コンタクトレス・アプローチ

テレワーク時代の営業の強化書
未読
コンタクトレス・アプローチ
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テレワーク時代の営業の強化書
未読
コンタクトレス・アプローチ
出版社
出版日
2020年08月20日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

「取引先と会えない」「取引先とのアポが取れない」「オンラインでどうやって営業するのか」など、新型コロナウィルスの蔓延によって、営業に関わる人の悩みはつきない。しかし、コロナ危機以前から、コンタクトレス営業を行ってきた、コンタクトレス営業の先駆者とも言うべき著者は、今こそ非接触で行う営業手法を導入する絶好のチャンスだと主張する。経営体質改善や営業力強化を実現するコンサルティング会社の創業者である著者は、2009年よりコンタクトレスの営業スタイルを自社に導入。リアル訪問の営業を補完する形で、コンタクトレス営業を行ってきた。そして、たとえコロナ危機がなくともメリットが多いコンタクトレス・アプローチを推進すべきだというのだ。

ここでいうコンタクトレス・アプローチは、非接触の営業でアプローチ数を増加させ、全体としてのパフォーマンスを向上させることを目指すものだ。本書では著者が現場で蓄積してきたノウハウを惜しげもなく公開している。営業担当者向けの具体的な営業プロセスから、マネジメントに携わる人のための管理方法や教育方法、IT化導入による収益構造の改善など、多角的な視点からコンタクトレス・アプローチのメリットを紹介している。

本書を読むと、新型コロナウィルスの展開に関わらず、コンタクトレスの流れが止まることはないのだろうと感じられる。これまでの営業スタイルが通用しないというピンチを、新しいアプローチの導入のチャンスにするべく、ぜひ本書をご一読いただきたい。

ライター画像
木下隆志

著者

長尾一洋(ながお かずひろ)
株式会社NIコンサルティング代表取締役
中小企業診断士 孫子兵法家
横浜市立大学商学部経営学科を卒業後、経営コンサルティング会社で営業指導、戦略策定、人事改革などを経験し、課長職を経て独立。1991年にNIコンサルティングを設立し、日本企業の経営体質改善、営業力強化、人材育成に取り組む。自社開発のITツール「可視化経営システム」は、6900社を超える企業に導入され、営業力強化や業務改革をローコストで実現している。また、2500年前から伝わる兵法『孫子』の知恵を現代企業の経営に活かす孫子兵法家としても活動中。

本書の要点

  • 要点
    1
    コンタクトレス・アプローチ とは 客先へのリアル訪問を減らし、WEB等を活用して、アプローチ数を増やすことで、今まで以上の成果を上げる一連の営業行為のことである。
  • 要点
    2
    コンタクトレス・アプローチで、顧客開拓するためには、(1)認知、(2)信用、(3)信頼、(4)受容の4つのステップがある。
  • 要点
    3
    コンタクトレス・アプローチで営業エリアの制限はなくなり、顧客数が増えれば増えるほど指数関数的に利益を増やすことが可能となり、ビジネスモデルは大きく変化することになる。

要約

コンタクトレス・アプローチが営業の主流になる

コンタクトレス・アプローチとは?
takasuu/gettyimages

本書におけるコンタクトレス・アプローチとは、客先へのリアル訪問(コンタクト)を減らし、WEB等を活用してアプローチ数を増やすことで、より大きな成果を上げる一連の営業行為のことである。リアル訪問をコンタクトレス(非接触)に切り替えることで、営業パフォーマンスは落ちるかもしれない。しかし、コンタクトレスに切り替えることによって生まれた時間や労力を使って、アプローチ数を増やすことができる。結果としては全体のパフォーマンスは上がるという計算だ。

リアル訪問での商談では、たとえ近場であっても交通費や移動の時間がかかる。商談時間1時間のために1時間の移動時間をかけていたとすれば、移動がなければその時間で他の企業にアプローチすることが可能なはずだ。

営業先が遠方であればさらに高額な交通費と、場合によっては宿泊費も必要になり、商談のためだけに多大な時間とコストがかかっている。コンタクトレス・アプローチの実践はアプローチ数を増やすだけでなく、時間とコストを大幅に削減することにもつながるのだ。

今がコンタクトレス・アプローチ導入のチャンス

コンタクトレス・アプローチには、資源を無駄遣いせず、環境にやさしいというエコの視点からのメリットがあるだけでなく、時間効率がよく、経済コストを削減できるというエコノミーの視点からのメリットもある。これらのメリットがあるからこそ、コロナ危機がなくともコンタクトレス・アプローチに移行すべきなのだと著者は主張する。

そうは言っても、先方から「会いたい」と申し出があったとき、「コンタクトレス・アプローチの方がメリットがあるので行きません」とはいかなかった。しかし、今ではウィルス対策の一環として「会わない」ことがすんなり認められるようになってきた。

現在の状況下では、従来通り「営業は会うのが仕事だ」ととらえていると、営業活動が止まってしまう。本来果たしたい目的は、会うこと自体ではなく、商品を知ってもらい購入を検討してもらうことのはずだ。会えないことのマイナスをプラスに変える視点を持てば、今は「ウィルス対策」という旗を掲げながら、コンタクトレス・アプローチを推進する絶好の機会としてとらえることができるだろう。

【必読ポイント!】 コンタクトレス・アプローチの進め方

コンタクトレスでも人間関係を築く
elenabs/gettyimages

コンタクトレスのWEB商談に切り替えると、取引先との関係がドライでビジネスライクになるのではないかと考えるかもしれない。しかし、コンタクトレス・アプローチにおいても、人間関係の構築は必要不可欠だ。

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要約公開日 2020.10.02
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