起業家の勇気

USEN宇野康秀とベンチャーの興亡
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USEN宇野康秀とベンチャーの興亡
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起業家の勇気
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出版社
定価
1,650円(税込)
出版日
2020年04月10日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
3.0
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おすすめポイント

ITバブルが起きたのは、1990年代の後半ごろ。インターネットや携帯電話が普及しはじめ、ソフトバンクやヤフー、楽天、サイバーエージェントといった新興企業が、連日のようにメディアを賑わせた。当時、中学生だった要約者は、ニュースを見ながら「華々しい世界だな」と、遠い世界の出来事として見ていた記憶がある。その後、2000年をピークにITバブルは崩壊し、日本は長い平成不況へと突入していった。

そんな興亡激しい平成を生きた経営者のひとりが、現USEN-NEXTホールディングス代表取締役社長CEOの宇野康秀(うのやすひで)だ。宇野は大学卒業後、リクルートのグループ企業に入社。1年で退社し、就職支援を行う会社インテリジェンスを創業する。そして同社を急成長へと導くも、父の跡を継ぎ大阪有線放送社の社長に就任した。その後、リーマンショックのあおりを受けて1000億円を越える損失を出して社長から退くも、動画配信会社U-NEXTを創業し、東証マザーズに上場。今では関連企業18社を束ねる持株会社の社長だ。

ざっとこれだけみても、その紆余曲折は他に例を見ない。失敗や挫折をしても決して折れることのない粘り強さには、ただただ感嘆するばかりである。ぜひとも本書を通じて、「起業家の勇気」の一端に触れていただきたい。

ライター画像
小林悠樹

著者

児玉博 (こだま ひろし)
1959年生まれ。大学卒業後、フリーランスとして取材、執筆活動を行う。月刊「文藝春秋」や「日経ビジネス」などで発表する企業や官庁のインサイドレポートに定評がある。2016年、第47回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。主な著書に『堤清二 罪と業 最後の「告白」』、『テヘランからきた男 西田厚聰と東芝壊滅』、『日本株式会社の顧問弁護士 村瀬二郎の「二つの祖国」』などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    宇野康秀の父・元忠(もとただ)は、一代にして大阪有線放送社を大きくした辣腕経営者だ。
  • 要点
    2
    宇野は大学卒業後、リクルートの子会社へ入社するも1年足らずで退職し、インテリジェンスを創業した。その後、父の病をきっかけに大阪有線放送社を継ぐこととなる。
  • 要点
    3
    大阪有線放送者の社長となった宇野は、光ファイバー事業やコンテンツ事業にも参入する。しかしリーマンショックのあおりを受けて業績不振に陥り、社長を退任することとなった。
  • 要点
    4
    その後、すぐに動画配信会社U-NEXTを創業。現在ではグループ企業18社を束ねる経営者として、華々しい復活を遂げている。

要約

宇野康秀と宇野元忠

大阪有線放送社を一代で作り上げた父
gyro/gettyimages

宇野康秀(以下、宇野)を知るうえで、父・元忠の存在は欠かせない。元忠は、裸一貫から大阪有線放送社を立ち上げ、一代にして従業員1万人を超える大企業にまで成長させた人物だ。大阪有線放送社の創業は1961年。そこから破竹の勢いで成長し、1980年代半ばには、50万件を越える加入者数を誇っていた。

しかしながら、その背景には電柱の無断使用があった。大阪有線放送社は創業以来、電柱の使用料を払うことなく、営業マン自らが電柱に上り、無断でケーブル線を引いてきた。そんなゲリラ戦を演じながら、元忠は自ら車を運転しては、地方にある弱小の有線放送を買収してシェアを拡大していった。自宅にはほとんど帰らなかった。あるとき、そんな状況を見かねた妻・依月が、元忠へこんな言葉を投げかける。

「社長のあんたが休みの日もなんで、働かにゃあかんの? 社員に任せたらええやん?」

すると元忠は、「ワシより働くもんがおったらそいつが社長や」と言い返した。宇野はこのときのやりとりを鮮明に覚えているという。

父への思いの変化

元忠はたまに家に帰ってきては、大きな声で母に命令し、気に入らないことがあれば暴言を吐き散らした。宇野はそれがイヤだった。父が帰ってくるやいなや、言葉を交わすこともなく、自室にこもっていたという。しかし自分の夢を持つようになると、父への思いにも変化が訪れる。

小学校時代の宇野は、図書館に行っては、歴史上の偉人伝を読み漁っていた。そして子供ながらに、「いつか自分も自伝を残すような功績を挙げたい」と考えるようになった。いざ起業家を目指しはじめると、一番近くにいるロールモデルを意識することになる。父親としてはけっして尊敬できなかったが、経営者としての元忠はとても魅力的に映った。

起業家・宇野康秀のはじまり

大学とリクルート
tadamichi/gettyimages

宇野は高校卒業後、明治学院大学に入学した。当時はバブル景気のまっただ中だ。大学ではイベントやパーティーがひっきりなしに行われており、そこへ企業が協賛金を出すなど、大学生は注目のマーケットとなっていた。宇野が入ったプロデュース研究会では、テニスやスキーの企画、資生堂の若者向け化粧品のプロモーションを請け負っており、宇野自身も社会人さながらに活動を行なっていた。

そんななかで出会ったのが、戦後最大のベンチャー企業であるリクルートだ。同社は就職情報、住宅情報、女性の就職転職市場などへ次々と参入し、あたかも情報社会の到来を告げるように、目を見張る成長を遂げていた。そんなリクルートが最も力を入れていたもののひとつが採用だ。「地頭のいい人材を採用する」という方針のもと、自ら考えて行動する企業風土を築き上げていく。そんなリクルートのスタイルは、事業家を目指す学生にとって、大変魅力的に映った。

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