言葉は凝縮するほど、強くなる

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言葉は凝縮するほど、強くなる
出版社
ワニブックス

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定価
1,540円(税込)
出版日
2019年07月25日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「言葉を凝縮する」というテーマと、古舘伊知郎氏は、最も対極にあると思われるかもしれない。一般に、古舘氏はしゃべりの総尺が長いというイメージがあるからだ。しかし、本書で彼は、話が長すぎて色々な失敗をしてきたことをまず吐露している。そして、そんな失敗があったからこそ「凝縮した言葉を使う」ことの必要性を、誰よりも実感しているというから説得力がある。

古舘氏は2016年3月31日に、12年間務めた「報道ステーション」のメインキャスターを辞め、バラエティの世界へ。そこでは水を得た魚のようにしゃべりまくり、聴衆も最初のうちは久しぶりの「古舘節」に喜んだ。ところが、ほぼ毎日の放送となると話は別だった。現代のバラエティ番組では、「短い時間の中で、いかに気の利いたことを言えるか」が勝負だ。従来の古舘氏による一気呵成のしゃべりは、どうもハマらなかったという。

言葉を煮詰め続けた古館氏は「自分のことばかりダラダラしゃべるのは、もうやめだ!」と決意し、本書のテーマである「人の心に刺さる、一点突破の凝縮ワード」を生み出した。自身の反省を踏まえ、リ・スタートを切ったしゃべりの天才、古舘氏。彼が編み出した凝縮ワードの数々は、オンリーユー力、オウム返し反撃力、切り上げ力など、ユーモアたっぷりで、しかも応用性範囲が広い。そんなワードがちりばめられた本書は、日常生活における最適な会話術の手引き書といえるにちがいない。

ライター画像
小嶋平康

著者

古舘 伊知郎(ふるたち いちろう)
立教大学を卒業後、1977(昭和52)年、テレビ朝日にアナウンサーとして入社。
「古舘節」と形容されたプロレス実況は絶大な人気を誇り、フリーとなった後、F1などでもムーブメントを巻き起こし「実況=古舘」のイメージを確立する。
一方、3年連続で「NHK紅白歌合戦」の司会を務めるなど、司会者としても異彩を放ち、NHK+民放全局でレギュラー番組の看板を担った。
その後、テレビ朝日「報道ステーション」で12年間キャスターを務め、現在、再び自由なしゃべり手となる。

本書の要点

  • 要点
    1
    場を上手く切り抜けたいときや、言いにくいことをあえて言わなければいけないときなど、状況に応じた最適なフレーズと使い方を紹介しているのが本書だ。
  • 要点
    2
    古舘氏は、自分ファーストでダラダラしゃべり続け、その反省を繰り返してきたという。その経験をもとに、短いフレーズに思いを詰め込むことに徹し、磨き上げたのが、本書に登場する「一点突破の凝縮ワード」である。

要約

ぐっと相手をひきつける

すり抜け力

「控えめに言って」は、自分が一歩下がることで相手を一段上げるという、ここ数年で一気に市民権を得た言い回しだ。「控えめに言って最高です」は、相手を褒めたいときに活用できる。このフレーズに秘められたもう1つの深い意味は、「控えめに言って」と、先回りしているということである。「最高」と言い切る自信がないから、「控えめに言って」という鎧をつけて身を守っているのだ。あとからツッコミを入れられても、「控えめに言ったに過ぎないんだから」と言い訳ができる。

同様に、「かも」を付け加えるのも、曖昧にするテクニックとして有効だ。おいしいかどうかよく分からないものを食べて、感想を求められたとしよう。「おいしいかも」という言葉で霞をかければ、防御できる。好きか嫌いか、おいしいかまずいか、正しいか間違っているか。こうした選択を迫られたとき、とっさの「すり抜けフレーズ」を用意しておくと安心だ。

「控えめに言って」は、使い方によっては最高に相手に響く言葉である。ポイントは「控えめに言って、好きです」などと言う場合に、「控えめに言って」の方にアクセントを置くことだ。本来控えめに言えばいいところをあえて強調することで、聞いている側に「前後を漏らさず聞こう」という意識が働く。これこそが古舘氏の思う「引き寄せの法則」だ。ここぞという場面で使ってみてほしい。

オンリーユー力
BrianAJackson/gettyimages

「みなさんは、どう思いますか?」

プレゼンの場だけでなく、ブログやFacebookなど個人が情報発信するツールでも、こう呼びかける人はいるだろう。しかし、「みなさん」と呼びかけるのは極力すべきではない。

古舘氏がニュースキャスターを務めていた頃、「言い過ぎたかな」と思ったときに、「みなさん」を多用していたという。「ごめんなさい、人それぞれですよね、みなさんはどうお考えでしょうか」。こう伝えると、直前の自分の言葉が消されるので、「におい消し」には効果的だ。

それなのになぜ、みなさんと呼びかけるのはよくないのか。それは、「あなた」1人に呼びかける方が、確実に「みんな」に伝わるからである。

ラジオのパーソナリティが、深夜放送などで「みなさん、こんばんは」と話すよりも、「今、水戸街道を走っているあなた。聞いていますか?」と言う方が相手に響く。こういうときは、ピンポイントに水戸街道と焦点を絞ることで、違う道を走っているドライバーまでもが自分ごとに感じるのだ。プレゼンなどでもここぞというシーンでは、ただ1人に向かって語りかけるとよい。「あなたに向かって言っているんですよ」という姿勢を見せるのが効果的だ。

とっさに上手に切り返す

オウム返し反撃力

カチンとくる一言を相手に言われたとき、どのように反撃すればよいだろうか。カチンとくるということは、相手の一言に図星な一面があるということでもある。

もしも英語がペラペラな人が、「キャスターはある程度英語がしゃべれないとダメだよね」と言われたとしよう。この場合は、「そう?」とあっさり話は終わる。しかし、英語がしゃべれない場合は、ムッとしてしまうだろう。このときは、「キャスターは英語がしゃべれないと本当にダメですか?」と、相手の一言をそのまま質問にして、切り返すとよい。

質問にすることで、「英語がしゃべれないとダメとは言い切れない部分もあると思いませんか?」と、自分の意思を相手に伝えられる。これは、いろいろと応用がきくフレーズだ。オウム返しのように、真面目に、真剣に切り返す。本音はストレートな怒りとして伝えずに、さりげなく忍び込ませればよい。

反対に、傷つけたつもりがなくても、予想外のことで相手を傷つけていることもある。そのことを念頭に、言葉に対して謙虚でいることが大事だ。

言いにくいことをスルッと伝える

アンガーマネジメント力
SIphotography/gettyimages

ささいな一言が相手の神経を逆なでし、日頃の不平不満のぶつけ合いに発展することもあるだろう。どんなに自分が正しいと思っていても、キレた時点で、100%こちらが悪くなる。そのため、ケンカはすぐにやめるに越したことはない。

しかし、やめたくてもやめられないときもあるだろう。「負のサイクルに入りそう」だと思ったら、脳内で実況中継をすることをおすすめする。

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