読みたいことを、書けばいい。
人生が変わるシンプルな文章術

未 読
読みたいことを、書けばいい。
ジャンル
著者
田中泰延
出版社
ダイヤモンド社 出版社ページへ
定価
1,500円 (税抜)
出版日
2019年06月12日
評点
総合
4.0
明瞭性
3.5
革新性
4.5
応用性
4.0
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読みたいことを、書けばいい。
読みたいことを、書けばいい。
人生が変わるシンプルな文章術
著者
田中泰延
未 読
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出版社
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定価
1,500円 (税抜)
出版日
2019年06月12日
評点
総合
4.0
明瞭性
3.5
革新性
4.5
応用性
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レビュー

現代はブログやSNSなどで、自分の書いた文章をいとも簡単に、無料で発表できる時代である。インターネットの舞台では、だれでも爆発的な反響を起こすことがあり得る。さまざまな思惑をもった書き手が増えるとともに、文章術の本も多く刊行されている。本書も、現代の書き手たちを読者に想定しているものではあるが、いわゆるノウハウ本とは一線を画している。

『読みたいことを、書けばいい。』というタイトルの真意は、自分の好き放題書けばいいということとは本質的に異なる。その真意は、「自分で読んでおもしろくなければ、書くこと自体が無駄」「だれかがもう書いているなら読み手でいよう」というメッセージからもうかがい知れる。

タイトルは、シンプルなアドバイスに思えるかもしれない。けれど、シンプルに集約されているそのことを、実現しようとすると簡単にはできない。続けていこうとするとさらに難しい。本書の随所からは、「書く」ということに苦しみ、それでも「書く」という著者の姿が浮かびあがってくる。

本書のテンポのよい筆致には皮肉あり、ユーモアありで、さらさら読み進めてしまう。けれど、読者を笑わせかき乱しながら、発しているメッセージは骨太の文章論そのものだ。本書は数多ある文章のノウハウ本を差し置き、発行部数16万部を突破した。それだけ多くの人が、書くにあたってのノウハウやテクニックの限界に、気付いたということである。

三浦 健一郎

著者

田中 泰延(たなか ひろのぶ)
1969年大阪生まれ。早稲田大学第二文学部卒。学生時代に6000冊の本を乱読。1993年株式会社 電通入社。24年間コピーライター・CMプランナーとして活動。
2016年に退職、「青年失業家」を自称しフリーランスとしてインターネット上で執筆活動を開始。webサイト『街角のクリエイティブ』に連載する映画評「田中泰延のエンタメ新党」「ひろのぶ雑記」が累計330万PVの人気コラムになる。その他、奈良県・滋賀県・福島県など地方自治体と提携したPRコラム、写真メディア『SEIN』連載記事を執筆。
映画・文学・音楽・美術・写真・就職など硬軟幅広いテーマの文章で読者の熱狂的な支持を得る。「明日のライターゼミ」講師。本書が初の著書。

本書の要点

  • 要点
    1
    ネット上で読まれている文章の正体は、「事象と心象が交わるところに生まれる文章」である「随筆」だ。自分が綴ろうとしている文章の分野を認識することは大事である。
  • 要点
    2
    自分が言いたいことを書いている人がいないから、自分が書くしかない。それが、読み手として読みたいものを書くということの出発点だ。
  • 要点
    3
    愛と敬意が文章の中心にあれば、書かれたものには意味がある。
  • 要点
    4
    書くこととは、生き方の問題だ。書こうと思うなら、自分のために、読みたいことを、書けばいい。

要約

なにを書くのか

自分のフィールドを知る
scyther5/gettyimages

偉いと思われたい。お金が欲しい。成功したい。そのような考え方で書く文章は、人には読んでもらえないだろう。本書は、そうした空虚な目標に向かったり、そのための文章術を紹介したりするものではない。「書くことの本来の楽しさと、ちょっとのめんどくささ」を知ってもらいたいという気持ちで著すものである。

まず理解しておきたいことは、「文書」と「文章」の違いだ。「文書」は問題解決や目的達成のために書かれるもので、レポート、論文、メール、報告書、企画書などがこれに該当する。端的にいえば、業務用である。一方の「文章」は、「書きたい人がいて、読みたい人がいる(かもしれない)」という性質のものだ。

ネットを開けば目に入る、ブログやコラム、FacebookやTwitterの投稿なども「文章」である。そしてさらにいえば、それらの文章の正体は「随筆」である。「随筆」を、著者は「事象と心象が交わるところに生まれる文章」と定義する。「事象」とはあらゆるモノ、コト、ヒト、つまり個人が見聞きしたことや知ったことである。「事象」に触れて心が動き、書きたくなる気持ちが生まれることが「心象」だ。書きたい人や読みたい人が多くいるボリュームゾーンは、じつはこの事象と心象について書く「随筆」なのである。

書く文章の「分野」を知る

世の中には事象を中心に記述した文章も、心象を中心に記述した文章もある。前者のタイプの文章は「報道」や「ルポルタージュ」と呼ばれ、後者は「創作」や「フィクション」と呼ばれていて、それぞれ随筆とは異なる分野の文章である。

「ライターになりたい」という人でも、自分が書いていこうという分野に無自覚な人は多い。ネットになにかを書いて読者の支持を得ようという、いま一般にいわれる「ライター」志望の人は、まず「随筆」という分野で文章を綴っているのだと自覚すべきである。

例えば映画を評論しようとして、事象寄りに振れてあらすじばかりを書いたり、心象寄りとなって感想だけ書いたりして終わってしまう人がいる。定義をしっかり持っておけば、自分がいま、何を書いているかを忘れずにすむだろう。

【必読ポイント!】 だれに書くのか

ターゲットは想定しなくてよい

無数にある文章術の本には、このように書かれている。「読む人はだれかをはっきりさせて書きなさい」。いわゆる、「ターゲット」ということについてである。

しかし、その「ターゲット」に言いたいことが「届く」ことなど、そんなにあるだろうか。著者が24年間働いた、まさにターゲット論の世界である広告業界においても、メッセージはテレビや新聞など不特定多数が目にするところに「置かれる」だけだ。「届けられる」のではない。

だからこそ、書くにあたっては、読み手など想定しなくていい。その文章を最初に読むのは、間違いなく自分である。自分で読んでおもしろくない文章なら、書いても無駄になるだろう。

だれかがもう書いているなら読み手でいよう
igoriss/gettyimages

「自分で読んでおもしろい文章」とは、なにか。それは、「まだだれも書いていない文章を自分で作る」ということだ。

例えば映画を観れば、おもしろかったことや疑問に感じた場面など、さまざまなことを思うはずだ。

しかし映画のパンフレットから Twitterまで、世の中には無数の映画レビューがある。それらを読んで、自分より豊かな語彙で感想が書かれていたり、疑問に対する考察が見事に展開されていたりすれば、もはやなにも書く必要はない。反響はさほど得られないだろうし、他人の真似で原稿料をもらおうとすれば、賞賛ではなく警察がやってくる。

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スキルアップ・キャリア トレンド
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2019年06月12日
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