世界で通用する正しい仕事の作法
4つのカラーで人を知る、組織を活かす、世界と通じあう

未 読
世界で通用する正しい仕事の作法
ジャンル
著者
伊藤武彦
出版社
定価
1,500円 (税抜)
出版日
2017年03月31日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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世界で通用する正しい仕事の作法
世界で通用する正しい仕事の作法
4つのカラーで人を知る、組織を活かす、世界と通じあう
著者
伊藤武彦
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ジャンル
出版社
定価
1,500円 (税抜)
出版日
2017年03月31日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
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レビュー

日本人は世界から取り残されている。まずはそれを自覚するところから始めなければならない。著者の言葉に思わずドキリとさせられた。

長い間ほぼ単一民族国家という意識で暮らしてきた日本人の多くは、「自分と違う人」とどう接していいかわからない。今後グローバル化が進む中で、「自分と違う人」とどのように関わっていくかは、大きな課題となる。

本書では、まずダイバーシティに対応するためのマインドセットを示し、そのために有効なツールである「バークマン・メソッド」を紹介している。バークマン・メソッドとは、3つのシンボルと4つのカラーによってその人の行動パターンを明らかにするという、世界で通用するダイバーシティ・コミュニケーション手法のことだ。このメソッドを使えば、相手の行動から、その人の考えをある程度理解できるようになる。

著者は、その結果をもとにどのように人材を活用すべきかという実践的なアドバイスを述べていく。とりわけ、人間の心理に根づく「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」についての指摘は必読だ。このバイアスを解消するためのトレーニングは、すでにGoogleなどで取り入れられている。

究極的には、人はひとりひとりが皆、違う個性を持った個人だ。そのため、「自分と違う他人」と円滑なコミュニケーションを取り、仕事をスムーズに進めるためのツール、バークマン・メソッドは、世界を相手にするビジネスに限らず、さまざまなビジネスにおいて大いに役に立つだろう。

池田明季哉

著者

伊藤 武彦 (いとう たけひこ)
名古屋商科大学ビジネススクール アソシエイトディーン・教授
1991年早稲田大学商学部卒業。富士総合研究所(株)入社、ベンチャー経営、マーサー・ジャパン(株)名古屋オフィス所長、同プリンシパルを経て、(株)ライトマネジメントジャパン タレントマネジメント部プリンシパル等として活躍。2010年に「バークマン・メソッド」マスタートレーナー研修を受け日本で最初に公認マスタートレーナーに認定される。2005年より名古屋商科大学ビジネススクールにて教壇に立ち、2008年同大学教授。英国ダラム大学ビジネススクールMBA修了。大阪大学大学院博士課程後期在学中。企業のリーダー候補の育成のみならず、リトアニア、ジンバブエ、南アフリカ等海外のビジネススクールの客員教授として日本だけでなく海外のリーダー候補の育成に携わる。これまでの著書に『4つのカラーで見直そうこれからの働き方 「自分」を知り、「周囲」を活かし、組織を強くする』(2009年 ファーストプレス刊)他。

本書の要点

  • 要点
    1
    グローバル化に対応するには、グローバル・マインドが必要となる。中でも「アンコンシャス・バイアス」を取り除くことが重要だ。
  • 要点
    2
    バークマン・メソッドとは、3種類の記号が4種類のカラーゾーンのどこに置かれるかによって、その人の特性や適性を理解するという統計学的手法である。
  • 要点
    3
    バークマン・メソッドを活用することで、自分と相手の行動原理が見えてくる。互いの行動から、それぞれの考えが明らかになれば、人種、国籍にかかわらず、スムーズに仕事ができるようになる。

要約

世界に取り残される日本

なぜ日本は取り残されたのか
BrianAJackson/iStock/Thinkstock

ビジネスのグローバル化にどう対応すればいいのか。仕事の舞台が「世界」に広がることは、今まで出会ったことがないタイプの人と関わるようになるということだ。そこではダイバーシティ・マインドが欠かせない。

これまで世界各国の人々はこの課題をある程度克服してきた。しかし、日本人の多くはその流れについていけず、世界に通用する働き方から取り残されてしまっている。そこには大きく3つの問題がある。

1つ目の問題は、「インサイド・アウト」でのものの見方から脱することができないことだ。インサイド・アウトとは、「自分たちの内側」で通用しているものの考え方に、「自分たちの外側」に存在する物事を合わせようとすることだ。この考え方では、自分たちのやり方が当然正しいと思い込み、それと違うやり方に出くわすと、「どうしてこちらに合わせないんだ」と怒ることになる。世界に通用するためには、自分たちのやり方を、他のやり方に合わせていく「アウトサイド・イン」の見方が必要となる。

2つ目は、「ロスト・イン・トランスレーション」の問題だ。日本人は他の国の言葉や概念を、日本での物事に完全に置き換えようとする傾向がある。無理に日本のものに「翻訳」しようとすると、必ず失われるものが出てくる。よって、他の国のものを丸ごと、そのまま受け入れる姿勢が重要だ。

そして3つ目は、日本人特有とは限らないものの、「アンコンシャス・バイアス」を持ってしまうという問題である。これは無意識の偏見という意味で、「自分とは違う」と感じているものを、受け入れまいとして働く無意識の心理だ。例えば特定の国の人や、障がいを持っている人などに対して、こうした心理が働くことがある。

日本は長く、ほぼ単一の民族から成る国家として存在し、「自分たちと違う人たち」が極端に少ない環境に置かれていた。そのため、世界の様々な人が共存する環境で、どう行動すればいいのかがわからないままになっている。また、日本人には、戦後のどん底の状況から這い上がったという「栄光」がある。この「栄光」に対するプライドが、日本人に「自分たちのやり方は正しい」と信じ込ませる要因になっている。

日本人が世界を舞台に、世界中の人々と仕事をするためには、こうした問題を克服して、グローバル・マインドを身につけなければならない。

グローバル・マインドの重要性

グローバル・マインドとは、世界中のどんな職場環境においても、どんな相手や顧客に対しても持っておくべき心構えのことだ。グローバル・マインドには、「ポジティブであること」「メンタルヘルスを保つこと」などの要素がある。中でも「アンコンシャス・バイアスを取り除くこと」は極めて重要だ。

アンコンシャス・バイアスは誰にでもある。大切なのは、自分自身で「実は部下を平等に扱っていない」といったアンコンシャス・バイアスの存在に気づき、それを認めることだ。その上で、「ではどうするか」を考えなければならない。

世界で活躍する人材は、アンコンシャス・バイアスを取り除くための訓練を受けている。私生活では気の合わない人と話さなくても支障はないが、仕事においてはそうした振る舞いが会社の損失につながる場合もある。まずは「自分が平等ではない」ということに気づくことから始まる。

グローバルとダイバーシティは同義

グローバル・マインドを構成する要素として、もう1つ重要なのが、「ダイバーシティ・マインド」を持つことだ。ダイバーシティ・マインドとは、ダイバーシティ、つまり多様性を理解したり寛容性を持っていたりする心のことを指す。

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