誰も教えてくれない田舎暮らしの教科書

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誰も教えてくれない田舎暮らしの教科書
ジャンル
著者
清泉亮
出版社
東洋経済新報社 出版社ページへ
定価
1,512円
出版日
2018年07月19日
評点(5点満点)
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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レビュー

これほど田舎暮らしの実状に迫った本もなかなかないだろう。著者は日本全国を飛び回って移住を繰り返し、「イジュラー」とも呼ばれる清泉亮氏。その土地の歴史について調査するなど、趣味の延長線上で移住や転住を繰り返していた著者だったが、地方に腰を落ち着けようと永住を検討した瞬間、田舎が「牙をむいた」という。

いま田舎暮らしはメディアでも数多く取り扱われ、一種のブームともいえる状況にある。しかし田舎暮らしの実情を知る著者はこうした状況に警鐘を鳴らしており、一見すると目を疑うような田舎暮らしの実状を赤裸々に語る。やはり理想と現実は違うのだ。

そのうえで本書では、理想の田舎暮らしを手に入れるための具体的な解決策が提示される。「イジュラー」を自称する著者ならではの、具体的かつ実践可能な考え方や実践方法が満載だ。田舎暮らしの進化系ともいえる移住方法についても言及しており、今後の暮らし方や生き方を考えるうえでも非常に興味深い。

メディアに踊らされて移住した先で、目の前に現実を突きつけられて右往左往しても後の祭りだ。だが都会を離れて田舎に移住すれば、静けさと美しい眺望に囲まれた至極の時間を手に入れられるのも事実。どちらの道を歩むにせよ、まずは本書で田舎暮らしの現実を認識することから始めてみてはいかがだろうか。

香川 大輔

著者

清泉 亮 (せいせん とおる)
地方移住歴20年超のベテラン・イジュラー。1974年生まれ。幼少期から20代前半まで米国で過ごす。1990年代半ばから週末移住をはじめ、過去20年以上にわたり東北から沖縄まで日本各地を転住しながら暮らす。現在は本州中部を拠点に、村落で古老からの聞き取りをしながら、移住者への適応アドバイスや、移住地での生活トラブルの相談に乗っている。

本書の要点

  • 要点
    1
    田舎暮らしは人間関係に悩まされることも多く、お金もかかる。まずはその実状を知ることが重要だ。
  • 要点
    2
    田舎で円滑に暮らしていくためには、移住候補先の調査が欠かせない。都会との距離感なども考慮に入れながら移住候補先を選定しつつ、その土地について徹底的に調査するべきである。
  • 要点
    3
    地域住民との接触を適度に保ちながら移住する「別荘地移住」は、都会からの移住者にとって理想の田舎暮らしとなりうる。

要約

田舎暮らしの実状

田舎暮らしが簡単ではない理由

いま田舎暮らしに注目が集まっている。地方で自給自足をすれば悠々自適に生活できるし、自然の中でのんびりできる――そんな幻想を抱いている方も多いのではないだろうか。

しかし田舎暮らしはそんなに甘くない。まず立ちはだかるのが、田舎ならではの人間関係だ。移住者の行動や言動は逐一監視され、そうした情報はインターネットを凌駕するほどの速さで集落内に共有される。人情味あふれる親切も、ときとして負担になってくる。その土地の自然を見る前に、その土地の人間との相性を見なければならない。

田舎暮らしはお金がかかる!?
7Crafts/gettyimages

田舎暮らしは都会暮らしよりカネがかかるという事実にも注目すべきだ。その大きな要因が社会保険である。著者が人口1000人ほどの集落に住民票を移した途端、健康保険料は東京都内の実に5倍にもなった。人口が少なく高齢者が多い市区町村だと、社会保険料は高額にならざるをえないのだ。実際に自治体や田舎の住民が都会からの移住者を受け入れるのも、社会保険の財源として期待している側面もあるという。

それ以外にも、灯油やガソリンを村長の身内が経営するスタンドで割高に購入させられたり、お礼の心づけは倍返しが当たり前だったりと、田舎ならではの人間関係を維持するためにはなにかとカネがかかる。インターネット料金も速度が遅いわりに都会より高い。

田舎で自給自足をすれば都会より安く、豊かに生活していけるというのは、大いなる誤解なのである。

田舎で強要される奉仕活動

田舎では奉仕活動が強要されるという点も留意すべきだ。たとえば海辺の集落では、毎年夏になると海の家の運営に駆り出されるし、山の集落では野菜や山菜の露店販売に間伐作業など、重労働も珍しくない。その他にも町内会に消防団と、収入のない奉仕活動は数多い。

このように現実の田舎暮らしは一般的な理想とはほど遠く、しかも実際に移住したとしても定住は難しいのが現状だ。しかしここ最近、変化の兆しも出てきている。移住しても定住できない第一形態から、住民票は都会におき地域住民との接触を極力避ける「別荘型」の第二形態、さらには都会と地方を往来していいとこ取りをする第三形態へと、トレンドは移ってきている。田舎暮らしの選択肢は広がってきたといえそうだ。

移住候補先調査の勘所

移住候補先の調査方法
Dave & Les Jacobs/gettyimages

田舎の魅力は、なんといっても海や山などの自然にある。しかしそうした魅力をちりばめた観光パンフレットをそのまま鵜呑みにしてはいけない。地域密着でもなんでもない都市部の業者がつくるパンフレットに、その土地の実態はなにも反映されていない。

それではどんなものを参考にすればよいのか。おすすめは高速道路のサービスエリアに置いてある高速道路のマップだ。高速道路のマップを眺めれば、移住しようとしている土地が山間部のどん詰まりの場所なのか、あるいは旧街道沿いで往来のきちんとある土地なのかどうかがわかる。人間性は地勢によって醸成されるものだ。

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誰も教えてくれない田舎暮らしの教科書
未 読
誰も教えてくれない田舎暮らしの教科書
ジャンル
産業・業界 トレンド
著者
清泉亮
出版社
東洋経済新報社 出版社ページへ
定価
1,512円
出版日
2018年07月19日
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