一生仕事で困らない企画のメモ技

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一生仕事で困らない企画のメモ技
出版社
出版日
2018年02月28日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

多くのビジネスパーソンが、仕事やプライベートにわたって、さまざまな場面で求められる「企画」。とはいえ、苦手意識を持っていたり、締め切りの前日に慌てて考えたりしている方も多いだろう。

本書の著者は、バンダイから発売されて爆発的にヒットした「∞プチプチ」の企画を担当し、今は株式会社ウサギの代表取締役という立場で様々な企業の企画ブレーンとして活躍する高橋晋平氏。「企画のプロ」としてキャリアの階段を駆け上がっていったように見えるが、実はバンダイに入社して3年目ころまでは、ほとんど企画を通すことができなかったという。ただしある事実にたどりついてからは、「この先一生企画に困ることはない」と公言するほど多くの、かつ魅力的な企画を生み出せるようになった。

その事実とは、著者自身が自分の欲求に気づいていなかったということだ。人々が欲しがる商品には、自分の潜在的な欲求をセンサーにして、外にヒントとなる情報(=ネタ)を探さなければならないということがわかったという。

そして彼は、 企画の材料になるネタを探してメモしておき、それをもとに企画を生み出すという“仕組み”を考案した。本書では、その仕組みが余すところなく公開される。

企画はさまざまな場面で求められるものでありながら、その方法を体系的に教わる機会はほとんどないだろう。本書を読めば、新社会人の方はもちろん、日常的に企画立案に携わっている方にとっても大きな発見があるはずだ。

著者

高橋 晋平(たかはし しんぺい)
株式会社ウサギ 代表取締役
1979年秋田県北秋田市生まれ。2004年に株式会社バンダイに入社し、大ヒット商品となった玩具「∞プチプチ」など、バラエティ玩具の企画開発・マーケティングに約10年間携わる。2013年には、TEDxTokyoに登壇し、アイデア発想に関するスピーチがTED.comを通して世界中に発信された。2014年より現職。様々な企業の企画ブレーンや、チームを育成しつつ新商品を立ち上げる「企画チームビルディング」に従事するなど、いろいろな形でモノコトづくりに携わっている。
著書に『∞アイデアのつくり方』(イースト・プレス)、『アイデアが枯れない頭のつくり方』(CCCメディアハウス)、『プレゼンをキメる30秒のつくり方』(日経BP社)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    自分自身が「欲しいと思うものごと」をネタとしてメモしておこう。ネタと企画の「お題」をかけ合わせて、企画のもとになるアイデアを出すことができる。
  • 要点
    2
    新しいアイデアを量産するためには、いったんでてきたアイデアを「お題」とし、それを無作為に選んだ言葉の要素とかけ合わせる「ランダムワード発想」が有効である。
  • 要点
    3
    アイデアをもとに実現可能な企画をつくるには、企画の「何を」「誰に」「いくらで」の3要素を三角形に配置し、3辺のバランスを調整する「三角形メモ」というフレームワークを使うとよい。

要約

企画づくりの材料となる「ネタ」を集める

「欲しいと思うものごと」をメモする
Ingram Publishing/Thinkstock

企画をつくるときにありがちな行動として、「頭をひねって考える」「インターネットで検索する」といったものがある。しかし、頭をひねって考えると、いつも同じような企画ばかり浮かんでしまう。インターネットで検索しても、他者の企画と似たものしか生まれないものだ。

その課題を解決するため、著者は、企画づくりの材料になりえる情報や思いつきを「ネタ」と呼び、新しいネタをEvernoteの「ネタ帳」にメモする習慣をつけている。ネタ帳にメモすべきなのは、「新しいものごと」「変わっているものごと」「なんだか面白そうなものごと」ではなく、自分の欲求を動かす「欲しいと思うものごと」だけだ。「面白そう」「新しい」というだけの企画をつくってしまうことがあるが、「これは絶対に欲しい」と感じるような企画でなければ、大成功することはないからである。

あらゆる方法でネタを見つける

著者は主に、Webや、リアルな場である販売店や、会話の中からネタを見つける。

Webでは、RSSリーダーとTwitterを活用する。RSSリーダーとは、登録しておいたサイトで記事の更新があったかどうかがわかるアプリケーションだ。著者は「ギズモード・ジャパン」「ガジェット通信」などを定期的にチェックし、「欲しいと思うものごと」を拾い出している。

Twitterでは、興味のあるアカウントをフォローしておき、その人たちがツイートしたり、リツイートしたりした情報をチェックしている。加えて、「したい」「欲しい」といったワードでツイートを検索し、いろいろな人の欲求を見るようにしている。ただし、他人の欲求はそのままメモせず、たとえば「ペアルックやってみたい」というつぶやきをヒントに、「夫婦でペアルックイベントがあれば参加してみたい」という具合に自分の欲求が生まれた場合だけ、ネタ帳にメモするのだ。

Web以外のリアルな場においては、いろいろな店舗を観察し、自分が買いたいと思った商品をチェックする。特に、商品の良さを伝えるためにつくられた「パッケージ」は大きなヒントになる。ロゴやコピーなど、そのパッケージのどこにひかれたのかも簡単にメモしておこう。

人との会話もヒントになる。著者は、面白い人に出会ったら、2人で食事に行き、相手が好きなことやハマっていることを聞く。自分以外の人が「欲しいと思うものごと」を知るためだ。

もちろん、ふと頭に浮かんだネタも逃してはならない。ネタ帳には、外部で見つけたネタと自分で思いついたネタが混在していてよい。

【必読ポイント!】アイデアを量産する「かけ合わせメモ」

アイデアは質より量を重視する
Wavebreakmedia Ltd/Wavebreak Media/Thinkstock

ネタ帳があっても、そこからいきなり企画をつくることはできない。企画を作る前段階として、企画の原案となる「アイデア」を考える必要がある。アイデアをたくさん考え、そこからいいアイデアを選び出し、多くの人の欲求を動かすための具体的な方法を考え出す流れだ。

いいアイデアは、探してすぐに見つかるものではない。アイデアの段階では実現できるかどうかにとらわれる必要もないので、質よりも量を優先して多くのアイデアを出そう。

また「いいアイデアを出したい」と意識すると、発想にブレーキがかかってしまうことにも気をつけたい。むしろ、ダメなアイデアから出してみよう。最初に出したアイデアがダメであっても、それを少しだけ変えてみたり、ちょっと現実的にしてみたりと視点を変えていくことで、2つ目、3つ目のアイデアが出やすくなるからだ。

アイデアは「お題」×「ネタ」でつくる

アイデアは、「考えたいお題」と「ネタ」をかけ合わせてつくる。

あなたが新しいヘルスケアアプリを考えなければならない状況だとしよう。その場合、お題は「ヘルスケアアプリ」だ。お題とネタ帳にメモしたネタをかけ合わせてアイデアをつくっていく。

たとえば、ネタ帳に「家の掃除代行サービス」とメモしてあったとする。

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要約公開日 2018.05.21
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