人生100年時代のお金の不安がなくなる話

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人生100年時代のお金の不安がなくなる話
ジャンル
著者
竹中平蔵 出口治明
出版社
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定価
864円
出版日
2017年09月15日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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竹中平蔵 出口治明
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定価
864円
出版日
2017年09月15日
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3.8
明瞭性
4.0
革新性
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レビュー

「AIによって仕事が奪われる」「将来年金がもらえなくなる」。こうした不安を煽るような言葉を、ビジネス書やニュースで目にすることが増えて久しい。ただ、実際には、単なる商品やサービスの販売促進の文言に使われていることも多い。具体的に何をしたらいいのかが分からず、将来への不安を漠然と抱いている方もいるだろう。

老後破産、年金崩壊、AI・IT革命、貧困、超高齢化、人口減少。本書では、こうした喫緊のトピックについて、知の巨人の二人が対談し、問題の本質をあぶり出していく。著者は、日本の政策ブレーンである経済学者の竹中平蔵氏と、ビジネス界きっての教養人の出口治明氏だ。二人の提示する解決策は、本書の「川を上れ、海を渡れ」の言葉通り、歴史を遡って得た教訓と海外の事例という、古今東西の英知に裏打ちされている。問題の本質と解決策が明らかになると、読者は、情報不足によって不安をかきたてられていたことに気づくだろう。また、一見すると突飛なアイデアも、二人の手にかかれば、私たちの生活を豊かにする理にかなった方法だと合点がいく。

年金制度の改革や社会の構造改革など、国レベルでの政策も大事だ。しかし、それよりも私たち一人ひとりが自身の人生の在り方を問うことのほうが重要だと、二人は強調している。今後のキャリアについて悩んでいる方や老後の生活に不安を抱いている方に、ぜひともお読みいただきたい一冊だ。

岡 和明

著者

竹中 平蔵(たけなか へいぞう)
1951年、和歌山生まれ。一橋大学経済学部卒業後、日本開発銀行入行。大阪大学経済学部助教授、ハーバード大学客員准教授、慶應義塾大学総合政策学部教授などを経て、2001年より経済財政政策担当大臣、金融担当大臣、総務大臣、郵政民営化担当大臣などを歴任。現在、東洋大学国際地域学部教授、慶應義塾大学名誉教授。ほか、公益社団法人日本経済研究センター研究顧問、アカデミーヒルズ理事長、(株)パソナグループ取締役会長、オリックス(株)社外取締役、SBIホールディングス(株)社外取締役、世界経済フォーラム(ダボス会議)理事などを兼職。

出口 治明(でぐち はるあき)
ライフネット生命創業者。1948年、三重県生まれ。京都大学を卒業後、日本生命に入社。企画部などで経営企画を担当するとともに、生命保険協会の初代財務企画専門委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事する。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て、同社を退職。2008年にライフネット生命保険株式会社を開業した。2018年1月より、立命館アジア太平洋大学(APU)学長に就任。

本書の要点

  • 要点
    1
    現在は技術革新に裏付けられた「革命の時代」である。ファースト・ムーバー・アドバンテージが働いており、時間との競争に負けた国は滅びてしまう。
  • 要点
    2
    公的年金保険は、国債の発行が可能な限り、破たんしない。「老後破産」や「下流老人」の問題は、社会保険の適用拡大によって解決できる。お金の心配をするよりも、自分は何がしたいか」が大切だ。
  • 要点
    3
    人生100年時代では、AI・IT化を前向きに受け止め、新しい産業を生み出すために労働を流動化させることが鍵になる。環境の変化に対応する力と、明確なビジョンを持つことが重要だ。

要約

今、時代はどう動いているのか

革命の時代

竹中氏は、現在は技術革新に裏付けられた「革命の時代」であるという。18世紀の産業革命が人類の生活を一変したように、グローバリゼーションとデジタル技術よって社会的なインフラが変わり始めている。

例えば経済では、ソーシャル・ネットワーキング業という新しいビジネスが生まれている。その中でも、シェアリング・エコノミーやフィンテックは新しいインフラといえる。

まず、シェアリング・エコノミーとは、モノやサービスなどの交換・共有によって成り立つ経済分野のことだ。例えばUber(ウーバー)やAirbnb(エア・ビー・アンド・ビー)などが注目されている。Uberは、スマートフォン経由で一般人が自分の空き時間と自家用車を使い、ドライバーとしてサービスを提供できる。

また、Airbnbは、空いている部屋や家を貸したい人と借りたい人とのマッチングサービスとして、世界中で広がっている。これまでは、旅館やホテル、タクシーなどの社会的なインフラがなければ、安心して宿泊や移動ができなかった。しかし、スマートフォンとビッグデータを活用することで、国や都道府県が許可を与えなくても、安全と快適を確保できるようになった。こうした動きは、新たに施設をつくるのではなく、今あるものを活用して経済を活性化させる新しい事業のやり方だといえる。

フィンテックの加速
Chesky_W/iStock/Thinkstock

金融分野におけるビッグデータの活用が進めば、フィンテックがいっそう進むと竹中氏はいう。フィンテックとは、銀行が一括して提供しているサービスを細分化すること(アンバンドリング)である。新しいテクノロジーとビッグデータを組み合わせれば、銀行という社会的インフラがなくても、安心して預金も決済もできるようになる。

今まで誰かに送金するときは、銀行経由で手数料がかかっていたが、それがほとんど無料になる可能性もある。さらには、ビッグデータを活用した、顧客満足度の高いサービスを打ち出すなど、新たな事業機会につながることが予想される。

時間との競争に負けた国は滅びる

ドイツは2011年から「インダストリー4.0」という言葉を使いはじめた。翌年の2012年、アメリカやイギリスもビッグデータを整理するための準備をはじめている。

一方、日本の場合、2016年になってはじめて成長戦略の中で、「第四次産業革命」という言葉が出てきた。ヨーロッパやアメリカに比べると、4、5年のギャップが生じている。このスピード感の欠如が日本の弱さといえる。

ITやソーシャル・ネットワーキングの分野では、ファースト・ムーバー・アドバンテージが働きやすい。はやく開始・実行したほうが、あとから開始・実行したものよりも優位に立てるという原理のことだ。加えて、出口氏は最初にやった人だけが基準やルールをつくることができるという。一度栄えた国や社会は、時間との競争に負けると滅んでいくことは、歴史を振り返ると一目瞭然である。

老後のお金の不安と向き合う

公的年金保険は破たんしない
itasun/iStock/Thinkstock

現在、年金について、さまざまな俗説が世間にあふれている。例えば、「公的年金保険は破たんする」「将来年金がもらえないようになる」といった内容だ。これに対し、出口氏は「日本の公的年金保険は破たんしない」という。

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スキルアップ・キャリア 政治・経済
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