著者の「自己理解メソッド」の説明をする前に、やりたいこと探しをする際に陥りがちな5つの間違いを取り除いておきたい。
最初の間違いは、やりたいことは「『一生続けられること」でなければいけない』と考えることだ。多くの人が100歳まで生きると言われ、社会の変化のスピードが上がっている中、一つのことに一生固執するのはむしろ危険だ。やりたいことは「今一番やりたいこと」でよいのだ。
次の間違いは、「やりたいことを見つけた時には『運命的な感覚』がある」というものだ。やりたいことは試行錯誤して育てていくものであって、天から与えられるようなものではない。やりたいことを見つけても最初は興味レベルなのだと知っておこう。
3つ目の間違いは、「『人のためになること』でないといけない」ということだ。自分を殺して人のために頑張ろうとするのは、単なる自己犠牲である。自分のやりたいことを続けていけば、それが結果として人のためにもなるのだ。
4つ目の間違いは、「見つけるには『たくさん行動する』しかない」ということである。やりたいことがわからないのは、多すぎる選択肢から選ぶ力がないということだ。そこに選択肢をさらに増やすような行動をしても、余計に混乱してしまう。やりたいことを見つけるには、自己理解するしかないのだ。
最後の間違いは「やりたいことが『仕事』にならない」という考えだ。やりたいことの実現手段は、やりたいことを探している段階で考える必要はない。やりたいことは自分の中にあるものだが、実現手段は自分の外側、社会の中にあふれている。実現手段を考えるのは、もっと先の話だ。
この5つの誤解が解けたならば、次はいよいよやりたいこと探しだ。
著者が提唱する「自己理解メソッド」は、「好きなこと」「得意なこと」「大事なこと」の3つを重要な柱としてすえている。
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