やめる時間術

24時間を自由に使えないすべての人へ
未読
やめる時間術
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やめる時間術
出版社
実業之日本社

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出版日
2021年01月28日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

新年を迎え、手帳を新調した人も多いだろう。まっさらな手帳には、仕事やプライベートの予定のほか、今年の目標や抱負、やりたいことリストも書き込まれているかもしれない。その一方で、早々に「果たして目標達成できるのか?」「そもそも時間がない……」と、小さなため息をついていないだろうか。

「時間がない」は現代人共通の悩みである。特に、子育てや介護など、仕事をしながら自分以外の人やコトに多くの時間を割かざるを得ない人は、目の回るような毎日を送っているに違いない。「やるべきこと」が多すぎて、「やりたいこと」を考えることすらできなくなっているという人もいるだろう。

本書の著者は、2人の子育てをワンオペで行う超多忙なワーキングマザーだ。育休後、仕事に復帰してからは「独身時代とはレベルが違う」ほど忙しく、追われるような日々に突入した。数々の時短テクを試してみたがうまくいかず、泣く泣く使っている時間を「分解」していった結果、この「やめる時間術」にたどり着いたという。

お金を増やしたいなら収支を見直し、ダイエットなら食べたものを記録するだろう。しかし私たちは、予定を立てることはしても、実際に使った時間をチェックすることは少ない。だが、この「使った時間の現状把握」こそ、豊かな「自分時間」を生み出す第一歩だという。

人生の持ち時間は有限であり、時間の使い方は「人生の過ごし方」に他ならない。本書を「自分らしい人生を送りたい、諦めたくない」と願う、すべての人に贈りたい。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

尾石晴(ワーママはる)(おいしはる)
外資系メーカーに16年勤務し、うち6年は管理職として活躍。長時間労働が当たり前の中、「分解思考」で時間を捻出。ワンオペ育児をこなしながら残業0時間を達成し、チームを社内表彰に導く。その傍ら、発信業・不動産賃貸業・ヨガインストラクター・メンタルオーガナイザー®・ライフオーガナイザー®など、会社員以外での収入経路を次々と確保。2020年4月に会社員を卒業し、サバティカルタイムに突入。音声メディア「Voicy」では1000万回再生超えを記録し、トップパーソナリティとして活躍中。
その他、「note」や「Twitter」でも日々発信している。SNSの総フォロワー数は約5万人。2020年にはヨガスタジオ「ポスパムfukuokaスタジオ」を立ち上げ、代表を務める。2児の母。
ツイッター:@wa_mamaharu
インスタグラム:@waamamaharu

本書の要点

  • 要点
    1
    時間がない人は、自分が使った時間を把握できていない。24時間入っている「時間の財布」を持ち、何にどれだけ使ったかを明確にしよう。
  • 要点
    2
    私たちの時間は、「生活時間」「ルーチン時間」「自分時間」の3つに分けられる。時間がないと感じるのは、「自分時間」が足りていないときだ。
  • 要点
    3
    自分にとって優先度の低い時間を引いていくと、満足のいく時間を増やすことができる。
  • 要点
    4
    「理想の24時間の過ごし方」を書き出してみよう。すると、理想に近づくための気づきが生まれる。

要約

時間がない! 思考から抜け出す

常に焦っている「時間がない病」
VioletaStoimenova/gettyimages

著者は結婚・第1子出産を経て仕事に復帰した後、フルタイムワンオペ育児で、やるべきことに忙殺されるようになった。毎朝7時に家を出て、保育園に子どもを送り、通勤中にメール処理。ゆっくりお昼を取る暇もなく業務をこなし、18時にダッシュで退社。保育園へお迎えに行き、子どもにご飯を食べさせ風呂に入れ、家事を済ませたら、持ち帰り業務をする。あっという間に24時を回ってベッドに入った途端に就寝……。「自分の時間」などまったくなく、ただひたすら「やっつけ仕事」をしているような日々だった。

当時の著者は「やること、やらなければならないことが多すぎるために時間がない」と考えていた。しかし、「やること、やらなければならないこと」とはそもそも何なのだろうか。

著者の場合、シンプルに言えば「仕事、子どもの世話、家事」である。この中にはたくさんのタスクが含まれている。仕事であればメール処理、資料作成、部下のマネジメント。子どもの世話なら保育園の送り迎え、寝かしつけ。家事は料理、洗濯、掃除……。

当時の著者は「やっていることや使っている時間」を大雑把に捉え、漠然と「これもやらなきゃ、あれもやらなきゃ」と焦ってばかりいた。そして、もっとも大切な「やめる」という選択肢には考えも及ばなかった。

「時間の財布」を持つ

時間がない人は「1日のうち、自分が何にどのくらい時間を使っているのか」を正確に把握できていない。時間は目に見えないからだ。

お金を貯めたいと思ったら、まず「収支の把握」をするだろう。それと同じように、時間を作りたいなら、「時間の把握」をしよう。そのためには「時間の財布」という考えを持つことだ。

私たちの「時間の財布」には、毎日、24時間という時間が入っている。自分はこの24時間を何に使っているのか。これを把握できない限り、時間を作れるようにはならない。「時間の財布」から出ていった「時間の使い先」を確かめて、「時間の見える化」をする必要がある。

著者はこれまで、メールの返信を早くする方法や食材の冷凍保存など、さまざまな時短テクニックを試してきたが、継続して時間を作ることはできなかった。それは、メールの返信や夕食作りにかかる時間を把握できていなかったからだ。

「時間の財布」の残金と使途がわからなければ、節約術だけ取り入れてもうまくいかない。まずは全体を「見える化」した「時間の財布」を持ち、「時間の使い方」を仕分けしていくことから始めよう。

時間の「見える化」

時間は3つに分けられる
BrianAJackson/gettyimages

私たちの24時間は、次の3つで成り立っている。まずは自分が使っている時間を3つに分解し、明確に数字で把握しよう。

(1)生活時間(睡眠、食事、入浴、排泄など、生きていく上で不可欠な時間)

(2)ルーチン時間(仕事、家事、送迎など、社会的に拘束される時間)

(3)自分時間(自由選択時間、余暇)

普段の生活で「時間がない!」と感じるのは、「自分時間」が少ないときではないだろうか。そのため、「毎日忙しく時間を使い切っているのに、満足感がない」となる。まずは3つの時間を見える化してみよう。

「時間の見える化」をする3つの方法

ここでは、「時間の見える化」をするテクニックを3つ紹介する。

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要約公開日 2021.02.11
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