ニュー・チャイルドフッド

つながりあった世界で生きる知恵を育む教育
未読
日本語
ニュー・チャイルドフッド
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日本語
ニュー・チャイルドフッド
出版社
定価
2,860円(税込)
出版日
2021年07月30日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「ゲームとYouTubeに没頭する子にどう向き合う!?」という本書の帯のフレーズに興味を持った方の中には、子どものころにテレビやゲームといった画面型の情報媒体「スクリーンメディア」に熱中した経験がある方も多いのではないだろうか。子ども時代からの友達と思い出話をすると、スクリーンメディアでの「体験」が主要な話題になることがある。もはや私たちにとって、これらは孤独な娯楽や気晴らしではない。仲間とつながり、社会を学ぶための重要な手段になっている。

しかし子どもたちに、何の制約もなくスクリーンメディアを使わせることには弊害も多い。最大の問題は人間だ。これらのメディアの中で出会う人たちにどのように向き合うべきかに関し、子どもたちは知識も訓練も足りない。本書は、だからこそ、子どもたちがスクリーンメディアに興味を持ち始めたときに、親も一緒にこれらのメディアを楽しみつつ、子どもたちに必要なことを教えるべきだと説く。

子どもたちにとって、今やオンラインで学習指導を受けたり、アルゴリズムを用いて学習計画を立てたりすることは当たり前になりつつある。テクノロジー環境の激変によって、体験が変わり、学び方も変わる。

しかし古来の知識が無意味になるわけではない。教育は、それらを新しい情報管理システムで活用する訓練でもあるのだ。本書は豊富な事例とともにそう教えてくれる。

ライター画像
ヨコヤマノボル

著者

ジョーダン・シャピロ(Jordan Shapiro)
テンプル大学准教授(博士)。教育番組「セサミストリート」の制作団体「セサミワークショップ」シニアフェロー。デジタルな遊びを通した学びの専門家として、心理学、哲学、経済学を結びつけた斬新な提言が、親や教育者に支持されている。「フォーブス」誌に寄稿した「デジタル時代の子育て」に関する連載は、全世界で500万人以上の読者を獲得。子育てとスクリーンタイムについての課題に深く切り込んだ本書はアメリカ本国で話題となり、世界11カ国語で翻訳されている。著書にFather Figureがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    子どもにとって遊びは大切な仕事だ。デジタルな遊びもそうでない遊びも未来の文化と社会を形づくる、ある種のイノベーション醸成装置である。
  • 要点
    2
    子どもたちはSNSでつながりたがる。しかしSNSは公共空間であり、うまく振る舞うためには相応の訓練を要する。親は信頼できる人のもとで、子どもにその訓練をさせるべきだ。
  • 要点
    3
    子どもは自らを、性格と価値観、意見に基づいてデータに意味を持たせるコンテクストを生みだす「接続ノード」、すなわち人間の知恵の中継点と捉えるべきだ。

要約

自己

新しい物語の時間

人類が考え方を他社と共有するために語り伝える手段、起承転結のある物語という形態は、リンクでつながれたウェブの登場で一変した。

子どもたちにこの変化を理解させるには、デジタルかアナログかの二者択一から抜け出す必要がある。

まず、ビデオゲームの話をしよう。ゲームは決まった枠内の方法でしか問題が解けないため、思考パターンに悪影響を及ぼすと批判されがちだ。しかし実際のところ、新しい「リテラシー」を身に付けているのと同じである。ゲームをプレーすることで、ゲームを「読む」能力、システムを解読する能力を体得できる。

ロールプレイや物語が混じり合うゲームをプレーする子どもたちは、一定の思考パターン、行動様式、表現の種類、他者との関わり方、経験などを、周囲の人と共有する手段を定着させ、強化する。

遊びはイノベーション醸成装置
eclipse_images/gettyimages

子どもにとって、遊びは大切な仕事だ。デジタルな遊びもそうでない遊びも、未来の文化と社会を形づくる、ある種のイノベーション醸成装置である。

子どもたちは遊びを通じ、一緒に作業したり、経験をシェアしたりすることを学ぶ。対立を解決し、空気を読み、能力や自信を高める。また、自分の行動や感情的反応が社会に受け入れられるように管理する能力や、欲しいものや必要なものを手に入れるために最善の戦略を見つける能力も発達する。

遊びが市民としての社会参加の第一歩であるという考え方は、100年以上前の砂場遊びの研究から導かれた。当時の子供たちは砂場で井戸やトンネル、炭鉱や採石場を築き、創造性などを養っていた。加えて、倫理的・道徳的判断力を育み、未来の社会をつくる上できわめて重要な役割を持ち得ると、当時の教育学者たちは主張していた。

それは遊びを否定する宗教的価値観を覆し、新たな社会をつくることに一役買った。実際、子どもたちの砂場が増え始めたのは19世紀末、工業化が全盛となる20世紀の直前だ。

現在のデジタルな遊びはちょうど、当時の砂場と同じような位置付けにある。

新しい砂場

ゲームは不健全で背徳的なものなのか。そうではない。「学習」の特徴とされているものを当てはめれば、ゲームはそれらを全て備えている。健全な自己感の形成に不可欠な「自分探し」の機会を与えてくれる、新しい砂場になるということだ。

昔のように子どもが都会の歩道を自由にうろつけなくなった今の時代には、デジタルの世界が友達との交流の場になっている。「マインクラフト」という人気ゲームはまさに壮大な砂場だ。友達とつながり合い、デジタルの世界でごっこ遊びを楽しめる。

一方で、ゲームの世界に没入する子どもたちの姿を見ると、不安やいら立ちを覚える親もいるだろう。しかしゲームを否定したり、子どもたちを放置したりしてはならない。

どうすればいいのか? 簡単だ。大人も一緒にゲームで遊べばいい。

【必読ポイント!】 家庭

家族一緒のスクリーンタイム

「家族一緒の完璧な夕食」という習慣の重要性が叫ばれるようになったのは、そんなに昔の話ではない。三度の食事を規則的にとる習慣が広まったのは19世紀初頭だ。

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