時短・効率化の前に

今さら聞けない 時間の超基本

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今さら聞けない 時間の超基本
出版社
朝日新聞出版

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出版日
2021年12月30日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

同じ1時間でも、退屈な会議に参加している1時間と趣味に熱中している1時間では、明らかに体感時間が異なるだろう。時間は等しく流れているはずなのに、どうしてこうも感じ方が違うのか。不思議である。

本書によると、「時間」については、古代ギリシアの哲学者・アリストテレス以降、多くの賢人たちがさまざまな概念を提唱してきた。もっとも有名なのはアインシュタインだろう。アインシュタインは「一般相対性理論」でそれまでの時間の概念に大変革をもたらし、世界中を驚かせたそうだ。

本書は「時間」について、多方面から考えさせてくれる一冊である。テーマは、一般相対性理論や「もしもタイムマシンがあったら」といった「時間の秘密」から、「仕事と時間術」、「生活と時間の話」、「人生と時間」と続き、時間に対する包括的な理解を深めながら、より良く生きるための「時間との付き合い方」が学べるようになっている。スタイリッシュなイラストつきで、楽しく読み進められるのもありがたい。

要約は「仕事と時間術」のチャプターを中心に構成した。働き方が多様化する中、時間管理はすべてのビジネスパーソンにとって不可避の課題だろう。本書では、会社員の時間術、フリーランスの時間術、そしてリモートワークにおける時間術と、さまざまなノウハウが紹介されている。昨今話題の「朝活」にも触れられており、つい寝坊してしまったときのための、ギルトフリーなプランづくりも必読だ。

もしあなたがタイムマネジメントに関心を持っているなら、本書は最初の一冊にうってつけである。楽しみながら、有意義な時間の過ごし方を学べるだろう。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

二間瀬敏史(ふたませ としふみ)
1953年、札幌市生まれ。京都産業大学理学部教授。宇宙物理学者。京都大学理学部を卒業後、ウェールズ大学カーディフ校応用数学・天文学部博士課程を修了。マックス・ブランク天体物理学研究所、米・ワシントン大学研究員、東北大学大学院教授などを経て、現在は京都産業大学理学部宇宙物理・気象学科教授、東北大学名誉教授。一般相対性理論と宇宙論が専門。著書には、『宇宙の謎 暗黒物質と巨大ブラックホール』(さくら舎)、『タイムマシンって実現できる?』(誠文堂新光社)、『宇宙用語図鑑』(共著、マガジンハウス)、『世界が面白くなる! 身の回りの科学』(あさ出版)など多数。

吉武麻子(よしたけ あさこ)
1981年、神奈川県生まれ。TIME COORDINATE株式会社代表取締役。タイムコーディネーター。タイムコーディネート手帳考案者。中央大学文学部教育学科卒業後、旅行会社勤務を経て、26歳で韓国に語学留学。その後現地法人で、キャスティングディレクターとして韓国の広告に世界中のモデルをキャスティングする仕事に従事。365日仕事に追われる毎日の中で、結婚・妊娠・出産と自身のライフイベントと葛藤した過去や、世界のワーキングマザーと仕事をした経験から、オリジナルの時間体質改善プログラムを考案。個人事業主やダブルワーカーなど、公私共に時間を効率よく使い目標実現したい人に、時間管理・目標達成・モチベーション管理など、コンサルティングサービスを提供。

本書の要点

  • 要点
    1
    仕事における理想的な時間配分は、「3:3:4」=「今やるべきことの時間:人と関わる時間:未来のための時間」である。
  • 要点
    2
    暮らしの充実度は「楽しいことに時間をかけて、苦手なことを短時間で効率よく進める」ことでアップする。まずは家事タスクを書き出して、「好き」と「好きではない」に分類してみよう。
  • 要点
    3
    理想の人生を実現するために必要なのは、「短い時間の継続」を意識することだ。

要約

【必読ポイント!】 仕事と時間術

会社員にオススメの時間管理術

会社員は自分に課されたタスク以外に、ミーティングや電話対応、来客対応など、幅広い業務をこなさなければならない。すべての業務で成果を出し、かつ就業時間内に終わらせるためには、やるべきことをリストアップして、優先順位をつける必要がある。

優先順位のつけ方の基本は、「緊急性」と「重要度」を軸にし、双方が最も高い業務を優先するというものだ。その上で、それぞれの業務の所要時間と締め切りを把握し、スケジュールに落とし込んでいく。

緊急性の高い仕事を集中的に行うためには、予定をあらかじめブロックしておくとよい。ほかの約束を入れない「自分時間」を設定し、集中して仕事に向かうことで、効率よく仕事ができる。

予定をブロックするときのコツは3つ。まずは、確保した「自分時間」を無駄にしないこと。せっかくブロックした時間を有意義に使うために、「自分時間」にこなすタスクを選んでおこう。

次に、1日のうち1、2時間から始めること。予定をすべてブロックしてしまうと、そのほかの業務に支障をきたしかねない。1、2時間から始め、様子を見ながら調整すればいい。

最後は、予定を聞かれたときの断り方を決めておくこと。いくつかのパターンを準備しておくと、あわてずにすむ。

フリーランスにオススメの時間管理術
HAKINMHAN/gettyimages

仕事をする時間や場所の自由度が高いのは、フリーランスで働く大きなメリットだ。しかし一方で、自己管理をきちんとしないと、仕事に追われることになってしまいかねない。

フリーランスの人は、1日のタイムスケジュールをつくるところから始めよう。起床から就寝までのスケジュールを書き出し、実行して、結果を振り返る。予定通りいかなかったらその都度修正し、デフォルトとなるスケジュールを組み立てていこう。そうすれば、休みすぎやキャパオーバーに陥ることなく、心地よく働けるようになるはずだ。

ポイントは、集中タイムもルーティンに組み込むこと。午前と午後で1時間ずつ集中タイムを設定し、スマホの電源を切る。仕事が切り替わるタイミングで集中が途切れてしまわないよう、集中タイムに行う仕事を2つ程度に絞るのもオススメである。

「3:3:4」で時間配分する

「緊急性」と「重要性」の高い仕事ばかりに取り組んでいると、目の前にあるタスクだけに追われてしまうことがある。そこで意識したいのが時間配分だ。「3:3:4」=「今やるべきことの時間:人と関わる時間:未来のための時間」となるように組んでいくと、さまざまなタスクにバランスよく取り組めるだろう。1週間単位での調整がつかなければ、1カ月単位で実現すればいい。

「3:3:4」の中で優先順位をつけるのも重要だ。

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要約公開日 2022.04.21
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