競争と協調のレッスン
コロンビア×ウォートン流 組織を生き抜く行動心理学

未 読
競争と協調のレッスン
ジャンル
著者
アダム・ガリンスキー モーリス・シュヴァイツァー 石崎比呂美(訳)
出版社
定価
1,728円
出版日
2018年03月26日
評点(5点満点)
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.5
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レビュー

次の3つの質問について、少し考えてみていただきたい。(1)上下関係が重視される国の出身者はヒマラヤ登山での死亡率が高いのはなぜか、(2)街中でまったく見ず知らずの人に携帯電話を貸してもらうには、どのように声をかければよいか、(3)オーディションで有利になるのは、「さき」の候補者か、「あと」の候補者か――。

本書では、行動心理学にもとづき、他者からの信頼を得る方法や謝罪の作法、交渉において最も気をつけなければならないことなどのテーマについて論じるとともに、かなり実践的なアドバイスが提供される。たとえば先述の例でいえば、(1)は、メンバーが自ら声をあげ、状況の変化や差し迫った問題をリーダーに警告することをためらってしまうからだ。(2)は、「雨のなか、すみません」など、相手への気づかいをあらわす一言を添えればよい。(3)は、「あと」だ。審査員は、「さき」の候補者に対し、「あと」のことを考慮して点数を控えてしまうし、「さき」については審査員が高い水準を思い描いているため、点数を辛くつけがちである。

きっと本書から、ビジネス社会においてあなたの身をまもってくれる数々のメソッドを得ることができるはずだ。人間の行動の奥底にある心理を知れば、きっともっと軽やかに、そしてしたたかに生きることができるだろう。

庄子 結

著者

アダム・ガリンスキー
コロンビア大学ビジネススクール教授。専攻は社会心理学。プリンストン大学で博士号を取得。

モーリス・シュヴァイツァー
ペンシルベニア大学ウォートン校教授。専攻は交渉学。ペンシルベニア大学ウォートン校で博士号を取得。

本書の要点

  • 要点
    1
    人は、協調を築くために、また、敬意のあかしとして嘘をつくこともある。嘘が人と人との絆を作り、信頼を高めていることも多い。
  • 要点
    2
    裏切りそのものよりも、信頼を回復する努力のほうがものを言う。効果的な謝罪は、イメージアップを実現するとともに、相手との関係をさらによくすることさえある。
  • 要点
    3
    交渉において、相手に気持ちよく立ち去ってもらうためには、笑顔を見せてはいけない。加えて、相手の最初の提示をすぐに受けいれるべきではない。交渉し、最終的に譲歩することで、相手に満足感を与えることができる。

要約

嘘から身を守る

協調のための嘘

人は、協調を築くために嘘をつくこともある。たとえば祖母が作ったミートローフの味や、友だちの結婚披露宴の感想については、嘘をつくのが「正しい行い」だということもあるだろう。

嘘はときに敬意のあかしでもある。職場のパーティーを欠席する理由が、本当はテレビドラマを見逃したくないからであったとする。しかしあなたは、その理由を正直に伝えることはない。病気を理由にして欠席するはずだ。

誰しも、嘘をつくのは反道徳的でいけないことだと教わってきただろう。しかし実際には、嘘が人と人との絆を作り、信頼を高めていることは多いのだ。

嘘を見破るために知っておきたいこと
SIphotography/iStock/Thinkstock

前項で説明したように、嘘が協調を築くこともある。だが多くの場合、嘘は、我々の大切なものを奪ったり傷つけたりするものだ。偽装や搾取から身を守るために、嘘つきがどんなシグナルを発しているのかを知っておこう。

シグナルを見つけるまえに必要なのは、ふだんの相手の行動を知っておくことだ。そうすれば、ふだんの行動を基準として、嘘をついたときの相手の変化に気づくことができる。

次に、正しく質問をし、相手の答えに注意を払う。たとえば、あなたが中古車を探しているとしよう。売り手に「この車はどんな車ですか?」というような一般的な質問や、肯定的な答えを前提とした「トランスミッションに問題はないですよね?」というような質問をするよりも、「この車にはどんな問題がありますか」というような否定的な答えを前提とする質問をするとよい。そうすれば、相手は情報を正しく伝えるか、嘘をつかなくてはならなくなるからだ。

加えて、「認知的負荷」をかけることも必要だ。嘘をつくときには、つじつまを合わせなければならないから、より多くの情報を覚えておかなくてはならなくなる。これが、認知的負荷のかかった状態だ。捜査官は、時系列をわざと前後させて質問をしたり、本筋とは関係のなさそうな質問をしたりして、尋問する相手に認知的負荷をかける。そして、相手がボロを出すのを待つのだ。

次に、相手の動きに目をこらす。嘘つきのシグナルは、次に挙げる4つだ。

(1)「ふつう」と違う:相手の行動がふだんと違うものかどうかだ。

(2)逃げ道を探す:嘘をつくと、ばれるのではないか不安になり、逃げ出したくなる。厳しい質問をしたときに、相手が部屋の出口に目をやった場合、嘘をついている可能性は高い。

(3)やりすぎる:「嘘ではない」と繰り返し言ったり、饒舌になりすぎたりして、うっかりボロを出すことはよくある。

(4)言葉と態度がちぐはぐになる:相手の話の内容と、話すときの態度が一致しているかどうかに注目しよう。相手が自分の気持ちについて語っているときには、相手の表情をよく観察しておく。

【必読ポイント!】謝罪する

本業の裏切りでなければ回復できる
twinsterphoto/iStock/Thinkstock

本人の専門分野(本業)における裏切り行為は、評判に決定的なダメージを与えることが多い。しかし、そうでなければ、長期的な影響は少ないものだ。マーサ・スチュワートの例を見てみよう。

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競争と協調のレッスン
ジャンル
スキルアップ・キャリア 自己啓発・マインド リベラルアーツ
著者
アダム・ガリンスキー モーリス・シュヴァイツァー 石崎比呂美(訳)
出版社
定価
1,728円
出版日
2018年03月26日
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