入社1年目からの数字の使い方

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入社1年目からの数字の使い方
出版社
日本実業出版社

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出版日
2018年04月01日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

数字に苦手意識があったり、論理的思考なんて自分にはできないと思っていたりするビジネスパーソンは多いかもしれない。しかし本書を読めば、あなたの思い込みはきっと覆るだろう。実は、ビジネスシーンにおける数字は、数学が得意な人だけが使えるものではなく、コツをつかめば誰もが使えるものなのだ。タイトルには「入社1年目」とある本書だが、若手に限らず、ベテランのビジネスパーソンにもおすすめしたい一冊だ。

本書では、数字に強いビジネスパーソンを育成するプロフェッショナルである著者が、ビジネスシーンにおける数字の使い方のコツを単純明快に解説している。本書を読めば、仕事で使う数字の基本から、論理的に考える方法、数字を使った報告・連絡・相談の仕方、データの読み方・活かし方、資料づくりのコツ、そしてプレゼンテーションのコツまでもをマスターすることができる。つまり、あなたも数字を使いこなして説得力ある説明ができ、複雑なデータを一目で分かる資料へと変えることができるようになり、上司に対してポイントを押さえた報告ができるようになるのだ。

こういったスキルを身に付ければ、あなたの生産性は劇的に改善し、必ず成果が出て、周りからの評価も変わり、仕事が何倍も楽しくなるに違いない。ぜひ本書で学んだことを実践し、ライバルに大きな差をつけていただきたい。

ライター画像
山下あすみ

著者

深沢 真太郎(ふかさわ しんたろう)
ビジネス数学の専門家。人材教育コンサルタント。国内初の「ビジネス数学検定」(日本数学検定協会)1級AAA認定者。予備校講師や外資系企業での管理職などを経て2011年に「ビジネス数学」を提唱する研修講師として独立。数字に苦手意識を持つビジネスパーソンを劇的に変えている。その圧倒的な指導力で教育担当者からの信頼も厚く、担当した講義は100%リピート依頼がくる人気講師である。ラジオ番組のパーソナリティやビジネス誌の記事監修などメディア出演も多数。著書に『数学女子智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです。』(日本実業出版社)など多数。BMコンサルティング株式会社代表取締役。

本書の要点

  • 要点
    1
    「なるべく早く」「ちょっと」など、数字でない言葉を数字に変換することは、ビジネスパーソンに必須のスキルだ。「2時間以内に」「最大10%」など、数字を使って表現しよう。
  • 要点
    2
    報告を求められたときには、訊かれていることにまず答え(情報)、それを数字で具体的に説明し(数字)、最後に自分の考えや意見を伝える(情報)という順で話すと、相手に伝わりやすい。
  • 要点
    3
    数字を使って「報告・連絡・相談」する際には、一桁レベルまで正確な数字を伝える局面なのか、それとも、ざっくり伝えれば十分な局面なのかを正しくつかむことが重要だ。

要約

社会人のための数字の基本

仕事で使う数字はたった2種類しかない
Monkey Business Images/Monkey Business/Thinkstock

ビジネスパーソンが仕事で使う数字は、「実数」と「割合(%)」の2種類しかない。実数とは、ヒト・モノ・カネといったものの「量」を表現する「リアルな数字」のことである。割合とは、2つの実数を比較することで作られるもので、その実数の「よい・悪い」を表現する数字のことだ。

割合(%)という数字の裏には、必ず2つの実数がある。たとえば、「顧客満足度80%」という数字があったとき、これだけで「すごいね」と解釈するのは危険である。たとえば、「5名のうち4名が満足」と「1000人の超優良顧客のうち800人が満足」、どちらも同じ80%の満足度だ。しかし、中身は全く違う。だから、割合(%)だけで「よい・悪い」を判断するのではなく、必ず「もとの数字」が何なのかを把握し、「よい・悪い」「すごい・すごくない」の判断をすることが重要になる。このようなケースにおいては、「その割合(%)の分母(もとの数字)はなんですか?」と指摘してみよう。そうすれば、数字の落とし穴にはまらずに済むはずだ。

「数字でないもの」を「数字」に変換する

ビジネスシーンにおいては、「なるべく早く対処します」や「ちょっと値段を下げてガンガン売っていきましょう」などのように、数字で表現されていない言葉もたくさんある。しかし、「なるべく早く」とはいつまでなのか、「ちょっと」とはいくらまでのことを指すのだろうか。数字になっていない言葉を数字に変換することは、ビジネスパーソンに必須のビジネススキルだ。

その方法とは、相手から聞かれる前に「どれくらい?」を自分自身に問いかけ、具体的に考えることをサボらず、ざっくりと数字に置き換えることだ。たとえば、「いまから2時間以内に対処します」「最大10%まで値下げし、1日あたり50個のペースで売ります」などと会話に落とし込めばよい。

ビジネスシーンでは、相手に「どれくらい?」と尋ねられたらアウトだと心得よう。「どれくらい?」と聞かれてしまうということは、数字に変換するべきだった言葉を、変換せずに使ってしまった証拠だからだ。

論理的に考える

「なぜなら」と「したがって」で考える
Martin Poole/DigitalVision/Thinkstock

論理的に考えるコツは、「数学コトバ」を使うことだ。数学コトバとは著者の造語であり、数学で用いられる論理表現のこと。わかりやすくいえば「要するに」「一方で」「または」などの接続詞のことである。

数学コトバは、前後にある2つの文の関係を表現し、それらを整理して1つの表現にする機能を果たしている。つまり、物事を考えるにあたり、頭の中で整理したり要約したりするために役立つのだ。意識的に数学コトバを使うことで、論理的に考えることができるようになっていくはずだ。

数学コトバの中で特に重要なのは、「なぜなら」と「したがって」だ。この「なぜなら」と「したがって」は、物事を判断する際や、失敗してしまった原因を分析する際にも役立つ。論理的に考えたいとき、まずは「なぜなら」という言葉で、ここでも自分に問いかけてみる。

「なぜなら」という問いを経て、理由がはっきりしたら、それをふまえてどうするかを考える。そのときに使うのは、「したがって」という言葉だ。

「1分で要約」「1行で要約」を習慣にする

誰かの発した「要するに○○」の○○が、少しも要約されていないケースは、多くの人の〝あるある〟だ。では、どうしたら的確な「要するに○○」がつくれるかというと、もし1分しか時間がなかったら、もし1行しかスペースがなかったら、という制限を自分の中で持って要約するとよい。

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要約公開日 2018.07.11
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