勉強大全

ひとりひとりにフィットする1からの勉強法
未読
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出版社
出版日
2019年02月07日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.5
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おすすめポイント

最近メディアで話題の東大卒クイズ王、伊沢拓司氏をご存じだろうか。彼は名門の開成中学・高校出身で、TBSの人気クイズ番組「東大王」で一躍有名になった。だが実はそんな彼でも、簡単に東大に合格したわけではない。様々な試行錯誤を経て勉強法を確立し、東大合格を勝ち取ったのだという。本書では、その勉強法が350ページ以上にわたって惜しみなく披露されている。

著者によると、勉強は「がむしゃらにがんばる」だけではいけないという。「勉強の原理」を満たしたうえで、自分にマッチする勉強法を見つけなければならないというのだ。本書では、その考えに基づいて、自分の強みを生かした「勉強戦略」の立て方と、受験勉強の大半を占める暗記の攻略法、思考の広げ方、各教科の勉強法などが網羅されている。

特に第5章の暗記の秘訣が書かれた章は必読だ。「マクロ暗記」と「ミクロ暗記」を正しく理解して実践すれば、暗記した知識は確実に自分のものになり、今までは解けなかった難問もクリアできるようになるだろう。

高校2年生の12月に受験勉強を始めたとき、勉強の基礎も理解していなかったという著者。彼は、どのように受験勉強をし、東大に合格することができたのか。読者にはぜひ、その秘訣を学んでいただきたい。社会人になっても、蓄えなければならない知識や向かうべき目標は次々とあらわれる。そんなときに、本書で学んだメソッドがきっと役立つことだろう。

ライター画像
山下あすみ

著者

伊沢 拓司(いざわ たくし)
日本のクイズプレーヤー&YouTuber。
1994年5月16日、埼玉県出身。開成中学・高校、東京大学経済学部を卒業。
大学院中退後、現在は株式会社QuizKnockでCEOを務める。
「全国高等学校クイズ選手権」第30回(2010年)、第31回(2011年)で、個人としては史上初の2連覇を達成した。
TBSのクイズ番組「東大王」では東大王チームとしてレギュラー出演し、一躍有名に。
2016年には、Webメディア「QuizKnock」を立ち上げ、編集長を務め日本のクイズ界を牽引する。
同時に、自身の経験を活かしYouTubeで勉強法のアドバイスや講演なども行っている。
『思考力、教養、雑学が一気に身につく!東大王・伊沢拓司の最強クイズ100』(KADOKAWA)など著書多数。
Twitter @tax_i_
http://quizknock.com/

本書の要点

  • 要点
    1
    受験勉強を始める前に「大学とは何か」を理解し、「大学で何をしたいのか」を考えておこう。それは受験勉強における最高のエンジンとなり、入学後も価値を持ち続け、自分を動かし続ける。
  • 要点
    2
    日々を「今日の勉強で本番の点数を1点上げられたか」という基準で評価しよう。1日1点を目標として予定を立て、日々の勉強を分析することが、「受験生活」をより質の高いものにする。
  • 要点
    3
    大切なのは万人に共通する「勉強の原理」でその外側にある「方法論」は、各々にフィットするものを選んでかまわない。

要約

勉強法こそが大事だ

納得してから始めよう
Pixelci/gettyimages

大学受験を控える高校生は、そもそも「大学」とはどのようなものか知っているだろうか。大学は高校までの教育機関とは大きく異なる。何かを教えてくれる場所だが、それと同時に、教授らによる研究が行われている場所であり、自分が研究に参加する場所でもある。高校までとは違って、学校側から手厚いサポートを受けられることはない。大学で求められていることは、授業を受け、それを自分の中で咀嚼し、オリジナリティを加えて「研究」という形で発表することである。大学とは、積極的な学びが求められる場所なのだ。

できれば受験生のみなさんには、ビジョンなく受験勉強をするのではなく、「大学で何をしたいのか」まで考えたうえで受験に臨んでほしい。その意志こそ、受験における最高のエンジンになる。そして強い意志を持って受験に成功した経験そのものが、希望の学校に入った後にも価値を持ち続け、自分を動かし続けるはずだ。

「理想の勉強法」は存在しない

万人に当てはまる「理想の勉強法」は存在しない。だから試行錯誤を重ね、自分にフィットする勉強法を追い求めなければならない。

ただ一つ言えるのは、万人に共通する理想の勉強法は存在しないが、万人に共通するダメな勉強法はあるということだ。それは「勉強の原理」に背いた勉強法だ。たとえば野球でいうと、「俊敏に動ける」「力が強い」「スタミナが多い」「ファンの期待に背く行為はしない」などは、野球選手に共通する原理である。これと同様に、勉強にも原理がある。この原理を踏み外すことなく、自己分析を行い、自分にマッチする勉強法を見つけ出そう。

そもそも「勉強法」とは、最短の努力で合格にたどり着くために「勉強を効率よく進めていくための方向性」のことだ。いくら勉強しても、勉強法の方向性が合っていないと余分な努力が必要になってしまう。同様に、方向性が合っていても、努力が足りなければ合格できない。努力はすべての受験生に必要だが、どのような努力が求められるのかは、自身の目標によって違ってくるわけだ。目標が違えば勉強法も違うと心得よう。

「受験生活」の作り方

僕の受験生活
Bet_Noire/gettyimages

「日常生活」を「受験生活」に変えていくにはどうすればいいか。著者は夏休みのはじめに、いくつかのマイルールを決めて環境を整えることにした。強い意識と戦略をもって受験のためのルーティンを作り、自分の時間をコントロールしたのだ。

たとえば、睡眠時間をしっかり確保すること。夏休みの朝、自習室のオープンと同時にやって来た生徒たちは、数時間後には机に突っ伏して寝てしまっていた。睡眠時間を削ってまで朝早くから勉強し、自習室の机で質の悪い睡眠を取っているようでは意味がない。夜型の著者は、起床時間を10時と決めた。

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要約公開日 2019.04.26
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