「いっぱいいっぱい」からの卒業
私たちの頭の中はノイズでいっぱい
大量のTo Doに対応しようと思ったら、クライアントから仕事の依頼が届いた。さっそく取りかかろうとすると、「テレビ会議があと1時間で始まります」と通知メールを受信。あわてて会議の準備を始めた瞬間、スマホにニュースサイトからの通知が届く。無視して仕事に集中しようとしたのに、友人から「久しぶりに飲みに行こう」と連絡がきた――。このように、わたしたちの頭の中は、あっという間にノイズにハッキングされてしまう。放っておくと、ノイズに押しつぶされてしまいそうな勢いだ。この問題を解決するには、頭の中のノイズを減らし、スペースを空けてあげればいい。ノイズを減らせば、思考に“よはく”が生まれ、大切なことだけに集中できて、ストレスなく行動できるようになるだろう。本書で紹介する「頭の中によはくをつくる思考法」は、すべてのことに全力を尽くし、すべてを手に入れようとするものではない。基本は「より多く、よりよく」から「より少なく、よりよく」への転換だ。限られたリソースの中で最大のパフォーマンスを出すために、「自分が今、集中すべき大切なことは何か?」を考える余裕をつくり出そう。
【必読ポイント!】 思考に“よはく”をつくり出す「5原則」
「やり方」ではなく「あり方」の改善が先

いっぱいいっぱいの日々から卒業して自分らしく生きるためには、物事の捉え方をシンプルにする、つまり思考法を変えることが重要だ。思考法を変えるためにまず取り組むべきは、土台となる基本姿勢を身につけること。「やり方」ではなく「あり方」から変えよう。ここでは、思考によはくをつくり出すための「あり方」について「5つの原則」を紹介する。</p>
原則(1)自分の本質を明確にする
原則(1)は、自分の本質を明確にすること。自分の本質とは「自分が最も大切にしている価値観、心から好きなもの、最も影響が大きいこと」から構成される「自分らしさ」だ。自分の本質を明確にすれば、本質にかかわること以外はすべてノイズだと判断でき、やるべきことの優先順位がつけられる。自分の本質を明らかにするには「自問自答」が有効だ。