医者が教えるダイエット 最強の教科書

20万人を診てわかった医学的に正しいやせ方
未読
医者が教えるダイエット 最強の教科書
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医者が教えるダイエット 最強の教科書
出版社
ダイヤモンド社

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出版日
2021年06月15日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

ダイエットをしている人、ダイエットの経験がある人は世の中に相当いるだろう。かくいう要約者もその一人で、何度かダイエットに挑戦した。つまり失敗を繰り返しているということだ。ある程度体重を落とすことはできるのだが、結局はリバウンドを繰り返している。なぜ失敗してしまうのか、本書はその理由を明確に教えてくれた。

ダイエットといえば最初にカロリー制限が思い浮かぶが、本書によるとカロリー制限は科学的根拠のないダイエット方法だ。それよりも、糖質を1日にどれだけ摂っているかを知る。それがダイエット成功の第一歩になるという。

「朝はジャムを塗った食パン1枚とコーンスープ、昼はとろろそばとカボチャの煮物、夕方は間食を我慢してペットボトルのカフェラテを飲み、夜は自宅で野菜カレーとマカロニサラダ、お酒は飲まない」。この食生活で、ダイエットに成功するか。なんと、この食事には約300gもの糖質が含まれる。つまり、太る人の食事なのだ。

医学的には、運動もダイエットにはあまり効果が無いと著者はいう。糖質制限こそが最も効果のあるダイエット法であり、しっかりとした量を食べて、お酒を飲んでも痩せられる。

著者は20万人もの患者を診た経験から、この方法にいきついた。何度もダイエットに失敗している方、これからダイエットに取り組もうという方はもとより、これまで以上に健康に生活したいという人にも必読の一冊だ。

著者

牧田善二(まきた ぜんじ)
AGE牧田クリニック院長。糖尿病専門医。医学博士。
1979年、北海道大学医学部卒業。ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されているAGEの研究を約5年間行う。この間、血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、『The New England Journal of Medicine』『Science』『THE LANCET』等のトップジャーナルにAGEに関する論文を第一著者として発表。1996年より北海道大学医学部講師。2000年より久留米大学医学部教授。2003年より、糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業し、延べ20万人以上の患者を診ている。
著書に『医者が教える食事術 最強の教科書』『医者が教える食事術2 実践バイブル』『糖質オフのやせる作りおき』『糖質オフ!でやせるレシピ』『糖尿病専門医にまかせなさい』『糖尿病で死ぬ人、生きる人』『日本人の9割が誤解している糖質制限』『老けたくないなら「AGE」を減らしなさい』『人間ドックの9割は間違い』他、多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    ダイエットを成功させるには、「太る」ことの科学的メカニズムを理解する必要がある。空腹を我慢するだけのダイエットではリバウンドするだけだ。
  • 要点
    2
    肥満の原因は「糖質」。糖質の代表は主食であるごはんや麺類に含まれる炭水化物だ。1日の糖質摂取を60g以下にすれば誰でも痩せていくが、それを妨げる敵は脳だ。
  • 要点
    3
    1日の糖質摂取量を抑える。清涼飲料水は飲まない。良質のタンパク質をしっかり食べる。食べる順番に気を付ける。食後すぐに軽い運動をする。夜は糖質を摂らない。お酒を飲む。この7つがダイエットを成功に導く。

要約

【必読ポイント!】 ダイエットの本質を知る

最大の敵は「脳」

「太る」メカニズム。それを理解せずにダイエットに取り組んでも失敗するだけだ。ダイエット成功の一歩は科学的根拠を理解することから始まる。

まず、ダイエットとは空腹を我慢することではない。食べ物を摂取しなければ体重は落ちるが、継続できない。継続できなければリバウンドするだけだ。実は、ダイエットは少し間食するくらいの方が上手くいく。肉もOKだし、お酒も飲んでいい。これは科学的に当然の話なのだ。世の中の非科学的なサプリや情報に惑わされてはいけない。

それから、身体を太らせているのは「脳」であることを理解しなければならない。人に「炭水化物=糖質」を摂らせるのは脳なのだ。この脳を変えることは必要不可欠であり、そのための知識をもたない限り、ダイエットの成功はあり得ない。

原因はカロリーではなく「糖質」
Yusuke Ide/gettyimages

本書では「なぜ太るのか」「なぜ痩せるのは難しいのか」「なぜリバウンドしてしまうのか」「なにをすれば痩せられるのか」「どうしたらリバウンドを避けられるのか」という5つの疑問に正確に答えられることを目指す。ここでは、1番目と2番目について紹介しよう。

まず、肥満の原因物質は糖質だ。マヨネーズやバターを食べ過ぎるから太るのではなく、糖質に偏った食生活が肥満を作る。ダイエットの敵は高カロリーなものや油ものではないのだ。太っている人は糖質を1日に300g以上摂るが、脂質やタンパク質は60g程度である。その偏り方は圧倒的であることがわかるだろう。

ごはん、パン、麺、イモ類などの炭水化物は全て糖質だ。炭水化物は「多糖類」と呼ばれ、消化・吸収の過程でブドウ糖に分解される。要するに、ごはんを食べることは砂糖を食べることに等しい。分解されたブドウ糖は小腸から血液中に吸収され、血糖値が上がる。その抑制のためにインスリンというホルモンが分泌され、ブドウ糖をグリコーゲンに変化させて肝臓や筋肉に蓄える。しかしその貯蓄量は100~200g程度までであり、余ったブドウ糖は脂肪となって脂肪細胞に取り込まれる。これが科学的に正しい肥満メカニズムだ。

ちなみに、脂肪を食べても太らないのは、脂肪の吸収効率は悪く、そもそも過剰にならないからである。

糖質の中毒性

ダイエットに糖質制限が必要であるという知識は次第に広がっている。その上で、「ダイエットに失敗する原因は自分の意志の弱さであって、その気になれば糖質制限ができる」と考えている人が多い。この理解に留まる限りダイエットは成功しない。一時的に減量できてもリバウンドするだけだ。

糖質制限の難しさは「脳が糖質中毒に冒されている」という事実に気づいていないことにある。肥満症はいわば「糖質依存症」、つまり脳の病気なのだ。脳は人の行動を決定し、あらゆる指令を出す。いくら痩せたいと望んでも脳が糖質依存症であれば、糖質を摂るようにという強い指令が出てしまい、人はそれに従ってしまう。

糖質依存症は薬物やアルコールの中毒と同レベルで厄介なものであると理解しなくてはならない。

ダイエット成功のための7つのルール

1日60g

糖質制限効果を高めるためのルールは7つある。

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要約公開日 2021.08.23
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