ベストセラーを書く技術

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出版社
自由国民社

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出版日
2018年08月12日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

デジタル全盛の現代にあっても、本を書きたい人は多い。ブログやSNSなどを使って個人が発信できるようになり、自分のスキルや仕事の成果を発信することの価値やおもしろさを感じた人が、それを本という形にしたいと思うからなのかもしれない。実際、出版不況と言われながらも、毎月膨大な数の本が出版されている。

しかし本を書きたいといっても、どうしたらいいのかわからない人がほとんどだろう。本書はそうした人たちにとって大きな力になってくれるはずだ。伝えたいことは何なのか、アイデアをどう練り、企画に結びつけるのか。そして原稿をどう形づくっていくのかを丁寧に指南してくれる。

本書の著者は晴山陽一氏。出版社勤務を経て独立し、今は出版プロデューサーとしても活躍している人物だ。1997年に独立して以降、10年連続で著書の売り上げが10万部を突破。出版社からの執筆依頼が後を絶たず、電子書籍・海外出版を合わせると約200冊の出版経験があるという、出版のプロフェッショナルだ。

著者は本を書くとき、全体を立体的に俯瞰したうえで細部をとらえ、1年後に勝負できるアイデアなのかどうかを自問し、最悪のレビューを想定しながら仕上げるという。これは本づくりのみならず、ビジネス全般に通じる神髄なのかもしれない。

ライター画像
毬谷実宏

著者

晴山 陽一(はれやま よういち)
1950年、東京生まれ。
東京教育大学附属駒場高校卒。
早稲田大学文学部哲学科でギリシャ哲学を専攻。
在学中、日本有数のリコーダー奏者として活躍。
禅思想史の世界的権威、柳田聖山博士の指導を受ける。
卒業後、教育社(のちのニュートン社)に入社し、英語教材編集、経済雑誌の創刊、多数の書籍刊行、ソフト開発などに従事。
1997年に独立し、精力的に執筆を続けている。
10年連続10万部で、2007年に100万部を達成。

主な著書に、『英単語速習術』(晴山書店)、『たった100単語の英会話』(青春出版社)、『すごい言葉』(文春新書)、『英語ベストセラー本の研究』(幻冬舎)、『話したい人のための丸ごと覚える厳選英文100』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『うまい、と言われる1分間スピーチ』(つちや書店)など。
電子書籍、海外出版を合わせると約200冊。
2015年にKindle総合1位、Amazonビジネス英語部門1位を獲得。
2017年には晴山書店を設立するとともに、出版プロデューサーとしても活躍中。
英語教育界での人脈は日本一と言われている。
一般社団法人 実践英語振興協会代表理事。

本書の要点

  • 要点
    1
    本を企画してから実際に出版されるまでには通常1~2年かかる。だから常に「これは1年後に勝負できるアイデアか?」と自問しなければならない。
  • 要点
    2
    本の企画を立てる際にチェックすべき項目は5つある。(1)誰をどのようにするための本か、(2)テーマは何か、(3)どんな本にしたいか、(4)アマゾンでどんなレビューを書かれたら嫌か、(5)プレゼントしてでも読んでほしい人は誰か、だ。
  • 要点
    3
    考えながら書いてはいけない。綿密に企画してから書くからこそ、読者を満足させる本をつくることができる。

要約

【必読ポイント!】 企画する

企画立案のための4つのワーク
Ridofranz/gettyimages

著者は出版を志す人に向け、企画立案のための4つのワークをレクチャーしている。

第1のワークは、思いをキャッチするワークだ。ネタ帳をつくり、自分のアイデアを書き込むというものである。著者は百均で購入したリングノートをネタ帳にし、ふと思いついた「自分名句」を書き留めることを習慣としているという。アイデアを書き留める習慣をつけると、それまでは意識に上る手前で消えてしまっていた「ほのかなアイデア」も見えてくるようになる。ネタ帳の存在によって、「ほのかなアイデア」に対するセンサーが研ぎ澄まされるというわけだ。

第2のワークは、思いを形にするための「川柳ワーク」である。自分の中に湧いてくる思いを五七五の形で表現するというものだ。リズムがいいので楽しくなり、どんどん川柳を作りたくなってくるという。今この瞬間の思いを形にしてもいいし、常日頃思っていることでもいい。まずは、3分で3個くらい作ってみよう。

第3のワークは、思いを本の企画に結びつけるための「こんな本があったらいいのに」ワークだ。あなたもきっと、書店で「こんな本があったらいいのに、どうして誰も書かないのだろう?」と思った経験があるだろう。その経験を生かし、あなたが読みたい本のタイトルを作ってみよう。5分で3つ以上が目安だ。このワークによって、自分なりの企画を思いつくことができる。

第4のワークは、「ぶっちゃけカード」ワークである。ぶっちゃけカードとは、1行目に「ぶっちゃけ●●よ!」。2行目に「だって●●でしょ?」。3行目に「おまけに●●だろ?」。そして4行目に「だから●●! なーるほど!」と書いてあるカードだ。このカードの●●の箇所を埋めていく。

1行目には、相手に伝えたいことを書く。意表をつくようなことを書き、相手に意外性や驚きを持たせる内容が望ましい。

2行目には、ぶっちゃけた理由を書く。理由を聞いてもなお、相手はまだ半信半疑だろう。ここで「へー!」という反応を得られるはずだ。

3行目には、ぶっちゃけた理由の2つ目を書く。相手は「ほー!」と感心したあいづちを返してくれるだろう。

そして最後に再び、ぶっちゃけた結論を書く。相手はついに納得し、「なーるほど!」と思うはずだ。

「ぶっちゃけカード」を使えば、相手の反応を想定しながら作業を進めることができ、相手を飽きさせない仕掛けを作れるというわけだ。これは、企画を立てるときや目次を作るとき、本文を書くときにも使えるメソッドである。

1年後に勝負できるアイデアかどうか自問する
metamorworks/gettyimages

本を企画してから実際に出版されるまでには通常1~2年かかる。その間に同じタイトルの本が他の出版社から出る可能性もなくはない。

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要約公開日 2018.11.25
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