知らない人を採ってはいけない

新しい世界基準「リファラル採用」の教科書
未読
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新しい世界基準「リファラル採用」の教科書
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知らない人を採ってはいけない
ジャンル
出版社
出版日
2019年01月23日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

最近、「リファラル採用」という言葉を耳にすることが増えた。リファラル採用とは、社内外の人脈を通して行う採用活動のことで、メルカリやサイバーエージェントなどといった名だたる企業が実践しているという。

とはいえ、もし自分が所属している会社がリファラル採用を始めたら、いろいろな疑問が出てくるだろう。少し考えただけでも、「自分が紹介した友人・知人が不採用になったらどうしよう」「一緒に働きたい友人・知人がいるが、彼(彼女)に対してどのように自社の魅力をアピールすればいいのか」「自社が抱える課題をうまく候補者に伝えられるだろうか」などといった疑問が浮かぶ。これらの疑問はきっと、どこの企業においてもリファラル採用のボトルネックになるものだろう。

本書では、こうしたボトルネックを解決する糸口が提示される。著者の白潟敏朗氏は、リファラルリクルーティング株式会社の代表取締役社長として、数々の企業のリファラル採用を支援してきた。本書に紹介されている成功事例を見ると、リファラル経由の内定率が100%だという企業や、リファラル採用で新卒社員を獲得した企業もあるというから驚きだ。

本書を読めば、リファラル採用のすべてが理解できるだろう。特に経営者や採用部門の責任者にとっては、これからの自社の採用戦略を検討するうえで、必読の一冊だといえる。

著者

白潟 敏朗(しらがた としろう)
リファラルリクルーティング株式会社 代表取締役社長。白潟総合研究所株式会社 代表取締役社長。1оn1株式会社 代表取締役社長。
1964年神奈川県三浦半島油壺生まれ、宮崎県宮崎市青島育ち。埼玉大学経済学部経営学科を卒業し、1990年に監査法人トーマツに入社。経営、戦略、業務、IPOのコンサルティングを経験。1998年からISOコンサルティング会社・審査会社の立上げ。2006年にトーマツ イノベーション株式会社設立、代表取締役社長に就任し、7800社のお客様に入会いただいた定額制研修イノベーションクラブで中小企業の人材育成にイノベーションを起こした。2014年10月に独立し、白潟総合研究所を設立、2017年にリファラルリクルーティング株式会社、2018年に1оn1株式会社を設立、現在に至る。『上司のすごいしかけ』『売上アップのすごいしかけ』『デキる上司』『仕事の「5力」』『社長、御社の「経営理念」が会社を潰す!』『幹部に言えない社長の悩み解決大全』(以上、KADOKAWA)、『できる上司は「なんで?」を言わない』(PHP研究所)ほか、著書43冊。

本書の要点

  • 要点
    1
    リファラル採用とは、「社内外の信頼できる人脈を介した、紹介・推薦による採用活動」のことだ。縁故採用とは異なり、紹介だからといって無条件に採用するわけではなく、面接を通して入社の可否を判断する。
  • 要点
    2
    リファラル採用を持続的に成功させるためには、「アピールブック」「リファラル採用の仕組み構築」「社長目線のリクルーター」の3つの条件をクリアする必要がある。
  • 要点
    3
    求める人材像は、「自社に合う人柄(マインド・カルチャーフィット)」と「自社で活躍するために必要なスキル(スキルフィット)」という2つの軸ですり合わせておくとよい。

要約

リファラル採用とは

リファラル採用のメリット
bee32/gettyimages

リファラル採用とは、「社内外の信頼できる人脈を介した、紹介・推薦による採用活動」のことだ。いま、世界中の企業で一般的な採用方法となっている。

こう聞くと、縁故採用とどこが違うのだろうと思う人もいるかもしれない。リファラル採用が縁故採用と異なるのは、紹介だからといって無条件で採用するわけではなく、面接を通して入社の可否を判断する点だ。広告媒体や紹介会社の営業マンの代わりに、社員がリクルーティング活動を行うと理解すればいいだろう。

リファラル採用のメリットは、次の7つだ。

(1)採用コストを大幅に削減できる

(2)社長と会社に合う人材を採用できる

(3)入社後の社員の定着率が向上する

(4)会社の魅力と課題を見える化できる

(5)会社の魅力の継続的向上(経営改革の実現)

(6)幹部と社員が経営者目線をもつ(究極の人材育成)

(7)みんなの心が1つになる

リファラル採用が効果を発揮するのは、「自社を友人・知人に紹介したいと社員に思ってもらう」と「その社員の話を聞いて、友人・知人に転職したいと思ってもらう」の2つがそろったときだ。要するに、社員が自社に強い魅力を感じていなければならないし、その魅力を知人に伝え、相手の気持ちを動かすことができなければならない。

そのためには、「自社の魅力の見える化」が重要となる。見える化した魅力をきちんと友人・知人に伝えられるかどうかで、リファラル採用の成否が決まるといえよう。

リファラル採用のデメリット

リファラル採用には、次の5つのデメリットがある。

(1)採用できるまでに時間がかかる

(2)1年以内に大量採用することには向かない

(3)活動してくれる社員に負荷がかかる

(4)採用を間違えた場合にやめさせづらい

(5)今いる社員以上のレベルの人材は採りにくい

このうち(1)は、リファラル採用の仕組みを構築し、継続的に運用できるようになれば自然に解消していく。まずは社長と数名がリファラルリクルーターになり、やがて全社展開ができるようになれば、内定承諾までの時間が短縮できる。

また(5)に関して、著者の経験によると、自分よりも優秀な人に声をかける社員は20%ほどいるという。そんな社員を見きわめ、リファラル採用のリクルーターとして活躍してもらえばよい。

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要約公開日 2019.05.07
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