東京で家を買うなら

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出版社
自由国民社

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出版日
2014年12月24日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

人生でもっとも大きな買い物といえば「家」――そう答える人はきっと多いに違いない。

賃貸物件で一生暮らす、あるいは実家に住むつもりの人でなければ、結婚や子どもの誕生などライフステージの変化に合わせ、「マイホーム」への憧れを抱くものである。とりわけ東京に家をもつことはステータスだといわれている。我が家を手にすることが、人生のさらなる励みになるという人もいるはずだ。

ところが不動産会社の営業マンに乗せられるがまま、深く考えることなく家を購入してしまい、あとから後悔する人が後を絶たないという。人生でもっとも大きな買い物であるにもかかわらず、である。家を購入したことで幸せになれる人と、転落してしまう人の違いはどこにあるのか。

本書は、東京で長らく不動産に携わってきた著者による、物件購入を成功に導く渾身の指南書だ。初心者にもスルスルと読みやすい筆致が心地よく、「家の買い方は全国どこでも同じではありません。東京には東京の買い方があるのです」というキャッチコピーには説得力が感じられる。これ一冊を読めば、「東京での家の買い方」が理解できるようになるだろう。

ここ数年、夫婦やファミリー世帯のみならず、独身でマンションを購入する人も増えた。ぜひ本書で、「幸せになる家選び」のポイントやコツに触れてみてほしい。

ライター画像
田中佐江子

著者

後藤 一仁 (ごとう かずひと)
株式会社フェスタコーポレーション代表取締役、不動産コンサルタント。国土交通大臣登録証明事業・公認不動産コンサルティングマスター。宅地建物取引主任者。
1965年、神奈川県川崎市生まれ。東京都在住。大手不動産会社のハウジングアドバイザー、東証一部上場企業連結不動産会社の取締役を経て、株式会社フェスタコーポレーションを立ち上げ、代表取締役に就任。1989年より26年間、常に顧客と直接接する第一線での不動産実務全般に携わる。
東京を中心に不動産の購入、売却、賃貸、賃貸経営サポートなど、今までに、1万組以上の対面個別相談、6,000件以上の実際の取引を行い、徹底して顧客の立場に立ったコンサルティング・アドバイスを一般の個人の方むけに、わかりやすく提供している。日々実務を行いながら、執筆、セミナー講師、新聞、雑誌等『不動産を通じて世の中の一人でも多くの人を幸せにする』ことをミッションに活動中。
『専門家プロファイル』登録専門家。朝日新聞運営協力『マイベストプロ東京』登録専門家。
『Allaboutプロファイル』2012年・年間及び、『専門家プロファイル』2013年・年間、2014年上半期建築・不動産系専門家アクセスランキング「第1位」。テレビ局・新聞社運営『マイベストプロジャパン』2013年・年間及び、2014年上半期住宅・不動産系専門家アクセスランキング「第1位」。
「Yahoo! JAPANニュース」、「マネーの達人」、「BusinessMedia誠」、「Infoseek経済ビジネス・ニュース」、「livedoorNEWS経済」、「msnマネー」、「マイナビNEWSマネー」、「JIJICO」、「exciteニュース」等多数のメディアで記事を執筆。『産経学園』×『オールアバウトプロファイル』教エール・認定講師。

■専門家プロファイル『後藤 一仁』サイト http://profile.ne.jp/pf/kazuhito-goto/
■マイベストプロ東京『後藤 一仁』サイト http://mbp-tokyo.com/goto/

本書の要点

  • 要点
    1
    「家を買うこと」そのものを目的にするのではなく、「家を通じ、自分と家族が幸せになること」を目的とするべきである。
  • 要点
    2
    幸せになる家選びには、「資産価値」「安全性」「利用価値」という3つのポイントが存在する。
  • 要点
    3
    「利用価値」だけではなく、「資産価値」も重視しなければならない。
  • 要点
    4
    東京の特徴は、「西高東低」「南高北低」「同心円状」である。
  • 要点
    5
    「家を買う」にあたっては「建物を買う」という意識も大切だが、もっと重要なのは「駅を買う」「街を買う」「地域を買う」という発想だ。

