習慣超大全

スタンフォード行動デザイン研究所の自分を変える方法
未読
習慣超大全
習慣超大全
スタンフォード行動デザイン研究所の自分を変える方法
未読
習慣超大全
出版社
ダイヤモンド社

出版社ページへ

定価
2,310円(税込)
出版日
2021年05月25日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.5
要約全文を読むには会員登録ログインが必要です
ログイン
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

「やるならちゃんとやりなさい」「継続できないのは、意志が弱いからだよ」……要約者はこんな言葉をかけられたことがある。何かを新たに始めようと決意しても翌日にはそれを忘れてしまう、三日坊主にもならないほど意志の弱い人間なのだ。

しかし著者は冒頭で、行動が継続できない人に対して「あなたは悪くない」と言う。モチベーションはあてにならない、徹底的にやるべきだなんて単なる思い込みであるとも言っている。この時点で心をグッとつかまれた。「そうなんだ! そう言ってくれてありがとう!」と。

著者は、長年行動デザインを研究し、「タイニー・ハビット(小さな習慣)」というメソッドを考案した人物だ。自身もそれを実践しており、「トイレに行った後に2回腕立て伏せをする」など、すぐにできる簡単な習慣を積み重ねている。確かに、2回だけなら気軽にできそうである。そう思えることが、要約者にとっては大きな前進だ。

本書によると、継続はスキルであり、練習によって身につくものだそうだ。継続をうながす方法も非常に前向きで、「自分を褒めてあげること」。小さなことでもちゃんとできたら、自分を褒める。すると、小さな習慣がいくつも集まって大きな習慣へと育っていき、自分に自信を持てるようになるのだという。

よい習慣はよい生活をつくり、よい生活は自信に満ちた人間をつくる。小さなことでも、そこには大きな可能性がある。「変わりたいけど、辛い思いをするのは……」と尻込みしている人は、ぜひ本書を手に取ってほしい。

著者

BJ・フォッグ(BJ Fogg, PhD)
スタンフォード大学行動デザイン研究所創設者兼所長。行動科学者。大学で教鞭をとるかたわら、シリコンバレーのイノベーターに「人間行動の仕組み」を説き、その内容はプロダクト開発に生かされている。タイニー・ハビット・アカデミー主宰。コンピュータが人間行動に与える影響についての実験研究でマッコービー賞受賞。フォーチュン誌「知るべき新たな指導者(グル)10人」選出。スタンフォード大学での講座では、行動科学の実践により10週間で2400万人以上がユーザーとなるアプリを開発、リーンスタートアップの先駆けとして大きな話題になった。教え子からインスタグラム共同創設者など多数の起業家を輩出、シリコンバレーに大きな影響を与えている。本書はニューヨークタイムズ・ベストセラーとなり、世界20カ国で刊行が進んでいる。

本書の要点

  • 要点
    1
    自分を変えるもっとも手っ取り早い方法は、タイニー・ハビットだ。タイニー・ハビットとは、習慣化したい行動を小さく分解し、日課に組み込むことで、継続できるようにするメソッドである。
  • 要点
    2
    「モチベーション」「能力」「きっかけ」の3つの要素がそろったときに行動が起きる。習慣をデザインしたいなら、この3つに目を向けるべきだ。
  • 要点
    3
    新しく始めたい習慣があるなら、既にある日課を「アンカー」として、そのあとに行うようにする。

要約

行動を変える「タイニー・ハビット」

「やり方」がすべてを決める

食生活を変えたい、ダイエットを成功させたい、もっと運動したい……著者はそんな「変化を起こしたい」という願望と、20年にわたって向き合ってきた。誰しも、変化を起こしたいのにサボってしまうことがあるものだが、それはあなたのせいではない。問題はアプローチにある。

