キレるソフトバンク

未 読
キレるソフトバンク
ジャンル
著者
日経コミュニケーション編集 榊原康
出版社
日経BP社
定価
1,944円
出版日
2013年12月24日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
3.0
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キレるソフトバンク
キレるソフトバンク
著者
日経コミュニケーション編集 榊原康
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出版社
日経BP社
定価
1,944円
出版日
2013年12月24日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
3.0
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レビュー

あなたはソフトバンクやその社長である孫正義氏についてどういった印象をお持ちだろうか。

2013年だけでも米携帯電話3位のスプリント・ネクステルの巨額買収を終えた直後に、フィンランドのゲーム会社スーパーセルや携帯電話端末の卸売業では世界最大級の米ブライトスターの買収を発表するなど、次々と企業買収を行い事業拡大にひた走る様子は、いま一番勢いのある日本発のグローバル企業というイメージを持っているかもしれない。

一方で国内では「KDDIを抜いた」とか「つながりやすさNo.1」といった競合をこき下ろすような文句が散見され、品の良い会社にはとても見えないという方もいることだろう。

だがこうした表面的な言動に目がいく一方で、ソフトバンクの中身、つまり社内に根づく企業文化や組織体制について気を留める機会はこれまで少なかったのではないか。

本書は社内外のインタビューや取材を通して収集された情報をもとに、ソフトバンクを徹底解剖した一冊だ。周囲からの孫正義氏の人物評は当然ながら興味深いのだが、読み進めるうちに、ソフトバンクの強さは社長だけでなく、その企業文化にあることが分かる。スピードを重視し、社員が生き生きと働ける意思決定の仕組みが社内に根づいており、ときには孫正義氏すら議論でやり込められてしまうほどだという。本書を読めば、一体感や躍動感をもって会社を運営するための秘訣が学べることだろう。

苅田 明史

著者

榊原 康
1974年生まれ。1996年、慶應義塾大学環境情報学部卒業、日経BP社入社。システム構築関連の雑誌を経て、2005年1月から「日経コミュニケーション」誌の記者として通信業界の動向を追っている。2009年4月から2012年3月は日本経済新聞社に出向して通信業界を担当。

本書の要点

  • 要点
    1
    ソフトバンクの強みはどこにも負けないと自負するスピード経営だ。「動物園」と表現される経営会議には社内外のあらゆる関係者が呼ばれ、即断即決で物事がどんどん進む。
  • 要点
    2
    他を寄せ付けないスピードの裏には、実は徹底した数字至上主義がある。まず数値目標と達成時期を決め、必要な施策を検討し、効果の予測と検証を日々繰り返す。成果主義だが、失敗は許容される文化で、とにかく実践を重んじている。
  • 要点
    3
    孫社長は人をひき付けたり、動かしたりする能力に長けており、唯一無二の存在だ。その才能や人脈を引き継ぐことは難しく、後継者問題はソフトバンクの課題の一つと言える。

要約

【必読ポイント!】 徹底したスピード経営と数字至上主義

経営会議は「動物園」
Elena Lishanskaya/iStock/Thinkstock

ソフトバンクの幹部が自社の強みとして口をそろえて挙げるのは、経営判断の速さだ。「スピード(経営)では絶対に勝つ。世界中のあらゆる企業と比べても負ける気がしない」と自負するほどである。

例えば、一般に経営会議と言えば取締役や役員クラスの幹部が集まって意思決定を下す様子を思い浮かべるが、ソフトバンクでは一般社員から社外の人間まで、議題に関連した分野について最も詳しい知識を持つ人間をすべて呼んでいるという。議論の最中に不明点があればどんどん人を追加招集するため、最初は数人で始まった会議が気づけば20~30人になっていることもあるそうだ。

物事が即決でどんどん進むため、集まった人間は皆、自分の意見を我先に主張する。現場の担当者も無謀な内容と判断すれば、全力で阻止するために立ち上がって異議を唱える。孫正義社長ですら割って入らないと発言させてもらえず、時には孫社長ですらボコボコに言い負かされるそうだ。

何事も即断即決。孫社長が「動物園」と表現する経営会議が、ソフトバンクのスピード経営を体現している。

根拠があれば億単位の予算もすぐ下りる

ソフトバンクのスピードは他を寄せ付けないものがある。突拍子もないアイデアでイケイケというイメージと裏腹に、そのモーレツぶりを支えているのは、実は徹底した数字至上主義だ。数字の明確な裏付けがなければ動かないが、一度動き出したら進ちょく状況をつぶさに確認し、修正を繰り返す。

ソフトバンクでは、まず数値目標と達成時期を決め、必要な施策を検討するという、逆算スタイルを採用している。効果の予測と検証を日々繰り返し、予測が外れたらたとえ良いほうに外れてもその理由を追求する。悪いほうに外れても怒られることはなく、施策の修正を行うのみだ。

社員は目標を数字でコミットすることを求められ、数字による明確な根拠があれば1000万円でも1億円でも平気でポンと予算が出るという。普通の会社であれば稟議と決済に相当な時間を費やすことを即決するのだから、やりがいを感じる社員は多い。

ソフトバンクには失敗を恐れず、とにかく実践する文化がある。成功も失敗も含め、これまで様々な角度で取り組んできた実績が膨大に蓄積されている。自社で積み上げた実績が重視されるのは、失敗を含めた経験値の豊富さがあるためだ。

独特な経営理念を全社で実践する組織力

有言実行の完全な成果主義

ソフトバンクでは成果を上げながら努力を続ける者が次々と昇進していく。「自ら手を挙げた人に機会を提供する」という企業方針を掲げ、アルバイトが部長代行まで昇進した例もあるそうだ。

完全な実力主義でフラットな状態なので、派閥も発生しない。ソフトバンクはこれまで日本テレコム、ボーダフォン日本法人、ウィルコムなどを立て続けに買収したが、派閥はおろか、出身母体で固まるような傾向も全くないという。出身母体に関係なく、成果だけが問われる。成果を出せばちゃんと評価されるので、自分がコミットしたことに対する達成意欲はすさまじいものがあると胸を張る。

失敗も繰り返せばノウハウになる
imtmphoto/iStock/Thinkstock

ソフトバンクの社内には失敗を恐れない文化が浸透している。ほとんどの幹部が「失敗は数えきれない」と公言するが、金額が大きい失敗であっても評価が著しくマイナスになることはないという。

多くの企業では失敗は避けるべきことで許されないのに、ソフトバンクではなぜ失敗を恐れないのか。

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2013年12月24日
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リーダーシップ・マネジメント 産業・業界
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1,944円
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2013年12月24日
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