MBA 問題解決100の基本

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MBA 問題解決100の基本
出版社
東洋経済新報社

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出版日
2018年12月27日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

本書は、経営大学院を運営するグロービスが提供している『MBA100の基本』シリーズの最新刊である。MBAプログラムで学べる経営のエッセンスの中でも、特に問題解決に関連するものが抽出された一冊だ。

問題解決とは、ビジネスパーソンにとって避けて通れない、重要なテーマだ。日々直面する問題に頭を悩ませることも多いだろう。

だが本書によると問題解決は、ただ闇雲に行えばいいというものではなく、セオリーが存在するようだ。本書ではその基本的なスキルとなる思考法に始まり、問題の特定、課題の設定・アクションに加え、さらに実践的な、顧客・品質・人間関係・モチベーションといった複雑な問題の解決のための方法論や名言が余すことなく紹介されている。基礎をしっかりと押さえるとともに、ビジネスシーンで活かせる多くのベストプラクティスにも触れることができるだろう。

その中から、この要約では本書で「基礎編」と称されている、問題解決を行う上で根幹となる部分を中心に抽出した。特に「見きわめる」「課題設定」といった問題解決のスタートラインにあたる技術については、最終的なアウトプットのスピードや品質に大きな影響を与えるポイントとなるだろう。ぜひその勘所や本質を掴んでほしい。そうすれば、ビジネス現場における、あるいは家庭やプライベートにおける問題解決のヒントとして大いに活用できるだろう。

ライター画像
山下あすみ

著者

グロービス
1992年の設立来、「経営に関する『ヒト』『カネ』『チエ』の生態系を創り、社会の創造と変革を行う」ことをビジョンに掲げ、各種事業を展開している。

グロービスには以下の事業がある。(http://www.globis.co.jp)
○グロービス経営大学院
・日本語(東京、大阪、名古屋、仙台、福岡、オンライン)
・英語(東京、オンライン)
○グロービス・マネジメント・スクール
○グロービス・コーポレート・エデュケーション
(法人向け人材育成サービス/日本・上海・シンガポール・タイ)
○グロービス・キャピタル・パートナーズ(ベンチャーキャピタル事業)
○グロービス出版(出版/電子出版事業)
○GLOBIS知見録/GLOBIS Insights(オウンドメディア、スマホアプリ)

その他の事業:
○一般社団法人G1(カンファレンス運営)
○一般財団法人KIBOW(震災復興支援活動、社会的インパクト投資)
○株式会社茨城ロボッツ・スポーツエンターテインメント(プロバスケットボールチーム運営)

嶋田 毅(しまだ つよし)
グロービス出版局長、グロービス電子出版編集長兼発行人、『GLOBIS知見録』編集顧問、グロービス経営大学院教授。
グロービス
1992年の設立来、「経営に関する『ヒト』『カネ』『チエ』の生態系を創り、社会の創造と変革を行う」ことをビジョンに掲げ、各種事業を展開している。

グロービスには以下の事業がある。(http://www.globis.co.jp)
○グロービス経営大学院
・日本語(東京、大阪、名古屋、仙台、福岡、オンライン)
・英語(東京、オンライン)
○グロービス・マネジメント・スクール
○グロービス・コーポレート・エデュケーション
(法人向け人材育成サービス/日本・上海・シンガポール・タイ)
○グロービス・キャピタル・パートナーズ(ベンチャーキャピタル事業)
○グロービス出版(出版/電子出版事業)
○GLOBIS知見録/GLOBIS Insights(オウンドメディア、スマホアプリ)

その他の事業:
○一般社団法人G1(カンファレンス運営)
○一般財団法人KIBOW(震災復興支援活動、社会的インパクト投資)
○株式会社茨城ロボッツ・スポーツエンターテインメント(プロバスケットボールチーム運営)

嶋田 毅(しまだ つよし)
グロービス出版局長、グロービス電子出版編集長兼発行人、『GLOBIS知見録』編集顧問、グロービス経営大学院教授。
東京大学理学部卒業、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。著書に『MBA 生産性をあげる100の基本』『MBA 100の基本』『利益思考』(以上、東洋経済新報社)、『グロービス MBA キーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービス MBA キーワード 図解 基本ビジネス分析ツール50』『グロービス MBA キーワード 図解 ビジネスの基礎知識50』『グロービス MBA キーワード 図解 基本フレームワーク50』『グロービス MBA ビジネス・ライティング』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上、ダイヤモンド社)、『正しい意思決定のための「分析」の基礎技術』『ビジネスで騙されないための論理思考』『競争優位としての経営理念』『実況ロジカルシンキング教室』『実況アカウンティング教室』(以上、PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上、グロービス電子出版)。その他にも多数の共著書、共訳書がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    限りある経営資源と時間を有効に活用するためには、「本質的な問題」と「単なる現象」をしっかりと見分け、重要箇所にエネルギーを割く必要がある。
  • 要点
    2
    平均的な場合と個別の問題の差異を見極め、マニュアルやテンプレートに自分なりの視点の転換を盛り込むことで、ユニークなソリューションを生むことができる。
  • 要点
    3
    問題とは、「あるべき姿」と現状とのギャップである。その「あるべき姿」を適切に設定すること自体が問題解決に影響を与える。

要約

見きわめる技術

問題の存在を認識する

問題は、実在すること以上に「認識」することが重要な意味を持つ。問題を認識しなければ、問題解決のためのアクションが取れないからだ。

また、問題を認識しなければ、組織の生産性は上がらない。たとえば、目標がわずかな差で未達に終わったときのように、「明確にネガティブではない」場合。「まあいいか」と感じる人もいるだろうが、その目標を設定したのにはそれなりの理由があったはずだ。その目標が妥当なものであったなら、達成意欲の欠如やPDCAの実行の甘さ、あるいはコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)の不適切さなどを問題と認識し、解決を図る姿勢が重要である。

失敗の予兆に気づき、議論する
fizkes/gettyimages

「失敗した会社では、多くの社員はずっと前から問題を知っている」――つまり、企業はある日突然経営状態が悪化して倒産するわけではない。必ずその予兆はある。そして多くの従業員はその原因を知っている。

原因が分かっていようと、経営資源の制約などからすぐに対応できないこともあるだろう。だが手遅れになる前にその予兆に気づき、皆で議論してつぶしこんでいく必要がある。

原因がわかっているにもかかわらず、それを本気で議論しないこともある。「日本人はファクトから目を背ける」とよく言われるが、好ましくないファクトを見つけたら、それを報告し、議論する姿勢をもたねばならない。若手には特に、この姿勢を身につけてほしい。

「本質的な問題」を見きわめる

「『本質的な問題』と『単なる事象』を区別することが大事」――この言葉はコンサルタントの大前研一氏のものだ。世の中の出来事や変化は突き詰めれば何かしらの問題、あるいはその原因の萌芽とも言えよう。だが経営資源や時間は有限だ。だから、どれが無視してしまうもので、どれが問題解決しなければならないものか、しっかり見分けなければならない。

では、どうすれば本質的な問題を見分けられるのか。基本となるのは、ロジックツリーなどを用いて細分化を行い、重要箇所にエネルギーを割くことだ。

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要約公開日 2019.02.21
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