科学的に自分を思い通りに動かす

セルフコントロール大全

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出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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出版日
2022年01月30日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

コロナ禍でリモートワークの機会が増える中、仕事とプライベートの切り換えに悩んでいる人も多いだろう。本書はそんな人にぴったりの一冊だ。

本書では、生活における「ずるずる・だらだら」を解消するセルフコントロール法が「仕事」「生活」「体」「心」の4つのパートに分けて紹介されている。いずれも、「脳科学」「心理学」「医学」の最先端の研究から導き出された方法だ。

冒頭に掲載されている、ずるずる・だらだら度合いのチェックシートにも注目してほしい。項目は「仕事中なのに10分おきにネットサーフィン」「お風呂に入る気力が湧かない」「何をやるのも面倒くさい」といったものだ。要約者は8割ほどチェックがついてしまった。本書が、読者のリアルな悩みに寄り添って書かれていることがよくわかる。

本書によると、人間の脳は複雑である一方、飽きっぽくてすぐに休憩を欲したり、「思い込み」によって意外と簡単に騙されたりする一面もあるそうだ。それを知ると、おかしな話だが、自分の「脳」を愛おしく感じる。あなたも、工夫しだいで脳をうまく働かせることができるとわかれば、セルフコントロール法を試してみたくてたまらなくなるはずだ。

本書で紹介されている「ずるずる・だらだら」は、多くの人が悩んでいそうなものばかりだ。きっと誰もが、自分が陥ってしまっている「ずるずる・だらだら」を見つけられるだろう。ぜひ自分の「ずるずる・だらだら」に合う項目を読んで「そんな簡単なことで改善できるんだ!」と驚いてほしい。

著者

堀田秀吾(ほった しゅうご)
1968年熊本県生まれ。明治大学教授。言語学博士。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学オズグッドホール・ロースクール修士課程修了・博士課程単位取得退学。
専門は司法におけるコミュニケーション分析で、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな分野を融合した研究を展開。コメンテーターとしてメディア出演も多く、活動は多岐にわたる。著書に『科学的に元気になる方法集めました』(文響社)、『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』(サンクチュアリ出版)、『図解ストレス解消大全 科学的に不安・イライラを消すテクニック100個集めました』(SBクリエイティブ)など。

木島豪(きじま ごう)
東京医科大学卒業後、東京医科大学病院循環器内科へ入局。循環器専門医と内科認定医を取得後、平成20年に医療法人社団EPIC DAY東京メディカルクリニック平和台駅前院の院長に就任。老化防止と体質改善を行う治療法に着目し、内科、皮膚科などの一般診療を主に行いつつ、予防医療を目的としたアンチエイジング内科を併設。

本書の要点

  • 要点
    1
    モチベーションを上げるには、小さな成功体験が有効だ。「資料を完成させる」など、自分で細かく目標を設定し、成功の機会を増やすとよい。
  • 要点
    2
    片付けを先延ばしにしてしまうタイプは、片付けを「楽しい!」と思い込んでみよう。片付けに集中できないタイプや物を捨てられないタイプには、「この棚に入らなくなったら必ず何かを捨てる」などといったルールを決めておく「イフ・ゼン・プランニング」が有効だ。
  • 要点
    3
    朝起きるのがつらいなら、「計画的二度寝」で一日を快適に過ごそう。
  • 要点
    4
    優柔不断な人は、決断のルールを決めておくとよい。

要約

【必読ポイント!】 仕事のずるずる

仕事をしなきゃいけないのに、なかなか机に向かえない

コロナ禍のテレワークで、仕事が思うようにはかどらないと悩んでいる人は多いだろう。ここでは仕事を効率的に進めるためのセルフコントロール法を紹介しよう。

近年の科学では、人間は「体が先、脳が後」が常識だ。要するに「脳からの指令を受けて体が動く」のではなく「体が動いたあとに脳が反応する」のである。だから、やる気を出すにはとにかく「やる」しかない。やる気を出そうとするのは、はっきり言って無意味な努力だ。

人間の意思決定には環境が影響する。仕事をせざるを得ない環境、したくなるような空間をつくり出す工夫をしよう。ついゲームをしてしまうなら、ゲーム機やスマホを家族に預ける。机に向かうのが嫌なら、有料の自習室を借りたり、仕事に必要なものだけをもってお気に入りのカフェに行ったりするといいだろう。

仕事のモチベーションを維持できない
fizkes/gettyimages

モチベーションを上げるには、小さな成功体験が有効だ。成功体験がないと、広大な砂漠のなかを1人で歩き続けているような感覚に陥ってしまう。

全体が見えてこない大きな仕事の場合は、「目標を細かく刻む」ことを意識するとよい。自分で細かく目標を設定する「スモールステップ」で仕事を進め、成功体験を積み重ねる。

脳の「報酬系」は、目標の難易度にかかわらず、自分で「やる」と決めた目標を達成すると刺激されるものだ。プロジェクトの成功などといった大きな目標ばかりだと、成功の機会が減ってしまう。それよりも「資料を完成させる」など、毎日の小さなタスクを目標にして、報酬系をこまめに刺激しよう。

5分休憩のつもりが、30分休憩になってしまう

テレワークにおいて、昼間の休憩時間を長引かせた結果、深夜まで仕事をしてしまうことはないだろうか。決めた時間だけ休憩を取るためのセルフコントロール法を紹介する。

脳は同じ仕事を続けていると集中力がなくなってしまう。脳をリフレッシュさせるために、休憩はこまめに取ろう。そう考えると、出勤して3~4時間働き、昼休憩を1時間挟んだ後、終業まで4~5時間働くというやり方は望ましくない。学生時代のような、授業の間に短い休憩を取るスケジュールが理想的だ。

特に学習・習熟を必要とする仕事は、こまめに休憩を取ることが効果的だという実験結果がある。

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要約公開日 2022.04.04
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