SUPER MTG スーパー・ミーティング

THE SURPRISING SCIENCE OF MEETINGS
未読
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出版社
サンマーク出版

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定価
1,870円(税込)
出版日
2020年01月30日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

いかにミーティングを効果的で、生産性の高いものにするか。世界各国の企業を悩ませてきたこの課題に、サイエンス領域での学術研究と、世界中のメガ企業の実態調査を組み合わせて立ち向かったのが本書だ。ミーティングの科学があぶり出した、会議の真実とははたしてどのようなものなのか?

あらゆる組織で、日々数多くのミーティングが開かれており、これは組織にとって大きな投資である。にもかかわらず、その成果が検証されないうえに、「悪いミーティング」が放置されてしまっているのは由々しき事態だ。

重要なのは「良いミーティング」をいかに増やし、定着させていくかである。著者はミーティングを生産的で有意義なものにするための具体的なアイデアやノウハウを、数々の事例や分析結果をまじえながら、惜しみなく紹介していく。例えば、ミーティングの1時間という枠にこだわらないという方法や、ミーティングで発言する人が固定しないよう、沈黙の力を活かした「ブレインライティング」を取り入れるといったことだ。

ミーティングに課題意識をもつリーダーはもちろんのこと、今後ミーティングを主導する立場になる若いビジネスパーソンにも、ぜひ読んでほしい一冊である。ミーティングをアップグレードし、生産性の高いチームづくりに役立てていただきたい。

著者

スティーヴン・G・ロゲルバーグ
ノースカロライナ大学シャーロット校教授。組織科学、経営学、心理学を教える。
国の内外、学問分野を超えた卓越した貢献が認められ、同校で栄誉教授の称号を得る。これまでの出版物の数は100以上にのぼり、現在は組織心理学同盟の事務局長を務める。
また、長年にわたるミーティング研究の功績を認められ、フンボルト賞を授与された。その仕事は、『ロサンゼルス・タイムズ』紙、『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌、CBSニュース、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙、『ワシントン・ポスト』紙、『シカゴ・トリビューン』紙、NPR、『ガーディアン』紙、『ナショナル・ジオグラフィック』誌、『サイエンティフィック・アメリカン・マインド』誌などのメディアで取り上げられている。
大学での教育と研究に加え、大小さまざまな企業でコンサルティングや講演を定期的に行っている。これまで一緒に仕事をした企業は、IBM、TIAA、プロクター・アンド・ギャンブル、VFコーポレーション、ファミリー・ダラー、シーメンスなど。NPOの運営改善を支援する団体を設立し、現在もトップを務める。この団体が支援するNPOは500以上になる。

本書の要点

  • 要点
    1
    企業はミーティングに膨大なコストをかけている。組織やチームにとってミーティングは必要不可欠なものだが、問題なのは悪いミーティングを放置することである。リーダーは自分がリードするミーティングの実態を正しく知るべきだ。
  • 要点
    2
    ミーティングは1時間が最適とは限らない。また、極端に短いミーティング「ハドル」の導入が大きな効果を生むこともある。
  • 要点
    3
    スーパー・ミーティングをキープするためには、さまざまなテクニックを駆使し、小さな変化を積み重ねることだ。挑戦するリーダーの姿がメンバーへの前向きなメッセージとなる。

要約

ミーティングは必要悪?

悪いミーティングを放置していないか?

本来、組織やチームにとってミーティングは必要不可欠なものだ。ミーティングがなければ、チームワークや協力関係、メンバーの帰属意識を高めることもできない。また、問題解決をみんなで共有できるといった効果がある。

しかし現実には、「悪いミーティング」が多数存在する。多くのリーダーは、無駄なミーティングを必要悪と考えて、放置しているのではないだろうか。

まずはミーティングにかかるコストを考えてみよう。米国では1日に5500万回ミーティングが行われている。人件費などのコストは約1兆4000億ドル、2014年の米国GDPの8.2%にも及ぶとされる。加えて、悪いミーティングは「機会損失コスト」「心理的なコスト」という間接コストを伴う。こうしたことから、悪いミーティングはコストの大いなる無駄使いといえる。

ミーティングの科学とは?

経営の神様、ドラッカーは、「ミーティングは悪い組織に特有の病状である。少なければ少ないほどいい」と語っていた。しかし、ミーティング自体は必要であり、大事なのはミーティングを改善することだ。

著者はミーティングをより生産的で効果的な時間に変えるために、「ミーティング学」の研究を進めてきた。ミーティング学とは、ミーティングを科学的に、集団力学の観点から研究する学問分野である。その対象は「構造」「意思決定のスタイル」「遅刻」「団結力」など、実に幅広い。また、現場に介入してデータを集めることも重要視する。科学×現場で様々な手法を使うことにより、ミーティングの多様な側面、ミーティングを成功に導く秘訣を知ることができる。

ミーティングをアップグレードする

リーダーは自分を過大評価する
PeopleImages/gettyimages

人間は自分を過大評価する傾向にある。それゆえ、ミーティングにおける自分のリーダーシップを正しく評価することは難しい。著者らが行った調査によると、ミーティングのリーダーは、一般出席者に比べてミーティングの出来に高い点数をつけるという。また、たくさん発言した人ほど満足度が高くなるという結果もある。しかし、出席者の評価はそれとはまったく異なるものだ。リーダー層は自分のリードするミーティングを過大評価し、自分の欠点や弱みが見えなくなっている。それは参加者にとっても不幸なことだ。

ミーティングの実態を知るための3つの質問
vladwel/gettyimages

リーダーが自己を正しく評価するためには、自分がリードするミーティングの実態を知ることが欠かせない。具体的な評価ポイントは次の通りだ。参加者がスマホで別作業をしている、関係のない雑談をしている、リーダーばかりが発言をしている、出席者の1人か2人が発言を独占している。こうした様子が見受けられるなら、改善に向けた努力が必要となる。

ミーティングの正式な評価を受けるには、アンケートをとるとよいだろう。アンケートでは次の3つの質問をするとよい。(1)私の行動のうち「リーダーにふさわしくないこと」(やめるべきこと)は何か、(2)「新しく始めなければならないこと」は何か、(3)リーダーとして「うまくやっていること」(今後も続けること)は何か、である。

ギバーになろう

ミーティングで理想とされるリーダーは、チームのサポートに徹する「サーバント・リーダー」である。サーバント・リーダーは他者の成功を助け、メンバーがそれぞれ才能を発揮し、より効率的にチームの目標を達成することを促すリーダーだ。

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要約公開日 2020.03.23
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