バビロン大富豪の教え

「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則
未読
バビロン大富豪の教え
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「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則
未読
バビロン大富豪の教え
出版社
出版日
2021年01月19日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

普遍の真理が書かれた一冊だ。

本書は100年近くも読み継がれており、資産形成の心構えを書いたものとしては古典にあたる。説かれている内容は、以下のように要約できる。

「得た稼ぎの十分の一を何が何でも貯金し続ける。お金が貯まったら適切なアドバイザーの助言も借りて堅実な投資を実践していく。するとお金がお金を生む状態となり定期収入が入ってきて金銭的な成功に近づく」――きわめてシンプルではないか?

じつは要約者も、かねてより本書を繰り返し読んできた愛読者である。本書をはじめて読んだのは、大学を卒業して間もない頃であった。当時、感銘を受けたのが「種銭を貯める事の大切さ」である。種銭を一定額まで貯めて投資(金融資産や事業)に回すことで、労働以外のお金が入ってくる流れをつくる。その大切さに気づいてからは、とにかく種銭を貯めるべく仕事に励んだ。種銭が貯まったあとは、金融資産や事業に投資した。そしていま、資産状況は着実に好転しはじめている。

本書で言われている「稼ぎの十分の一を貯めよ」「お金を働かせよ」「お金の扱いに秀でた者の助言をもらえ」といった教訓はシンプルであるがゆえ、スッと頭に入ってきやすい。当たり前のように感じるかもしれないが、これこそ身を救ってくれる教訓である。

資産形成に興味のある人に強くおすすめしたい。

著者

ジョージ・S・クレイソン
1874年、米国ミズーリ州ルイジアナ生まれ。ネブラスカ大学卒業後、米西戦争中に、米国陸軍で軍務に就く。その後、コロラド州デンバーにおいてクレイソン・マップ・カンパニーを設立。1926年に節約と経済的成功をテーマにした短編寓話シリーズを発行し、人気を博す。のちにこのシリーズが『The Richest Man In Babylon(バビロン一の大金持ち)』として単行本化され、90年以上たった今も世界中で翻訳されて、いまなお読者を増やしつづけている。

本書の要点

  • 要点
    1
    稼ぎの十分の一を貯蓄したとしても、暮らし向きは少しも悪くはならない。それどころか以前よりお金が流れ込んでくるようになる。
  • 要点
    2
    貯えたお金を働かせることで、絶え間なく定期収入が入ってくる富の流れを生み出すべきだ。
  • 要点
    3
    「なんとなく金持ちになりたい」と願う人は、目的意識を欠いている。一方で「金貨を五枚得たい」と願う人は、その明確な願望を達成すべく努力する。
  • 要点
    4
    黄金の扱いに秀でた者の助言に熱心に耳を傾ける持ち主から、黄金が離れることはない。

要約

なぜ貧乏人と金持ちがいるのか?

いくら働いても奴隷のような暮らしが続く

古代都市バビロンに住む二輪馬車職人バンジールと竪琴の名手コビは、いくら働いても裕福になれない身を嘆き合っていた。

バンジールは、誰にも負けない二輪馬車を作るために働き続けてきた。いつかはお金持ちになれるはずと考えていたものの、一向にその時はやってこない。コビが竪琴で稼いだお金は羽が生えたように消えてゆく。どんなに働いても、奴隷のような暮らしだ。

「一体お金持ちはどうやってお金を得ているのか? そのすべを知る方法はないか」と思案したふたりは、バビロンで一番の金持ちになった共通の友人アルカドのもとへ、金持ちになるための方法を教わりにいく。

収入の十分の一を貯金せよ
halfbottle/gettyimages

アルカドを訪れたバンジールとコビは、「同じ師のもとで学び、同じ遊びに興じた。学問でも秀でていたわけでもないし、とりたててりっぱな市民だったわけでもない。働きぶりを見ても勤勉でも献身的だったようにも思えない。どうやってバビロン一の大金持ちになったのか?」とアルカドに質問を投げかけた。

アルカドは若かりし頃、金貸しのアルガミシュに出会い、お金持ちになる方法を学んだと打ち明けた。アルガミシュが最初にアルカドに教えたのが「稼ぎの十分の一以上を貯蓄すること」だった。

アルカドは、「必要ならほかの出費を抑えてでも蓄えなさい」と強調する。自分のものと言えるだけの財産ができると豊かな気持ちになり、励みも増す。もっと稼ごうという意欲が湧いてくる。

その後は財産を失うことのないように、細心の注意を払って投資する。財産が産んだ「子どもたち」を、自分のために働かせる。そうすることでアルカドはお金持ちになれたのだ。

【必読ポイント!】 大富豪だけが知っている「黄金に愛される七つ道具」

稼ぎの十分の一を貯め、その貯めたお金を働かせよ
Tinnakorn Jorruang/gettyimages

バビロンの王はバビロンをより栄えさせるため、お金持ちを増やそうと思い至る。そこでバビロン一のお金持ちであるアルカドを召集し、富を手にする秘訣を人々に伝えるよう命令する。

アルカドは生徒百名を集め、お金持ちになるための七つの道具を教えた。

第一の道具は「収入の十分の一を貯金せよ」というものだ。素朴だからと言って侮ってはならない。十枚のうち使うのは九枚までとする。すると財布が太り始める。しかも稼ぎの十分の一を貯蓄したとしても、暮らし向きは少しも悪くはならない。それどころか以前よりお金が流れ込んでくるようになる。

第二の道具は「欲望に優先順位をつけよ」というものだ。必要な出費を消費欲と混同してはならない。人はみな自分で満たせる以上の欲望を持っているものだ。お金をどれだけ稼ごうとも、消費欲を満たすために使われかねない。慣れ親しんだ生活習慣を徹底的に見直す必要がある。今まで当然と見なされてきた出費の中にも、削れるものがあるだろう。そして必要な出費の予算を組む。予算が気まぐれな欲望を抑えてくれる。常に予算内で暮らすことで、痩せた財布を太らせることができる。

第三の道具は

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要約公開日 2021.03.21
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