しょぼい起業で生きていく

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しょぼい起業で生きていく
ジャンル
著者
えらいてんちょう
出版社
イースト・プレス 出版社ページへ
定価
1,404円
出版日
2018年12月25日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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しょぼい起業で生きていく
しょぼい起業で生きていく
著者
えらいてんちょう
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定価
1,404円
出版日
2018年12月25日
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3.8
明瞭性
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革新性
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レビュー

あなたは自分自身のことを、「サラリーマンに向いていない」と感じたことはないだろうか。早起きが苦手だったり、満員電車に耐えられなかったり、人の指示を受けて行動するのが苦手だったりする人はきっと、何度もそう感じつつ、「これしか生きていく術がないから」と我慢してきたはずだ。

そんな方にお読みいただきたいのが本書である。著者のえらいてんちょう氏はまさに、サラリーマン適性がないタイプだ。その自覚があったため、就職活動をせず、起業を選んだという。

起業といっても、いわゆる学生起業のようなキラキラしたものではない。人づてに文字起こしや原稿作成の仕事を受ける、何でも屋のような存在だった。その後リサイクルショップや学習塾、バーなどをオープンさせ、いまは事業を売却して会長という立ち位置にいる。

著者が提案するのは、綿密な事業計画も、資金調達も、人材採用も、広告宣伝もしない「しょぼい起業」だ。「しょぼい起業」では、事業にかかる費用を最低限に抑えるとともに、生きているだけでかかるコストを利益に換える。シンプルでありながら、潰れようのない起業方法だといえるだろう。

就職活動がうまくいかずに苦しんでいる人や、サラリーマン生活になじめずに息苦しさを感じている人に、ぜひ本書を手に取ってほしい。「しょぼい起業」の存在を知るだけでも気が楽になるだろうし、実際に起業するにあたっては、これ以上の参考書はないはずだ。

庄子 結

著者

えらいてんちょう(矢内 東紀)
1990年東京生まれ。朝起きるのが苦手だったため、はじめから就職活動をせず、何の経験も計画もないまま、しょぼく起業。慶應義塾大学経済学部卒業。2015年10月、初の実店舗としてリサイクルショップを開店。その後、知人が廃業させる予定だった学習塾を受け継いだり、居抜き物件を借りて、小さなバーをオープンさせたりするなどし、事業を拡大。その後、バーが人気を呼び、「しょぼい起業」をしたい若者たちのためにフランチャイズ化。加盟店は全国に7店舗。現在は、投資家、コンサルタントとしても活動し、しょぼい店舗の開業・運営を1年で10件以上手がける。

本書の要点

  • 要点
    1
    つらいことをやる必要はない。著者はサラリーマンとしての適性がないと自己分析し、消去法的に起業という道を選んだ。そんな著者が提唱するのは、上場やイノベーションをめざさない「しょぼい起業」だ。
  • 要点
    2
    「しょぼい起業」において重要なのは、生きているだけでかかるコストを利益に換えることだ。たとえば飲食店でいうと、自分が食べるごはんを多めに作り、余った分を売るような考え方だ。生活の中で自分のやれること・日常やっていることを事業化すればいい。綿密な事業計画や資金調達、オフィス、人材採用、広告宣伝は必要ない。

要約

もう、嫌な仕事をするのはやめよう

つらいことをやる必要はない
a454/gettyimages

著者は学生のころ、就職活動をしなかった。性格上、サラリーマンとして働くのはほぼ不可能だと自己分析していたからだ。そこで消去法的に起業という道を選んだ。

起業といっても、上場することやイノベーションを起こすことが目的だったわけではない。最初は、知人づてにテープ起こしや簡単なライティング作業などを請け負う、便利屋的な仕事をしていた。やがてリアル店舗であるリサイクルショップを始め、次に学習塾、そしてバーを出店するにいたった。

商売がうまくいったため、現在はリサイクルショップや学習塾を事業譲渡し、「会長」のような立ち位置にいる。それと同時に、「しょぼい起業」という概念の提唱者としてプロデューサーやコンサルタント的な仕事もしているという。

そんな著者が本書で伝えたいのは、「つらいことをやる必要はない」ということだ。

サラリーマン以外にも選択肢はある

今の若者にとって、「サラリーマン」という選択肢は必ずしも最適解ではない。手取り20万円ほどで働かされ、残業も転勤もあり、毎朝満員電車に揺られて出社し、終電で帰るような生活。プライベートの時間もないし、家族と触れあうこともできない生活。そもそもこんなふうに働いていると、結婚も子育てもできないかもしれない。また、会社がつぶれてしまう可能性も、無理がたたって心を病んでしまう可能性もゼロではない。

世間は往々にして、サラリーマン生活に順応できない人に「落伍者」のレッテルを貼る。だがその人が脱落した「レース」とは、誰が主催し、誰が勝ち負けを決めるものなのだろう。サラリーマンがみんな成功者になれるわけでもないのに。会社のルールなど気にせず、嫌になったら辞めてしまえばいいのだ。

【必読ポイント!】 「しょぼい起業」をはじめてみよう

生きているだけでかかるコストを「利益」に換える
HAKINMHAN/gettyimages

起業すると決めたら、綿密な事業計画を作ったり、資金調達をしたり、オフィスを整えたり、採用をしたり……などといったことを考えるかもしれない。だが「しょぼい起業」においては、すべて不要だ。

農業を例にとって考えてみよう。「しょぼくない起業」では、メロンやイチゴなど、需要がありそうなものを高単価で売って儲けることを狙うだろう。一方「しょぼい起業」の場合はどうか。あなたが、野菜のとれる埼玉の実家住まいで、東京の学校まで通っているとする。授業のある日は通学定期券を使い、電車で東京まで出てくる。

このとき、あなたがひとりで埼玉から東京にやって来ればただの移動だ。だが、空のリュックに野菜を詰めて電車に乗り、東京でこの野菜を売ったとしたら、「移動」は「輸送」に変わる。毎日の通学がお金に換わるわけだ。

あなたがやることはさほど変わらない。いつもと同じ駅から、荷物を持って電車に乗って、買ってくれるお店に運ぶだけ。この「いつもやっている行為をお金に換える」という発想は「しょぼい起業」の基本的な考え方のひとつだ。これを「生活の資本化」(コストの資本化)と呼ぶ。

著者が経営していた「リサイクルショップ」と「飲食店」は非常に相性がいい。リサイクルショップに回ってくる家電のなかから、いちばんいいものを飲食店の内装に使ってしまえばいいからだ。そうすれば内装費を節約できる。

飲食店も同じだ。

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