変化を起こすために必要なのは、次の3つだ。

(1)自分自身を裁くのをやめる。

(2)目標を決め、「小さい行動」に分解する。

(3)過ちを発見として受け入れ、前進するために役立てる。

変化を起こしたいとき、忍耐力や数値目標、自分へのごほうび、期限などは不要だ。「習慣」の本質を知り、正しくアプローチしよう。

人間の行動を変えるシンプルな方法
kazuma seki/gettyimages

著者は本書で、行動を起こすためのメソッドとして「タイニー・ハビット(小さな習慣)」を提唱する。たとえば彼は、健康的な生活を送るために「トイレから出るたびに腕立て伏せを2回する」というタイニー・ハビットを試してみた。ばかげているように見えるかもしれないが、この習慣は絶大な効果を発揮した。逆に「毎日、昼食にオレンジを食べる」のように、合理的だと思えたのにうまくいかないものもあった。

そうした試行錯誤を繰り返すうちに、体重は大きく減り、かつてないほど生産的に仕事ができるようになった。新たな習慣のほとんどは小さなものだが、一つひとつが合わさり、大きな変化につながったのだ。

タイニー・ハビットこそ、自分を変えるのにもっとも手っ取り早く、簡単な方法である――その確信のもと、著者はこのメソッドを提唱するようになった。

時間がなくても、今すぐできる

タイニー・ハビットのポイントは、「あなたが望む行動を一つ選び、それを『小さい行動』に分解し、生活の中で自然に組み込める場所に植え、成長させる」だ。

たとえば「1日30分の運動」を新たに習慣化させようとすると、忙しさのあまりうまくいかず、そのプレッシャーで焦燥感を覚えるかもしれない。一方、30秒もかからずにできる「小さい行動」に絞れば、すぐに生活に取り入れられ、失敗したときのリスクを心配する必要もない。そして小さい習慣は、やがて大きい習慣へと成長していく。

タイニー・ハビットは、「アンカーの瞬間」「小さい行動」「祝福」の3つから成る。「アンカーの瞬間」とは、すでに習慣となっている日課を「アンカー(錨)」として、「小さい行動」をすることを思い出す瞬間だ。「トイレから出るたびに腕立て伏せを2回する」においては、トイレから出ることがアンカーとなる。続いて「小さい行動」は、「腕立て伏せを2回だけ行う」のように、身につけたいと思う新しい習慣を簡単にした行動のことで、「アンカー」の直後に実践する。最後の「祝福」は、ポジティブな感情を生み出す行動だ。「よくできた!」と言うなどして、「小さい行動」を取った直後に自分を褒める。

行動を分析する

行動が起きる3つの要素

著者のイベントに参加したケイティは、毎日退社する前にデスクをきれいに片づけるという、生産性向上につながるいい習慣があった。一方、朝起きてすぐスマホをいじる習慣があり、これをやめて運動の時間に充てたいと思っていたが、なかなかうまくいっていなかった。

もっと見る
この続きを見るには...
残り2542/3883文字
会員登録(7日間無料)

3,400冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2021.07.20
Copyright © 2024 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
ストレスの9割はコントロールできる
ストレスの9割はコントロールできる
鎌田敏
未読
それ、勝手な決めつけかもよ?
それ、勝手な決めつけかもよ?
阿部広太郎
未読
地頭が劇的に良くなるスタンフォード式超ノート術
地頭が劇的に良くなるスタンフォード式超ノート術
柏野尊徳
未読
「向いてる仕事」を見つけよう
「向いてる仕事」を見つけよう
児島修(訳)トム・ラス
未読
大丈夫!すべて思い通り。
大丈夫!すべて思い通り。
Honami
未読
Day1<デイ・ワン>
Day1<デイ・ワン>
ジャスパー・チャン
未読
タイムマネジメント大全
タイムマネジメント大全
池田貴将
未読
そもそも「論理的に考える」ってどうすればできるの?
そもそも「論理的に考える」ってどうすればできるの?
深沢真太郎
未読
法人導入をお考えのお客様