チームの生産性を最大化するエマジェネティックス®

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チームの生産性を最大化するエマジェネティックス®
ジャンル
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出版社
出版日
2018年02月15日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「社内の人間関係がギスギスしている」「社員の特性に合わせた人材配置ができていない」「苦労して採用した内定者が辞退してしまう」――経営者やマネージャーにとって、よくある悩みだろう。

これらの問題の解決の糸口になるのが、「エマジェネティックス®」(以下、EG)だ。EGは、20年以上の歳月と70万人以上におよぶプロファイリングデータをもとに開発された「行動」と「思考」の分析ツールだ。診断テストの結果から、その人の特性を「3つの行動特性」と「4つの思考特性」で分析する。EGを活用して社員の特性を把握できれば、個々の特性に合わせたコミュニケーションや、得意なことを伸ばす組織づくりが可能になる。

著者は、株式会社武蔵野の代表取締役社長、小山昇氏。武蔵野では現在までに、社員、パート、アルバイト、内定者を含めた457名がEGを受診している。EGを活用した社内コミュニケーションと人材配置の結果、この9年間で社員222名中、上位100名の退職者はゼロ。さらに、企業にとって「就職氷河期」だった2017年、武蔵野は、25人目の内定者まで、内定辞退ゼロであったという。

社員とのコミュニケーション不全に悩む経営者や、人材配置に頭を抱える人事担当者、部下の人材教育方法を模索しているマネージャーなどに、ぜひともご一読いただきたい一冊だ。

著者

小山 昇(こやま のぼる)
株式会社武蔵野代表取締役社長
1948年山梨県生まれ。「大卒は2人だけ、それなりの人材しか集まらなかった落ちこぼれ集団」を16年連続増収の優良企業に育てる。2001年から同社の経営の仕組みを紹介する「経営サポート事業」を展開。2017年にはJR新宿ミライタワーにもセミナールームをオープンさせた。
現在、700社以上の会員企業を指導。5社に1社が過去最高益、倒産企業ゼロとなっているほか、「実践経営塾」「実践幹部塾」「経営計画書セミナー」など、全国各地で年間240回以上の講演・セミナーを開催。
1999年「電子メッセージング協議会会長賞」、2001年度「経済産業大臣賞」、2004年度、経済産業省が推進する「IT経営百選最優秀賞」をそれぞれ受賞。日本で初めて「日本経営品質賞」を2回受賞(2000年度、2010年度)。
エマジェネティックス®の認定アソシエイト。思考特性は、青・赤・黄色の3色顕性。行動特性は、すべて右寄り。
『99%の社長が知らない銀行とお金の話』『無担保で16億円借りる小山昇の”実践”銀行交渉術』『強い会社はどんな営業をやっているのか?』(あさ出版)、『数字は人格』(ダイヤモンド社)、『仕事ができる人の心得【改訂3版】』(CCCメディアハウス)などベスト&ロングセラー多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    エマジェネティックス®(EG)では、「4つの思考特性」と「3つの行動特性」によってその人の特性を把握することができる。著者は、EGを活用して、部下の指導、人材育成、新卒採用、業務分担の見直し、適材適所の実現などに取り組んでいる。
  • 要点
    2
    社員同士がお互いのプロファイルを知ることで、自身と異なる考え方や行動を「特性が違うからしかたがない」と割り切ることができる。
  • 要点
    3
    中小企業では、チーム内に4つの思考特性を揃え、相互補完的な関係の「WEチーム」をつくることが重要だ。そうすることで、幅広い角度からビジネスにアプローチできる。

要約

エマジェネティックス®とは

4つの思考特性
adempercem/iStock/Thinkstock

エマジェネティックス®(以下、EG)とは、診断テストによって、その人の特性を「4つの思考特性」と「3つの行動特性」で分析するものだ。EGによって、「その人がどのような考え方をする傾向があるか」「その人がどのような行動を取ることが多いのか」「何を得意とし、何を不得意としているのか」などが明らかになる。

「4つの思考特性」は、「青」「緑」「赤」「黄」の4色であらわされる。思考特性を見ると、その人の「得意、不得意」「好き、嫌い」などの傾向が分かる仕組みだ。

青色(分析型)は、論理的、合理的、客観的に物事を考えるタイプで、専門家の研究結果やデータを信頼する傾向にある。会議では「その根拠は?」「どこに原因があるの?」などの発言が多い。

緑色(構造型)は、過去の体験を重視し、順序立てて考えるタイプで、ルールに従って確実に実行することを好む。会議では「どうやってやるのですか?」「いつまでに?」などの発言が多い。

赤色(社交型)は、誰に相談、依頼すれば問題解決できるかを直感的に判断するタイプで、相手との関係性を重視する傾向にある。会議では、「みんなはどう思う?」「みんなで協力して……」などの発言が多い。

黄色(コンセプト型)は、直感で思いつくタイプで、新しいことや変わっていることに挑戦するのが好きだ。会議では、「とりあえずやってみよう」「こんな感じで」などの発言が多い。

思考特性は4種類あるが、「ひとり、ひとつ」ではない。誰もが4つの思考特性を備えている。ただし、普段どの色をどれだけ使うかという割合は、人によって異なっている。

診断テストで23%以上の数値を占める思考特性は「顕性である」とよばれ、その色の思考が顕著に表れる。人によっては、2つ以上の思考特性が23%以上になることもある。

3つの行動特性
DAJ/Thinkstock

EGでは、人の行動の傾向を3つの特性に分類する。「自己表現性」「自己主張性」「柔軟性」だ。それらの強弱は、棒グラフによって示され、「左寄り」「真ん中」「右寄り」の3つに分かれる。「真ん中」は場合により、左寄りにも、右寄りにもなるということだ。それぞれの特性の詳細をみていこう。

「自己表現性」とは、自分の感情を「他人に発信したい」というエネルギーの強さのことだ。左寄りの人は、会議のでは聞き役になることが多い。感情をあまり表に出さず、人の注目を浴びることを好まない。一方、右寄りの人は、会議ではよく話し、人前に出ることに抵抗がないタイプだ。

「自己主張性」とは、自分の考えや意見を「他人に受け入れてほしい」と感じる頻度と、エネルギーの強さのことである。左寄りの人は、自分の意見よりも集団の和を大切にし、慎重に物事を進める。一方、右寄りの人は、自分と異なる意見が出ても、気持ちよく議論ができる。競争心も強い。

「柔軟性」とは、自分と異なる考えや状況、行動を受け入れようとするエネルギーの強さのことだ。左寄りの人は、首尾一貫していて、ブレない。一方、右寄りの人は、他人の意見を受け入れるタイプで、変化に応じて対応することを好む。

経営に活かす4つのポイント

著者は、EGのプロファイルを、部下の指導、人材育成、新卒採用、業務分担の見直し、適材適所の実現などに活用している。「強い組織」をつくるために意識しているのは、4つのポイントだ。

1つ目は、EGは、その人の「特性」を知るものであって、「能力」を測定するものではないということだ。EGのプロファイルはその人の好みや傾向を分析するツールであって、能力を分析することはできない。そこで著者は、社員の能力を測定するために「エナジャイザー」というツールを併用している。

2つ目は、

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要約公開日 2018.07.18
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