収対象企業の選定が優れていることもあるだろう。しかし本書を読めば、日本電産および永守氏には、王道とも地道とも言える、やるべきことに対する実行力にこそ強みを持っていることがわかるだろう。「Kプロ」「Mプロ」と呼ばれる、経費および購買費削減の取り組みの事例から、決して戦略だけでM&Aが成功している訳ではないと感じさせられる。

本書は様々な観点から読むことが可能な書籍である。永守氏のカリスマ性を描いた書とも読めるし、戦略的なM&Aの教科書、人材活用の教科書としても読むことができる。そして企業買収後の再生局面における泥臭いコスト削減の指南書とも言える。本書はメーカーの関係者および周辺事業の人はもとより、様々な業界の低迷企業に関わる方にも読んでいただきたい書である。本書が広く読まれ、高い意識の下、やるべきことを一つ一つ行っていく実行力のある企業が多く生まれることを願いたい。

大賀 康史

著者

田村 賢司
日経ビジネス主任編集委員
1981年大学卒業後、全国紙を経て88年に日経マグロウヒル(現・日経BP社)入社。日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。主な著書は『マネー動乱』(日本経済新聞出版社、2008年)、『あなたは会社から求められていますか?―抜け殻社員』(日本経済新聞出版社、共著、2009年)

本書の要点

  • 要点
    1
    日本電産の3大精神は、「情熱・熱意・執念」「知的ハードワーキング」「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」である。
  • 要点
    2
    日本電産は企業買収後、「Kプロ」と呼ばれる経費削減プロジェクト、「Mプロ」と呼ばれる資材、部品などの調達費削減プロジェクトを徹底的に実行する。
  • 要点
    3
    現在、日本電産は「精密モーター」の1本柱経営から、「車載用モーター」「家電・商業・産業用モーター」「関連機器などその他製品」への多角化を行う4本柱経営への転換を進めており、M&Aの役割は依然として重要と言える。

要約

日本電産の構造転換

A-R-T-U-R/iStock/Thinkstock
2013年3月決算説明会

2013年3月期の日本電産決算説明会の場。売上高は7092億円7000万円(前期比3.9%増)だったが、最終利益は79億9800万円(前年比▲80.4%)という21年ぶりの不振である。しかし、そこでの永守社長の態度は、神妙にかしこまることもせず、意気軒昂であった。常と変らず声も態度も大きく、ほとんど彼の独演会になっていた。

業績低迷はスマホ・タブレット席捲に伴うパソコン市場の急落が主要因。日本電産最大の柱、精密モーターを組み込むパソコンのハードディスク市場の縮小によるものだ。今回、過剰になった精密モーターの生産設備を一挙に減損し、バランスシートの修正に区切りを付けた。相場用語で言う「悪材料出尽くし」により、株価は前日比490円高の6510円と大幅に上昇。投資家は「日本電産を取り巻く問題は解決可能」と判断したのである。

日本電産の3大精神

日本電産は、1973年に永守氏がCOOの小部氏らとともに創業、徒手空拳で作り上げた世界有数のモーターメーカーである。高成長を支えた原動力の1つは、目標達成への集中力。「1日24時間は誰にも平等にある。それをどう使うかはそれぞれの人による」と永守氏が言うように、働き方は猛烈そのものだ。日本電産の3大精神に掲げられる、「情熱・熱意・執念」「知的ハードワーキング」「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」が社風を表す。

強烈な目標実行力により、主に90年代半ばから積極果敢にM&Aに挑む。買収対象の多くは破綻寸前の企業。国内外の37社を傘下に収め、日本電産を象徴する強烈なコスト削減を梃子に全て再建を果たす。

事業ポートフォリオの転換
Sauliakas/iStock/Thinkstock

日本電産は直面するパソコン市場の縮小からどう成長に舵を切るのか。現在取り組んでいるのは、「精密モーター」1本柱の構造から、「車載用モーター」「家電・商業・産業用モーター」「関連機器などその他製品」を加えた4本柱への転換である。

車載用モーターとは、電動パワーステアリング・エンジンオイルのポンプ、シートの位置調整などへの用途に加え、ハイブリッド車駆動用メインモーターも含まれる。また、家電・商業・産業用モーターには、洗濯機、食洗器、乾燥機などの家電用、エアコン、エレベーターなどの商業用、そしてポンプ、コンプレッサーなどの産業用が含まれている。

それら新たな柱の構築のために何をしているのか。その中核は海外企業のM&Aである。

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リーダーシップ・マネジメント 産業・業界 グローバル
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田村賢司
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出版日
2013年10月28日
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