スモール・スタート あえて小さく始めよう

未読
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スモール・スタート あえて小さく始めよう
著者
出版社
定価
1,540円(税込)
出版日
2018年07月20日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「起業」や「独立」といった言葉を聞くと尻込みしてしまう人も多いだろう。しかし、「知り合いの店を週に1回借りてバーを営業する」だったら、「もしかしたらできるかも」と思えるのではないだろうか。本書ではこうした「小さく始める」方法が紹介される。

人生100年時代に突入し、大企業も経営難に陥ることが珍しくなくなった今、ひとつの会社に依存し続けるのは危険だと著者は言う。よしんば無事に定年を迎えられたとしても、その後の人生はまだ40年ほども残っている計算だ。そのとき、会社と家にしか居場所がなかったら、どんな生活が待っているだろう。別のコミュニティを持っておくことの重要性は無視できない。スモール・スタートは、そうした「新天地」としての役割の他、経済的・精神的なセーフティネットとしての役割、さらには、起業や独立に向けてのリハーサルとしての役割も果たす。

新しいことを始めるときは誰しも不安になるものだ。しかし、本書で繰り返し述べられているのは「とにかく始めてみること」。何もせずにいることのほうが、よほどリスクが高いのだと著者は主張する。

「小さく始めること」はよく考えるとそれほど難しいことではない。地域のお祭りで出店をやってみる、なじみのカレー屋で週末だけ働いてみる、デスクの消耗品の消費を減らす仕組みを考えてみるなど、チャンスは社内外のあちこちに転がっている。大切なのは、それを実際に実行に移すかどうかだ。本書を読んで、まずはとにかく「小さく始めて」みてほしい。

ライター画像
池田明季哉

著者

水代 優(みずしろ ゆう)
good mornings株式会社 代表取締役。
2002年より株式会社IDEEにて新規出店を手掛ける。2012年にgood mornings株式会社を設立。東京・丸の内や日本橋をはじめ、全国各地で「場づくり」を行い、地域の課題解決や付加価値を高めるプロジェクトを数多く手掛ける。「食」や「カルチャー」を軸にしたクリエイティブな空間の企画運営やメディア制作を得意とし、様々なコンテンツを織り交ぜ街に賑わいをつくり、地域コミュニティの拠点を創出している。
現在は都内に各々のコンセプトを有する3拠点を企画運営、その他企業や行政と共にエリアプロデュースやプロダクトディレクションを手掛ける。
近年はブックディレクターとしても活動。日本橋浜町に自身がセレクトする本屋「Hama House」を出店。

本書の要点

  • 要点
    1
    一生同じ企業で働くことが難しくなった今、家と会社以外の居場所を持つことは、精神的にも経済的にも重要である。
  • 要点
    2
    リスクはゼロにはならないが、最初の一歩を踏み出すときのコストは自分一人の人件費くらいだ。失敗しても経験や実績になる。とにかく始めてみよう。
  • 要点
    3
    小さく始めるからこそできることもある。大企業とタッグを組んだり、新しいアイデアを試したりできるのは、「スモール・スタート」ならではだ。

要約

【必読ポイント!】「スモール・スタート」の時代

家と会社以外の居場所を持つ
ViewApart/gettyimages

大企業の経営悪化やリストラはもはや珍しくなくなった。定年まで勤められると思っていても、思わぬ形で会社と縁が切れてしまうということだ。一生勤められる会社に就職できるかどうかは本人の能力とは関係なく、運次第である。大企業でも中小企業でもそれは同じだ。今後は「会社がなくなったから」という理由で転職を余儀なくされる人も増えるだろう。

また、会社だけに生きがいや居場所を求めると、定年後に何をしていいかわからなくなってしまう。これまでこのような状況は男性のものとして語られてきたが、女性もフルタイムで働く今、男女共通の問題となりそうだ。

そこで重要なのは、社外のコミュニティに参加することだ。同僚との飲み会や上司とのゴルフをやめ、浮いた時間を社外でのコミュニティ探しにあてよう。家庭でも会社でもない第三の場所、サードプレイスを持つのだ。行きつけのカフェやバー、書店や公園など、居心地さえよければどこでもいい。そこに「お客さん」としてではなく能動的に関わることで、その場所はコミュニティとなる。会社以外のコミュニティを持てば、リフレッシュできるといったメンタル面でのメリットだけでなく、経済的な面でのセーフティネットも得られる。

副業禁止でも始められる

副業を認める企業が増え始めたが、まだ少数派だ。しかし、だからといって立ち止まる必要はない。

会社員が会社以外で働いて報酬を得ると副業になるのだから、報酬をお金ではないものでもらえばよい。たとえば著者は、行きつけの海の家で土日だけ働かせてもらった。その際、労働の報酬として、平日にお客さんとして通うときの交通費と飲食費を無料にしてもらったという。このように、副業禁止であっても“副業的”な活動をすることは可能だ。

阿波踊りには“踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損”という言葉がある。まったくその通りで、どんなことでも見物するよりも当事者として参加するほうがずっと楽しい。まずは小さなことからで構わないので、とにかく当事者になってみたほうがいい。その経験が実績になる。

「自分には、そんなことはとてもできない」と思う人もいるかもしれない。しかし会社員を経験していれば、小さく始めるスキルはすでに身についている。ひとりで何か副業を始めようと思うと、時間の捻出、ギャラの交渉、進捗管理、経理処理など、すべてを自分で行わなければならない。こうした仕事は、会社員として経理や総務、営業などを満遍なく経験した人ならばきっとできるはずだ。縁の下の力持ち的な仕事をしてきた会社員こそ、実はスモール・スタートに向いている。

小さく始める4つのコツ
g-stockstudio/gettyimages

スモール・スタートのコツは4つある。

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要約公開日 2018.12.02
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