「向いてる仕事」を見つけよう

「人の役に立つ12の資質」から自分の強みがわかる
未読
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「向いてる仕事」を見つけよう
出版社
ダイヤモンド社

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出版日
2021年05月11日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

自分のことは誰よりも自分自身が一番よくわかっていると思いたいものだが、客観的に自分を把握するのは難しい。特に、自分に向いている仕事や働き方を知ることは困難である。やりたいことや望む働き方があったとしても、それが本当に自分に向いているかはわからない。多くの人は、できることなら自分に向いている仕事を選びたいと願っているのではないだろうか。

本書が提示するのは、これまでとは一味違った仕事に対する考え方だ。一般的に、仕事について語ろうとすると、業種や職種、肩書について言及することになるだろう。しかし、本書が注目するのは、その人が周囲の人や世間に対してどのような貢献をしているかだ。どんな仕事でも、何らかの貢献を生み出している。自分が生み出す貢献について知ることで、人は仕事を通して幸福度を高めることができる。自分ができる貢献について知るためには、克服すべき弱点を認識するよりも、自分の強みを理解するほうが効果的だ。

本書を購入すると、専用ウェブサイトにアクセスして自己診断テストを受けることができる。自分の強みを診断した後で本書を通読すれば、自分の仕事でできる貢献を具体的にイメージすることができるようになるだろう。

ライター画像
大賀祐樹

著者

トム・ラス(Tom Rath)
ベストセラー作家。著書は『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』(日本経済新聞出版)、『ストレングスリーダーシップ さあ、リーダーの才能に目覚めよう』(バリー・コンチーとの共著、日本経済新聞出版)など10冊におよび、合計1000万部以上を売り上げる。
ミシガン大学とペンシルベニア大学で学位を取得。ギャラップ社に13年間勤務し、強み、従業員エンゲージメント、ウェルビーイング、リーダーシップに関するコンサルティングを世界各地で展開。その後、ギャラップ社のシニアサイエンティストを務める。バージニア州アーリントン在住。

本書の要点

  • 要点
    1
    仕事とは、自分がしていることから定義されるのではなく、どのように誰かの役に立っているかから定義されるのだという発想に転換しなければならない。
  • 要点
    2
    自分がもたらす貢献について知るためには、自分の強みを知ることが効果的だ。周囲への貢献を知ることで、仕事を通して幸福度を高めることができる。
  • 要点
    3
    仕事を通して人生を充実させられるような変化をもたらしたいときには、転職を考えるよりも先に、どうすれば今の仕事でもっと人の役に立てるかという視点を持つようにしてみよう。

要約

【必読ポイント!】 弱みを克服するよりも、強みを活かす

自分の強みを活かして世の中に貢献する

人生が永遠に続くかのように日々を過ごすのは、最善の生き方ではない。人は、死を意識しながら日々を過ごすことで、時間の価値を高めることができる。著者は、16歳のときに、医師から重度の疾患を招く稀な遺伝変異があると告げられ、その後の25年間を、複数のがん、腫瘍との戦いに費やしてきた。若くして、いつ命を失うかわからないという特殊な状況に置かれたことで、限りある時間を最大限に活かさなければならないという、切実な感覚を持って生きてきたのだ。

人生の大半を捧げる仕事について、本書は新しいとらえ方を提案する。「仕事とは何か」について考えるとき、「あなたは、あなたがしていることで定義される」のではなく、「あなたは、どのように誰かの役に立っているかで定義される」のだと、根本的に発想を変えるのだ。それは、「自分の能力をどのように活かせば、生涯にわたって世の中に価値のある貢献ができるか」を考えることにつながる。

仕事をすることで、人は日々世の中に小さな貢献をしている。しかし、それを実感するのは難しい。だから、小さな貢献を長期的な視点でとらえ、表現するための新しい言葉が必要なのだ。自分の弱みを克服するよりも、自分の強みを最大限に活かすことに目を向けよう。そして、それで世の中に貢献できてこそ、大きな価値が生まれる。

仕事によって幸福度を高める
whyframestudio/gettyimages

「人は、なりたい誰かになることはできないが、もっと自分らしくあることはできる」

この言葉は、著者が書いた言葉の中で、最もよく引用される一節だが、現在の著者の考えを十分に表すことができていない。私たちが持って生まれた才能が最大の価値を生み出すのは、自分のためだけでなく、世の中のために具体的な貢献ができたときだ。人は永遠に生き続けられないが、人が為した貢献は生き続ける。

さまざまな研究結果は、「日々の努力が他者の生活をどれだけよいものにしているのかを実感すること」が達成感と幸福感を得るために最も重要であると示している。人間は本来、他者を志向する生き物だ。ある研究者は、有意義な人生の特徴とは「他者と深くつながり、自分を超える大きな何かに貢献していること」だと定義している。それを実感することで、仕事の成果は上がり、健康と幸福度も高まるだろう。

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要約公開日 2021.07.26
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