日本の会社40の弱点
外国人社員の証言

未 読
日本の会社40の弱点
ジャンル
著者
小平達也
出版社
文藝春秋(文春新書)
定価
778円
出版日
2013年11月20日
評点(5点満点)
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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レビュー

本書を読んで、「ここがヘンだよ日本人」というテレビ番組を思い出した。1998年から2002年まで放送されていたTBSの討論バラエティ番組である。この番組が終わって早10年強、日本企業の世界進出も幾分進んだことだろう。だが、当たり前のようにオフィスに外国人がいて、ランチタイムは英語で談笑するといった世界になったかと言えば、そんなことはない。外国人と働くことに慣れているビジネスパーソンは、まだごく少数派なのではないだろうか。

今後10年間に日本企業がどれだけ世界進出をするのかは定かではないが、市場が縮小する日本を出て海外市場の獲得を狙う企業は当然のことながら多く出てくるだろう。最新のベンチャー業界では、いきなり海外でビジネスをスタートする、という例も散見されるようになった。クロスボーダーのM&Aも、いつ起きても不思議ではない社会となり、明日あなたの上司や部下が突然外国人に変わるかもしれないのである。

本書「日本の会社40の弱点」は、ビジネスシーンにおいて外国人と付き合っていくなかで日本人が知らず知らずのうちに行ってしまう行動に対して警鐘を鳴らしてくれる良書だ。他の書籍でも頻繁に語られている文化的な差異(コミュニケーションの差異)にとどまらず、仕事の仕方や言葉の盲点にまでも言及がなされている。「油断一秒、怪我一生」という言葉を見て、中国人が「油を切らすと、一生責められる」と解釈するとは、私も皆目見当がつかなかった。

外国人と仕事をする前に是非とも押さえておきたい一冊であると言える。

著者

小平 達也
1973年、神奈川県生まれ。グローバル人材戦略研究所所長/株式会社ジェイエーエス(Japan Active Solutions)代表取締役社長。政府関係機関の有識者会議座長・委員、大学院講師も務める。明治大学大学院修了。

本書の要点

  • 要点
    1
    ピーター・ドラッカーが「もはや知識労働者は雇用主と自分自身を一体化させた解答はしない」というように、外国人は会社名からではなく名前から自己紹介を始める。
  • 要点
    2
    外国人とのコミュニケーションにおいて、「強調」と「協調」のような同音異義語は誤解を生みやすいので注意が必要である。日本人は開始時間には厳しいが、終了時間は軽視しがちである。
  • 要点
    3
    過剰なホウレンソウは従業員の士気を低下させる恐れがある。
  • 要点
    4
    人材育成という観点において、外国人は研修のみを重視しがちである。

要約

職場のコミュニケーション編

日本人が自己紹介する順番は、おかしくないですか?(アメリカ人・30代男性・出張で来日)
Fuse/Thinkstock

本書の各トピックは、外国人の主張(ハイライトでは『』内)から始まり、続いて著者がその事象を分析するという構成になっている。

『シリコンバレーにあるIT企業でエンジニアをしています。今回、当社が買収した日本のIT企業のCTOはじめ関係者と打ち合わせをするために東京に来ました。買収先を訪問し会議室に通されると、日本人の担当者らしい男性が出てきて、名刺を差し出しながら言いました。「はじめまして。日本支社の技術部門でCTOを務めております加藤と申します」。流暢ではないものの、聞き取れる英語でした。

夜、アメリカ人の同僚から、日本人の友人が主催するカジュアルなパーティがあると言われ参加しました。「はじめまして、Y社渉外部で課長をしているオオタです」「Z研究所でリサーチアシスタントをしていますタカダです」

皆、コミュニケーションに問題ない英語を話しますが、名前と顔がすっきり頭に入ってきません。変だなと気づいたのは、日本人の自己紹介の順番です。ちょっとおかしくないですか?』

一般的に日本における自己紹介は、自分の所属の大きいところから入り、最終的に個人の名前にたどり着く。即ち、所属している会社→部署→肩書→氏名という順番である。

しかし、アメリカをはじめ海外では先ず、自分の名前、何をしているのか(仕事の内容)、所属、そして最後に出身国を述べる。この流れがグローバルスタンダードなのだ。

自己紹介について、ピーター・ドラッカーは次のように言っている。「アメリカでは、1950年代から1960年代までは勤務先を回答していたが、現在同じ質問をすると『私は税のスペシャリストです』『ソフトウェアエンジニアです』というように自分の専門を回答する。もはや知識労働者は雇用主と自分自身を一体化させた解答はしない」

知識経済化する社会において、生産手段は会社の設備ではなく、社員の知識そのものに移りつつあること、社員が雇用主である会社の存続期間よりも長生きする社会になったということが背景にあるとドラッカーは述べているのだ。自己紹介の順番の違いは、グローバル化のみならずこうした知識経済化も背景にあるといえるだろう。

本章では、ほかにも「CCメールが多すぎる!」など注目すべき日本の会社文化について外国人からどう見えるのかが言及されている。

ビジネス日本語編

上司に言われたとおり、自分の考えをはっきり主張したところ、とても怒られました。(日系ブラジル人、30代女性、日本で勤務)

サンパウロの大学で教育学を専攻したのち、自分のルーツを知るために日本に来ました。2年前に、今の教育研修関連の会社に正社員として採用になりました。私はルーツのある日本で専門の教育関連の仕事ができるのにとても満足しています。

あるお客様に来年度の研修プログラムで最先端の情報も盛り込んだ新しいプログラムを提案したいと思っていました。上司からも「来週それで提案しましょう。ただし、保守的な考え方をするので、きちんとキョウチョウすることを念頭に置いてください」と言われました。

提案の際、私は言われたとおり、新しいものにするべき理由をできるだけ強調するように心がけ、力を込めて語りました。

帰り道、心の中でガッツポーズをした私ですが、上司にひどく怒られました。どうしてでしょう。』

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日本の会社40の弱点
未 読
日本の会社40の弱点
ジャンル
グローバル
著者
小平達也
出版社
文藝春秋(文春新書)
定価
778円
出版日
2013年11月20日
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