40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方

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出版社
東洋経済新報社

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出版日
2017年12月28日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.5
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おすすめポイント

選手寿命は30歳ともいわれるスキージャンプ界において、40歳を過ぎてなお世界の最前線で活躍する「レジェンド」こと葛西紀明氏。そんな彼がビジネスパーソンに向けて、体と心のトレーニング、メンテナンス方法を指南した待望の書が登場した。

体幹の鍛え方や効果的なストレッチのやり方、ランニングのすすめなど、体力を維持する「フィジカル面」と、心を強くしなやかにする「メンタル面」の両面から、図表とともに分かりやすく紹介している。一見、表紙からは「レジェンド・葛西選手だからできる方法なのでは?」と思ってしまいそうだが、その疑念を見事に払しょくしてくれる内容なのでご安心を。

40代は一般的には、体力や気力が衰えていく年代といわれる。しかし、心身の限界を理由に会社を辞めることができないのがビジネスパーソンである。30代半ばを過ぎると、がむしゃらな努力ではうまくいかない。自分の目的や年齢に見合った努力が重要である、というのが葛西氏の見解だ。

「いくつになっても人生のピークを更新できる」という、葛西氏の経験に基づいた考え方は、ビジネスパーソンに勇気を与えてくれる。読み進めるにつれ、「自分は年齢にふさわしい努力をしているだろうか」と自問せずにはいられなくなるだろう。40代、50代という働き盛りの時期を、ストレスなく楽しく過ごすためのヒントを得られること間違いなしだ。まずは本書を読み、効果抜群の「葛西式メソッド」を一つでも試していただきたい。また、葛西氏は平昌冬季五輪にも出場する。新たなレジェンド誕生が楽しみでならない。

ライター画像
水本このむ

著者

葛西 紀明 (かさい のりあき)
1972年6月6日、北海道下川町出身。
株式会社土屋ホーム、スキー部選手兼任監督。
2014年ソチ冬季オリンピック個人銀メダリスト。
1992年のアルベールビルオリンピックに19歳で初出場。以来、リレハンメル、長野、ソルトレークシティ、トリノ、バンクーバー、ソチと史上最多、計7回の冬季オリンピックに出場。
スキージャンプ選手としては異例ともいえる20年以上のキャリアと、40歳を超えてなお一線級の成績をマークすることから「レジェンド」と称され、国内外から尊敬を集める。
冬季オリンピック7大会連続最多出場記録、ワールドカップ最年長優勝記録、冬季オリンピックスキージャンプ最年長メダリストなど5つのギネス世界記録をもつほか、2014年の新語・流行語大賞では「レジェンド」がトップテン入りし広くファンを得る。
2015-2016ワールドカップランキング8位、2018年の韓国・平昌冬季オリンピックでは2大会連続のメダルが期待されている。

本書の要点

  • 要点
    1
    40代になると、20代の頃のような「がむしゃらな努力」ではなく、年齢にふさわしい努力が求められる。要所をおさえたトレーニングや気持ちの持ち方、体の休め方、食事のとり方を意識することが重要だ。
  • 要点
    2
    本書では、「寝る前の3分でできる体幹トレーニング」や「忙しいときは階段移動を増やす」といった、ビジネスパーソンが無理なくできるトレーニング方法を紹介している。
  • 要点
    3
    折れない心をつくるには、「脳を疲れさせない」「笑顔と言葉で『プラス思考』を生み出す」「『ワクワク感』を甦らせる」の3つを意識するとよい。

要約

「疲れない体」こそ、40代に必要な最強の体

疲れない体とはどんな体か?

本書の中心テーマは、40代になっても心身ともに健康を維持し、自分を最大限活かすための方法である。

一般的に人間の体は、20代をピークに衰えはじめるといわれている。「若い頃にくらべて無理がきかなくなった」という声もよく耳にする。しかし、「正しい努力」をすることで40代、50代になっても、健康で若々しい肉体を保つことができる。実際のところ、葛西氏は41歳で過去最高の成績を残し、ソチオリンピックで銀メダル・銅メダルを手にしている。

仕事で最高のパフォーマンスを発揮できなくなる要因として、「病気」「ケガ」の次に怖いのが「疲れ」だという。この疲れの多くは、「代謝の低下」が原因というケースが少なくない。代謝をいかに上げるかが、疲れない体をつくるための大事なポイントである。

体幹を鍛え、正しい「姿勢」を身につける
fizkes/iStock/Thinkstock

代謝を上げ、疲れない体をつくるうえで意識したいのが、普段の「姿勢」である。姿勢の悪さは体の歪みであり、体が歪むと血液の流れが悪くなって、代謝を下げる一因となる。結果、疲労回復が遅れ、疲れる体になってしまう。

現在ラクな姿勢は必ずしも「疲れない姿勢」ではない。ラクといいながらも、姿勢を頻繁に変えているとしたら、それは疲れる姿勢をとっている証拠だ。本来、最もラクな姿勢とは、背筋の伸びた「正しい姿勢」である。

では、正しい姿勢を維持するにはどうすればいいのか。ポイントは「体幹」にある。「体幹を鍛える→体の軸が安定して姿勢がよくなる→代謝が上がる」という好循環に入ることができれば、疲れない体を手に入れられる。ここで、寝る前の3分でできる葛西式「体幹トレーニング」を紹介する。

まずは、仰向けに寝て両膝を立てる。次に、おへその1センチ下を、1センチへこます程度に力を入れる。その体勢のまま、上半身をゆっくり起こす。おへそが見えたら3秒間キープする。最後に、ゆっくり息を吐きながら最初の体勢に戻る。この一連の動作を5セットくり返す。

寝る前3分でできる「体幹トレーニング」で、正しい姿勢と疲れない体の両方を手に入れることができる。

40歳を過ぎたら、筋トレよりストレッチ

肉体的な衰えを感じると、持久力や筋力にばかり目を向けていないだろうか。しかし、筋力と同じく衰えているのが柔軟性であり、「柔軟性の低下」は思っている以上に「疲れやすい体」をつくり上げてしまっている。

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要約公開日 2018.02.08
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