オンラインでも好かれる人・信頼される人の話し方

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オンラインでも好かれる人・信頼される人の話し方
出版社
クロスメディア・パブリッシング

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出版日
2020年10月11日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

新型コロナウイルスの影響により、オンラインコミュニケーションの機会が急増した。微妙なタイムラグや音声の乱れ、相手の表情の読み取りにくさに、「なんだかやりにくい」「対面のようにうまくいかない」と悩んでいる人は多いのではないだろうか。本書はそんな悩みを解決してくれる。

オンラインコミュニケーションの研究が急速に進められ、さまざまな関連書籍が登場しているが、その中でも本書の特徴は「コミュニケーションの在り方そのもの」に注目している点にある。オンラインとオフラインは切り離して考えるべきものではなく、どちらも根本は同じ。コミュニケーションの目的を再確認し、状況に合わせた最適な手段を選択することが重要であるという立場だ。

著者の言葉を借りれば、コミュニケーションとは、「ココロ」を「カタチ」にすることである。そして、オンラインとオフラインでは、「ココロ」を「カタチ」にする方法が微妙に異なるのだという。それを踏まえて本書では、具体的なコミュニケーションのポイントが紹介されている。

著者が一貫して主張しているのは、視覚と聴覚のみに頼るオンラインコミュニケーションでは、オフラインの場合よりも表現力が重要になるということだ。自分の気持ちを言語化すること、「相手の話に関心がある」というサインを明確に示すこと、表情で伝えることなど、日本人が苦手とされてきた力が重要になるという。リモートワークの急速な普及をチャンスと捉え、日本人が苦手としてきた「コミュニケーション力」を磨いてみてはどうだろうか。

ライター画像
池田明季哉

著者

桑野麻衣(くわの まい)
1984年埼玉県生まれ。学習院大学卒業後、全日本空輸株式会社に入社。7年間で100万人を超えるお客様サービスに携わる。最重要顧客DIAMOND会員専用カウンターのサービス責任者、教育訓練インストラクターを務める。また、ANA在籍中にオリエンタルランドに出向し、ディズニーのサービスや教育を学ぶ。2013年にジャパネットたかたに転職。SNS広報担当、研修担当に従事。その後、再春館製薬所グループ企業にて接遇マナー講師として入社し、教育研修を年間200本企画、登壇後に研修講師として独立。現在は学生から経営者、新入社員からリーダー職まで幅広い層に向けたコミュニケーションやリーダーシップ等の企業研修・セミナー・講演など幅広く活動。異なる業界での大手・中堅・中小ベンチャー企業における教育担当の経験から、さまざまな参加者の心に火をつけることを得意とし、年間200本の企業研修・セミナー・講演を国内・海外にて行う。著書に『好かれる人の話し方、信頼される言葉づかい』『部下を元気にする、上司の話し方』(クロスメディア・パブリッシング)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    日本人が得意とする「察する」「空気を読む」コミュニケーションは、オンラインでは困難だ。「察してほしい」という気持ちを捨て、「表現する」力を磨こう。
  • 要点
    2
    ビジネスパーソンに必要なのは「好かれる」と「信頼される」を両立したコミュニケーションである。
  • 要点
    3
    初対面の相手に対して自己開示する際は、「相手が共感しやすいプチ自虐」と「相手が素直に褒めやすいプチ自慢」を用意しておくとよい。

要約

コミュニケーションの基本

「ココロ」を「カタチ」にする
takasuu/gettyimages

コミュニケーションは、「ココロ」を「カタチ」にすることだ。だからコミュニケーション力とは、ココロをカタチにする力であり、表現力とも言い換えられる。この力は誰でも、いつからでも磨くことができる。

対面でのコミュニケーションなら五感を使って表現できる。一方、オンラインの場合は、基本的に視覚と聴覚の2つしか使えないため、伝わりにくくなってしまう。日本人が得意とする「察する」「空気を読む」コミュニケーションは、オンラインでは困難だ。したがって、まずは「察してほしい」という気持ちを捨て、「表現する」力を磨こう。

すでにリアルでの信頼関係ができあがっている場合は、オンラインコミュニケーションでもさほど支障はない。しかし、初対面の相手との打ち合わせや金銭的なやりとりが発生する場合は、対面より早い段階で相手の印象が決まったり、相手を評価したりすることが多いものだ。だからオンラインでは、対面でのコミュニケーション以上に、コミュニケーション力や印象力が必要となる。

とはいえ、オンラインか対面かは手段の違いにすぎない。オンラインコミュニケーションのコツを小手先のテクニックとして身につけるのではなく、コミュニケーションの基本を理解し学んだ上で、リアルのときに加えてオンラインでより気をつけるポイントを学んでほしい。

「好かれる」と「信頼される」の両立を目指す

ビジネスパーソンにはコミュニケーション力が必要だとよく言われる。仕事においては、個人の能力そのものよりも、他者との関わりの中で経験を積み、成長していくことが重要だからだ。若いうちから周囲に応援され、頼られる人物になることが、成功への近道となる。

その中でも、結果を出し続けるビジネスパーソンになるために必要なのは、「好かれる」と「信頼される」を両立したコミュニケーション力である。「好かれる」に関して言えば、若手社会人の場合、組織に貢献したいと思っても、実際には即戦力として活躍することよりも先に「チームの一員」「仲間」として受け入れてもらうことが重要だ。まずは人として「好かれる」ことを意識し、チームの一員として受け入れてもらおう。

次に、「信頼される」だ。ビジネスパーソンとして給料をもらって仕事をする以上、信頼感は不可欠である。いくら愛されても、社会に出るとそれだけではいけない。常に「信頼される」コミュニケーションを意識しよう。

【必読ポイント!】オンラインで好かれる・信頼される話し方

ファシリテーションのコツ
metamorworks/gettyimages

オンライン会議では、オフライン以上にファシリテーター(進行役)の必要性が高まる。

ファシリテーションには大きく2つのステップがある。1つ目は「一体感のある場作り(発散)」だ。このステップは、「冒頭で『一体感』を作る」「その集まりのゴールを明確にする」「メンバー一人ひとりに目を配り、意見を引き出す」の3つに分けられる。

一体感を作るためには、全員が「参加者」であることを意識させる工夫をしよう。タイムキーパーなどの役割分担をしたり、

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要約公開日 2021.03.19
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