エフォートレス思考

努力を最小化して成果を最大化する
未読
エフォートレス思考
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努力を最小化して成果を最大化する
未読
エフォートレス思考
出版社
かんき出版

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出版日
2021年12月06日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

誰よりも長く働いている人がえらい。睡眠時間も、自分や大切な人のための時間も、すべてなげうって仕事に打ち込むべきだ。楽をすることは悪であり、誰しも常に、できるかぎりの努力をするべきだ――。このような価値観は、いまだに日本社会に深く根づいている。

だが、すべてのタスクに全力を注いでいたら、時間がいくらあっても足りない。私たちはすでに毎日へとへとになるまで頑張っているのに、これ以上どう頑張れと言うのだろう?

この問いに答えをくれるのが、本書の掲げる「エフォートレス思考」だ。著者は、40万部を突破した前作『エッセンシャル思考』で、本当に大事なことだけに集中しようと説いた。だが、削れるものをすべてそぎ落としてもなお、タスクは日々山積みで、疲労困憊の日々だったという。その経験から「やり方を変えるしかない」という気づきを得たそうだ。

著者によると、エッセンシャル思考は「何を」やるかを教えてくれるもので、エフォートレス思考は「どのように」やるかを極める技術だ。エフォートレス思考は、「エフォートレスな精神」「エフォートレスな行動」「エフォートレスのしくみ化」の3ステップでかなえられる。要約では、それぞれのステップのエッセンスを紹介した。

本書は、少ない努力で最大の成果を出す方法を教えてくれる。あらゆる分野で効率化が進んでいるのに、私たちはなぜ、人の「頑張り」を効率化してはいけないような気持ちになるのだろうか。楽をすることにうしろめたさを感じる人にとって、本書は生き方を180度変えてくれる一冊となるだろう。

ライター画像
千葉佳奈美

著者

グレッグ・マキューン(Greg Mckeown)
McKeown Inc. のCEO。アドビ、アップル、グーグル、フェイスブック、ピクサー、セールスフォース・ドットコム、シマンテック、ツイッター、VMWare、ヤフーなど名だたる企業のコンサルティングをおこなう。著書『エッセンシャル思考』は全米ベストセラーとなり、ニューヨーク・タイムズ紙やファスト・カンパニー誌、フォーチュン誌などで取り上げられたほか、NPRやNBCなどの有名メディアでインタビューを受けた。ハーバード・ビジネス・レビューやリンクトインに人気ブログを寄稿し、ポッドキャスターとしても人気が高い。世界経済フォーラムの「ヤング・グローバル・リーダーズ」に選出された。

本書の要点

  • 要点
    1
    「楽をするのは悪いことだ」という思い込みを捨て、常に「どうやったらもっと楽になるか?」と考えよう。
  • 要点
    2
    あるポイントを超えると、努力の量は結果に結びつかなくなり、むしろパフォーマンスの低下を招く。
  • 要点
    3
    「直線的な成果」とは、ひとつのインプットがひとつのアウトプットを生むことだ。一方、一度努力するだけで何度も得られる成果を「累積的な成果」という。累積的な成果を生むしくみを作り、エフォートレスに成果が得られるようにしよう。

要約

【必読ポイント!】 エフォートレスな精神

頭のガラクタを片づけて、余裕のマインドを手に入れる

あなたの脳は、最適な環境のもとでは超高速に動く。その一方で、頭の中に不要な考えやダメな思考パターンが詰まっていると、最高のパフォーマンスが出せなくなってしまう。

コンピューターが重くなったら、不要なファイルや履歴を削除するだろう。同様に、脳のパフォーマンスが落ちているなら、頭の中に溜まった不要な情報を取り除き、エフォートレスな精神を取り戻す必要がある。

エフォートレスな精神は、心身の負荷がなく、頭がすっきりした状態だ。余計な考えにとらわれることなく今この瞬間に集中でき、やるべきことを余裕でこなせるようになる。

頑張れば成果が出るとはかぎらない
Petar Chernaev/gettyimages

重要な仕事は困難で、簡単な仕事は取るに足らないものだ――これは思い込みである。ほとんどの人が、苦労の価値を疑おうとしたことさえないかもしれない。しかし、何かが困難だと感じるのは、単にもっと簡単なやり方を見つけられていないからではないか?

人間の脳は本来、楽なほうを選ぶようにできている。わざわざ遠くのスーパーへ行くのではなく、目の前のコンビニで割高な商品を買う。食器をすぐに洗うのが面倒で、シンクに山積みにしてしまう――。こうした行動は、ヒトという種の保存を可能にしてきた。「どうすればもっと困難に食べ物を手に入れられるか?」と考えていたら、飢えで死んでしまうだろう。

だからもう、本能にあらがうのはやめよう。 「困難な仕事をなんとしてでもやり遂げてみせるぞ」と意気込むのではなく、「どうやったらこの仕事がもっと楽になるか?」と考えてみるのだ。そうすれば、面倒な問題が驚くほどシンプルに片づくはずだ。

逆境に打ち勝って偉大な成果を上げた人々の物語は、私たちを感動させる。その一方で、簡単に成功した人々もいることを忘れてはならない。まずは「楽をするのは悪いことだ」という思い込みを捨てることから始めよう。

「我慢」を「楽しい」に変える

誰しも、やらなくてはならないのに、やる気が出なくて先延ばしにしてしまうことがあるだろう。その一方で、やる必要はないのに、楽しくてついやってしまうことがあるはずだ。ならば、嫌なことを楽しいことに結びつけて、エフォートレスに実行できるようにしよう。

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要約公開日 2022.01.26
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