NOを言える人になる

他人のルールに縛られず、自分のルールで生きる方法
未読
NOを言える人になる
NOを言える人になる
他人のルールに縛られず、自分のルールで生きる方法
未読
NOを言える人になる
出版社
出版日
2020年01月29日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

著者は、都内で「セーブポイント(安心の拠点)」をコンセプトとしたクリニックを運営している医師だ。メンタルヘルス支援活動を行う中で、日々、さまざまな「生きづらさ」を抱える人たちに向き合っている。

著者はそうした活動を通して、他人や社会が決めたルールにNOを言えず、自分のルールを曲げてまで受け入れている人が多いことに気づいたという。彼らは我慢を続け、心身ともに疲弊している。その先に幸せはない。

では、他人のルールに縛られず、自分のルールで、自分の物語を生きるためにはどうしたらいいのか。その答えは、「NOと言える人になる」ことだ。

「NOと言える人になる」ことは、わがままに生きること、自分勝手に生きることとは違う。あくまでも目指すべきは、他人とフェアな関係をつくることだ。

本書では、NOと言える人になるための人間関係の見直し方や職場の人間関係の捉え方、そして時間とエネルギーを再分配する方法などが紹介されている。さらに、NOを言う勇気を持つための自己肯定感の育み方や幸せのつかみ方にも言及されている。

誰しも、NOと言うのは怖いものだ。しかし、一度言ってしまえば案外、平気だったりもする。まずは目の前の嫌なことから逃げたり、不本意なことを拒否したり、合わないことをやめたりすることから始めてみよう。そうすれば、自分らしい生き方ができるはずだ。

ライター画像
上條まゆみ

著者

鈴木裕介(すずき ゆうすけ)
内科医・心療内科医。2008年高知大学卒。内科医として高知県内の病院に勤務後、一般社団法人高知医療再生機構にて医療広報や若手医療職のメンタルヘルス支援などに従事。2015年よりハイズ株式会社に参画、コンサルタントとして経営視点から医療現場の環境改善に従事。2018年、「セーブポイント(安心の拠点)」をコンセプトとした秋葉原saveクリニックを高知時代の仲間と共に開業、院長に就任。また、研修医時代の近親者の自死をきっかけとし、ライフワークとしてメンタルヘルスに取り組み、産業医活動や講演、SNSでの情報発信を積極的に行っている。著作に「無敵の研修医ストレスマネジメント」(CareNet)など。

本書の要点

  • 要点
    1
    他人や社会が決めた価値観やルールから解放され、自分の人生を取り戻して幸せに生きるためには、人間関係を見直す必要がある。
  • 要点
    2
    生きづらさを軽減するためには、「ラインオーバー」(=誰かの境界線を侵害すること)したりされたりしないようにすることが効果的だ。
  • 要点
    3
    自分に合わないものややりたくないことには、NOと言おう。そうして生まれた時間を、自分を喜ばせることに使うべきである。

要約

人間関係を見直す

他人が決めたルールから解放される
AndreyPopov/gettyimages

私たちの多くは、社会に適応するために、他人や社会が決めたルールを優先させ、自分らしさを押し殺しながら生きている。「自分はNOを言えていない」「自分らしく生きていない」と認識できている人はまだましだ。自分が無理をしていることにすら気づいておらず、知らず知らずのうちに疲れてしまう人もたくさんいる。

若いうちや「勝ち組」でいられるうちは、まだいい。しかし、ある程度年齢を重ね、ふと人生を振り返ったとき、自分の人生を生きていないことに気づかされ、愕然(がくぜん)とする人もいる。アイデンティティが崩壊(ほうかい)するほどのショックを受け、虚無(きょむ)感に襲われてしまうのだ。

では、「他人や社会が決めた価値観やルール」から解放され、自分らしさを取り戻し、幸せな人生を送るためにはどうしたらいいか。それにはまず、人間関係のあり方を見直すことだ。好ましくない人間関係は、あなたの時間やエネルギーを奪い続けるものだからだ。

自分と他人の境界線を守る

好ましい人間関係を構築するために心がけたいのは、「自分と他人の間の境界線をきちんと意識し、守る」ことだ。あなたの心(思考)や身体、生活、人生などに、必要以上に他人を立ち入らせてはならない。同様に、家族や友人など、どれほど親しい間柄であっても、他人の心や身体、生活、人生などに立ち入ったり、その人のコントロール権を奪ったりしてはならない。

しかし実際には、「自分の領域が他人によって侵害される」「自分が他人の領域を侵害してしまう」といったことは、頻繁(ひんぱん)に起きている。「こんなことは常識だ」「男のくせに(女のくせに)~するなんて恥ずかしい」といった言葉を口にしたり、「使えない」「才能がない」などといった言葉で、相手をジャッジしたりしていないだろうか。これらは、他人の領域に土足で踏み込んでいるようなものだと心得よう。

自他の領域の侵害が起こるのは、「自分の他人の間の境界線」があいまいだったり、正しく機能していなかったりするためだ。著者は、他人が境界線を侵害することを「ラインオーバー」と呼ぶ。

ラインオーバーしたりされたりすることを防ぐには、自我の境界線をきちんと引き、自分が守るべき範囲を正確に把握(はあく)する必要がある。ラインオーバーを防ぐことは、生きづらさを軽減し、自分のルールで生きるうえで、必要不可欠だ。

ラインオーバーにNOをつきつける
turk_stock_photographer/gettyimages

もしあなたが生きづらさを抱えていて、かつ「自他の境界線が、自分でもよくわからない」「境界線が正しく機能していない」と感じているなら、まず、「他人からのラインオーバー」に敏感になってみよう。

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要約公開日 2020.04.06
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