伝わるしくみ

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伝わるしくみ
出版社
マガジンハウス

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定価
1,430円(税込)
出版日
2018年09月27日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

コミュニケーションは面倒くさくて、厄介で、難しい。誰でも一度は、そう感じたことがあるのではないだろうか。しかし、そこにはいくつかの原因のパターンがあり、それらを解消していけばよい。伝わるしくみをマスターすれば、自分が望む方向に相手が動いてくれる確率が高まる。さらには、仕事やプライベートでのコミュニケーションがもっとラクに、楽しくなる。そんな方法があるなら試さない手はない。

著者は20年以上電通で働き、現在もクリエーティブディレクター、コピーライターとして活躍している。そんなコミュニケーションのプロである著者の実体験をちりばめながら、受け手に伝わらない4つの原因を解明し、その解消策をロジカルに提示してくれるのが本書だ。

第一章では言葉のメカニズム、第二章では「伝える」ためのインプット、そして第三章では「伝える」というアウトプットの方法が、フローチャートや図解とともに紹介されている。そして第四章では、言葉自体がもつ問題の本質を突くという構成だ。

コミュニケーションの原理原則は、「受け手がすべてを決める」ということである。しかも、言葉は常に送り手の「欲望」を発しているという事実に、私たちは気づかなければならない。どういうことかと思ったら、ぜひ「伝わるしくみ」を徹底解明した本書をひらいてほしい。いまこそコミュニケーションの捉え方、伝え方をアップデートさせてみてはいかがだろうか。

ライター画像
山下あすみ

著者

山本 高史(やまもと たかし)
クリエーティブディレクター、コピーライター
1961年生まれ。85年大阪大学文学部卒。同年電通に入社。コピーライターとして活躍し、数多くのキャンペーン広告を手がける。2006年に電通を退社、コトバ設立。
TCC最高賞、クリエイター・オブ・ザ・イヤー特別賞など多数受賞。2013年から関西大学社会学部教授も務める。

本書の要点

  • 要点
    1
    言葉はすべて提案や欲望の発露である。それが伝わるかどうかはすべて受け手次第だ。送り手は受け手の尺度で考え、受け手にとってのベネフィットを伝える必要がある。そうすれば、送り手の希望する方向に受け手を動かせるようになる。
  • 要点
    2
    受け手が何を欲しているのかを想像・発想するには、「脳内経験」を活用して、「脳内データベース」を豊かにすることが重要だ。
  • 要点
    3
    受け手に伝わるアウトプットを発想するためには、「アングル」×「ツリー」で複数の視点を持ち、受け手との「共有エリア」に立つことが欠かせない。

要約

言葉のメカニズムを知る

受け手がすべてを決める
gpointstudio/gettyimages

相手に言いたいことがうまく伝わらないときには、主に4つの原因がある。まず、伝わらない原因の1つとして、話し手が「受け手という存在を認識・理解していない」という点が挙げられる。言葉を発したら、それは必ず「受け手」をつくる。言葉を発した本人は「送り手」となり、相手は「受け手」となる。

しかし、多くの人が「送り手→受け手」の構図を意識していない。受け手ではなく送り手の尺度で判断して伝えるため、受け手にうまく伝わらないという事態になる。不用意な発言と誤解されたり、謝罪が謝罪と捉えてもらえなかったり、時には炎上したりすることさえある。

言葉は常に送り手の「欲望」を発している。受け手を自分の望む方向へ動かしたいという欲望である。例えば、「お腹がすいたなぁ」と誰かに向かって言ったとしよう。この場合、「食事に一緒に行ってほしい」という欲望を提案していると考えるのが普通だ。企画書や論文を書いていても、「読んで評価してほしい」。愚痴をこぼしても「聞いてほしい」。

送り手にとっては提案なのだから、同意以外求めてはいない。しかし、送り手の欲望(提案)はしばしば、あっけなくはね返される。受け入れるも拒絶するも受け手の自由なのだから。ここに「伝える」ことの困難さがある。

受け手にとってのベネフィットとは?

それでは、どうしたら受け手の同意を得られるのか。それは、「受け手の言ってほしいことを言ってあげる」ことである。受け手にとっての「ベネフィット(トク)」を伝えられれば、受け手は受け入れる方向に動く。

例えば、ある女子が彼氏へのクリスマスプレゼントとして、「手編みのセーター」を贈ったとしよう。「いまどき手編みのセーターなんて」と彼は思う。だが、そこに「エルメスに納品しているものと同じ紡績メーカーの毛糸を使った」と、その女子が伝えると、ブランド好きの彼は興味を持つようになった。

この例では、女子が「受け手の尺度」で考えて提案できたため、「エルメスに納品しているものと同じ紡績メーカーの毛糸を使った」という点が、ベネフィットとして機能した。しかし、もしも「送り手の推定するベネフィットと、受け手が認めるベネフィット」が違うと、たちまち機能しなくなる。ベネフィットの判断は、いかなる時でも受け手の尺度によるものだ。よって、送り手が受け手の尺度を持つしかない。

「脳内経験」と「脳内データベース」

脳内データベース
マガジンハウスご提供

うまく伝わらない原因の2つ目は、「想像や発想のための『脳内データベース』が乏しいこと」である。著者は、「(何事も)経験(という)資本(あってのものだよ)主義」という意味を込めて、経験資本主義の重要性を説いている。

イメージとしては、頭の中に「(考えるための)水がめ」があると考えるとわかりやすい。そこがスカスカだと、どんなに相手のことを想っていても、表現すべきものが浮かばない。そこで「水がめ(脳内データベース)」に「経験」を潤沢に貯め込んでいくことが重要となる。そうすれば、ストックしたものを活用して、考えられる内容が広がり、豊かな表現につながる。逆に「脳内データベース」が貧弱だと、発想も貧弱になってしまう。よって、「経験」を蓄え続けるしかないのだ。

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