要約

家選びのポイントを押さえる

本当の買い時
SvetaZi/iStock/Thinkstock

いま東京では、新築も中古も価格が上昇している。さらに上がることを予想した人たちの購入意欲も高まってきている状態だ。

そこで重要になるのが「物件を見る目」である。どんな家をいつ、どこに、いくらで買うかによって、人生の明暗ははっきりと分かれてしまう。ではいつ購入するべきなのだろうか。

一般的にいうと、買い時とは不動産の価格が安く、金利が低く、税制優遇などの外部環境が整っているタイミングを指す。この一般論に照らし合わせると、2020年の東京オリンピック開催を控える現在の東京は、資産インフレが起こり、不動産価格が値上がりする可能性が高い。にもかかわらず、いまのところまだ極端に価格は高騰していない。そのため税制優遇の実施や史上最低金利を考慮すると、おおむね買い時だといえる。

ただし本当の買い時は、一般論とは異なるものだ。安定収入の見通しがついており、外部環境が整っている時、住みたい場所で住みたい家と出会った時が、本当の買い時である。

家選びの3つのポイント

物件購入でもっとも重要となる、家選びのコツを具体的に見ていこう。幸せになる家選びには、3つの押さえるべきポイントがある。

(1)資産価値:いざとなれば、すぐ「売れる(いつでもお金に換えられる)」「貸せる(比較的すぐに収益を得られる)」

(2)安全性:「命」「資産」を守るために、災害などが起きても安全な場所・建物

(3)利用価値:「住み心地」「居住性」「利便性」など、不動産を利用する自分にとっての価値

これらのポイントは非常にシンプルだが、家選びを成功させるためには欠かせない。

逆に物件購入で損をする人は、「一生住み続けるつもり」で家を買うケースが多い。売却する時のことを考えずに、家選びを行なっているのだ。しかもそういう人ほど、「どの土地でどんな物件を買っても、購入時と同額で売れるわけがない」と思いこんでいる。

家選びで失敗・転落していく人のほとんどは、「資産価値」「安全性」を重要視せず、住み心地や居住性といった、自分にとっての「利用価値」のみを基準に物件選びをしている。このことも合わせて覚えておきたい。

【必読ポイント!】 「資産価値」の高い家の選び方

「最初の家選び」が後の人生を決める
Olivier Le Moal/iStock/Thinkstock
家選びの1つ目のポイントは「資産価値」だ。

具体例を挙げよう。Aさんは、駅から徒歩16分に立地する4LDK・81平方メートルのマンションを所有している。妻の実家が同じ埼玉県にあることが決め手となったという。新築購入時の価格は3500万円で、住宅ローンの残年数は20年だ。

対するBさんは、駅徒歩4分の立地で、5階部分・60平方メートルのマンションを所有。緑の多い低層住宅地が好みの夫、都心派で利便性がよく子どもの教育環境を重視した妻の意見が一致し、文京区の築7年の中古マンションを4380万円で購入した。

約10年後、AさんもBさんもマンションを売却することになったのだが、結果は大きく分かれた。Aさんが所有するマンションの売却金額の査定は1800万円程度。賃貸は借り手がつかないといわれ、途方に暮れることに。対するBさんは、販売スタートから半月経たないうちに、購入時とほぼ同額での売却に成功した。

両者のもっとも大きな違いは、「資産価値」を重視したかどうかである。Aさんは、「利用価値」を最優先に物件を選び、「資産価値」を念頭に置いていなかった。一方でBさんは「資産価値」にも重きを置いていた。これが後の成功につながった。

たしかに郊外のマンションは都心のマンションに比べ、購入価格の安い物件が多い。しかし価格が下がる可能性も非常に高い。価格が落ちない家を選ぶためには、将来をきちんと考え、少し価格が高くても購入後に価格が落ちにくい「いい物件」を選ぶことが肝要である。

西高東低・南高北低・同心円状

東京の街を価格・賃料の高低で見た場合、おおむね「4つのエリア」に分けられる。

(1)低・低エリア:買うのも借りるのも安い

東京東部の低地エリアや郊外エリアなど。価格がリーズナブルで、賃料も比較的低い。

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要約公開日 2018.01.02
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