腸がすべて

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腸がすべて
出版社
東洋経済新報社

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出版日
2020年12月10日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「腸活」。食生活や運動などによって腸内環境を整える活動を指すこの言葉は、健康に高い関心を持つ人たちのみならず、今や多くの人たちの間で浸透しつつあるのではないだろうか。本書はそんな腸活を「食品の消化スピード」という切り口で指南した点で画期的だ。

著者は、体の機能不全のほとんどが「腸の流れ」の停滞によって起こると考え、その流れを改善させる「アダムスキー式腸活法」を提唱する。アダムスキー式腸活法の軸となるのが、食品を消化スピードにより「ファスト」「ニュートラル」「スロー」の3つに分類し、理想的な腸の流れを意識して食品を組み合わせるという考え方だ。腸の持つさまざまな機能を細かく覚える必要はない。「タテの流れ」と「ヨコの流れ」という2つの重要な流れを把握し、食べ物が体内でどのように旅しているかをイメージするという、シンプルなメソッドだ。

「自分の食生活は健康的だから問題ない」と思っている人もあなどるなかれ。トマトソースパスタやタンドリーチキン、フルーツケーキなど、組み合わせNGの料理を頬張ってはいないだろうか。間違った食品の組み合わせによって、頭痛や不眠などといった、一見腸とは関係ないと思われそうな不調を引き起こしているかもしれない。少しでも健康的に過ごしたいと願う多くの人に、新たな視点をもたらしてくれる一冊だ。

著者

フランク・ラポルト=アダムスキー(Frank Laporte-Adamski)
世界的に著名な自然療法士。オステオパシスト。
イタリア在住フランス国籍。1988年にドイツのハイルプラクティカー(代替医療専門医)国家資格取得。2001年よりイギリス自然療法士協会会員。
1992年に発表された「アダムスキー式腸活法」は30年近く欧州で愛され続け、そのメソッドを紹介する著作は、イタリアのみならず、ドイツ、フランス、スペイン、ポルトガル、ベルギー、トルコなど世界中で話題に。世界のセレブを中心に実践者が続出し、SNSなどで注目を集め、本書の原著が発売された2017年にはGoogle.itの食事法(ダイエット)部門で「最も検索されたキーワード」ベスト3に選出された。
現在はローマとミラノに診療所をもち、企業へのコンサルタントや美容専門学校などでの指導を行っている。本書が、著者にとって待望の初の日本語の訳書になる。

本書の要点

  • 要点
    1
    腸には、「タテの流れ」と「ヨコの流れ」という、2つの重要な流れがある。この2つの流れが正しく働かなくなると、健康上の恐ろしいリスクが生じる。
  • 要点
    2
    体の不調はすべて「腸の乱れ」から起こっている。頭痛や不眠、腰痛といった症状も、腸に原因がある可能性がある。
  • 要点
    3
    著者の提唱する「アダムスキー式腸活法」を実践することで、腸が正しく機能し、体調改善が期待できる。
  • 要点
    4
    すべての食品は、消化スピードによって大きく3つに分類できる。消化スピードの異なる食品をいっしょに食べてはいけない。

要約

体のすべてをコントロールする「腸の2つの流れ」を知る

「タテの流れ」と「ヨコの流れ」
harunhalici/gettyimages

腸は「管」だ。そのため「消化管」と呼ばれている。消化管の主な仕事は、物質を「ある点」から「ある点」へ移動させることだ。そのため、住宅の排水管と同じで、詰まるとうまく機能しない。詰まりを解消し、腸の本来の働きを取り戻すために生み出されたのが、本書の眼目である「アダムスキー式腸活法」だ。

消化管は、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸といったさまざまな臓器にまたがり、それぞれが連動して、2つの大事な働きをしている。その2つの働きとは「タテの流れ」と「ヨコの流れ」だ。

「タテの流れ」とは、余分な物質や有毒な物質などを体外へ排出する流れだ。主に毒素や体に悪い脂肪などが上から下へと運搬され、便と一緒に出ていく。

一方「ヨコの流れ」は、ビタミンやミネラル、体にいい脂肪といった健康に必要な成分を、血液を介して体中の細胞に送る流れだ。食べ物の中に含まれる体にいい物質は、消化管にある小さなヒダを通って血液に到達し、体に吸収されていく。

実は「ヨコの流れ」には、反対方向の流れもある。つまり、消化管の外側から内側へという流れだ。この機能により、血液中に存在している毒素を消化管の内側に排出して「タテの流れ」に乗せ、便や尿とともに出している。

この2つの流れが正常に働かなくなると、健康上のリスクが生じる。腸の重要な働きを認識し、腸と身体の関係をはっきりと意識しながら、健康リスクとその対処法を見ていこう。

本当に恐ろしい「7大健康リスク」

すべての体調不良の元凶は「腸の乱れ」にある

「タテの流れ」と「ヨコの流れ」は完全に依存しあっていて、「タテ」が詰まると「ヨコ」にも影響が出る。具体的にはこうだ。食生活が乱れていると、消化管の「タテの流れ」が滞り、消化管の壁に有害な汚れがたまる。壁が汚れで覆われると、消化管の穴が塞がれてしまい、「ヨコの流れ」が停滞する。その結果、食べ物がうまく取り込めなくなるとともに、血中の毒素が消化管内部に到達できなくなり、体中に回ってしまう。これが腸によって体調不良が起こるメカニズムだ。腸の状態が悪いと、思いもよらぬ深刻な影響がもたらされることがある。

腸の乱れで起こる「体の不調」の代表例

本書では、「腸の乱れ」によって引き起こされる体の不調について、代表的な7つの例を紹介している。「頭痛」「不眠」「肌荒れ」「腰痛」「コレステロール」「泌尿器の汚れ」「食道裂孔ヘルニア」だ。

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要約公開日 2021.06.28
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