年収300万円FIRE

貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」
未読
年収300万円FIRE
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貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」
未読
年収300万円FIRE
出版社
出版日
2022年02月17日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

近年、経済的自立と早期リタイアを指す「FIRE」という言葉が話題になっている。さて、FIREを達成する上で最も大切なものは何だろうか? 多くの人は「年収」と答えるだろう。しかし著者によると、答えは「収入の一定割合を貯蓄すること」である。

本書は『年収300万円FIRE』というタイトルの通り、年収300万円で貯金ゼロの状態から7年でセミリタイアする方法を解説した一冊である。著者は、TikTokやYouTubeで人気沸騰中の山口貴大氏(ライオン兄さん)。完全リタイアを夢見る人もいるかもしれないが、著者が勧めるのは「サイドFIRE」だ。週3日勤務にする、一日あたり3時間だけ働くなどして、資産収入と労働収入で生活するセミリタイア的なFIREである。

本書で著者は、FIREの「4%ルール」を紹介してくれる。このルールは、「運用資産の中から毎年4%を取り崩して、その範囲内で生活する限り、資産を減らすことなく、不労所得だけで過ごすことができる」というものだ。

本書を読めば、サイドFIRE達成に必要な資産の額がわかり、今後の計画が立てられるだろう。今まで投資に興味がなかったとしても、わかりやすく、スラスラ読んでいくことができるはずだ。悠々自適の暮らしを夢見る人は、将来設計のヒントとして、ぜひ一度読んでみてもらえたらと思う。

ライター画像
木下隆志

著者

山口貴大(ライオン兄さん)(やまぐち たかひろ)
株式会社バイアンドホールド代表取締役社長。金融・起業クール「Financial Free College」(FFC)代表。TikTok、YouTubeでは「ライオン兄さん」名義で活動。
1980年奈良県生まれ。ネット関連会社などにて、8年間のサラリーマン生活を送るも、給料は上がらず“鳴かず飛ばず”の「低空飛行」状態が続き、32歳の年収は327万円。一念発起して、金融・起業の書籍をむさぼり読み独立。エンターテインメント会社を興し、2018年に売却。その利益を米国株中心に運用し、“経済的自由”を獲得、「完全リタイア」を実現した。
悠々自適の生活を送り、メディアへの露出も増えたことから、「お金の相談」を受けることが多くなり、FFCを立ち上げる。「大金持ちではなく、一般人がお金を増やすためには?」という庶民の資産運用にこだわった講義の評判が口コミで広がり、2021年、「投資家が推奨するお金のスクール」「未経験から学べるお金のスクール」「結果が見込めるお金のスクール」でそれぞれNo.1を取得、米国株のマネー講座部門で3冠を達成した(日本マーケティングリサーチ機構調べ)。受講者の中からは「年収の高低」にかかわらず、多くの「FIRE達成者」を現在進行形で輩出している。同年、「資産運用をしよう!」という言葉をTikTokで世界一広めたとして、ギネス認定。
「お金の正しい知識を得ることで、そのストレスから解放され、すべての人が自分らしい人生を送る」をモットーに、マネーリテラシーの普及に日々励んでいる。
趣味は旅行、温泉、サーフィン。
●YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCxkiN35K-JNZKV9m0fEzN2w
●TikTok:https://www.tiktok.com/@takalion23

本書の要点

  • 要点
    1
    FIREには4つのタイプがある。著者が勧めるのは、資産収入と労働収入で生活する「サイドFIRE」だ。サイドFIREは、必要な資産が少ないため、実現性が高い。
  • 要点
    2
    FIREを実現・実行する3ステップは、(1)投資の資産をつくる、(2)資産を運用する、(3)資産が大きくなったらリタイアして、資産の一部を取り崩して生活費に充てる、だ。
  • 要点
    3
    本書が提案するFIREの実現法は、「年間支出25倍分の資産を米国インデックスに投資して、年間4%ずつ売却し、その4%の売却益と配当金の範囲内で生活する」というものである。

要約

なぜ「投資すべき」なのか

日本で投資が「マスト」になった3つの理由

現代日本に生きる私たちに投資が必要な理由は、大きく分けて3つある。

1つ目は、会社員の平均給与(年収)が上がらないから。厚生労働白書によると、1989年の会社員の平均給与(年収)は約452万円。一方、2018年には約433万円と、約20万円も下がってしまっている。主要な欧米諸国と比べると、日本だけが実質賃金が下がっているというデータもある。

2つ目の理由は、超低金利だから。現在のメガバンクの一般的な定期預金金利は、わずか0.002%。預け入れた100万円が倍になるのは、なんと3万6000年後だ。

3つ目の理由は、インフレによって「お金が減る」から。長年デフレが続いてきた日本だが、直近では少しずつインフレ傾向になってきている。そのような状況においては、株式や不動産などといった、目減りしない資産を持つことが大切だ。

「富裕層」が増える日本
ipopba/gettyimages

給料が上がらない、超低金利、インフレと聞くと、この時代にお金持ちになることはできないと思ってしまうかもしれない。だが野村総合研究所によると、純金融資産保有額が1億円以上〜5億円未満の「富裕層」は増加傾向にある。世帯数でいうと、2005年には81.3万世帯だったところ、2019年には124万世帯に“激増”している。これは全世帯の2%、つまり50世帯に1世帯は「富裕層」ということだ。

しかも、別のマネー雑誌のアンケート調査によると、「資産額1億円以上」のうち、4人に1人は年収500万円以下の会社員である。年収が500万円以下であっても、資産形成に励めば、「富裕層」に手が届かないわけではない。望むならばFIRE達成も可能だ。

理論的にも「資産を持たないと損」

今、世界中で「お金持ち」と「そうでない人」の二極化が進んでいる。

その理由を知らしめたのは、2014年に世界的なベストセラーとなった『21世紀の資本』(トマ・ピケティ)である。その中では「長期的にみると、資本収益率(r)は経済成長率(g)よりも大きい」ことが明らかにされている。言い換えると、「資本所得の伸び率は賃金の伸び率を上回る」ということ。もっと簡単に言うと、お金持ちはより裕福となり、労働でしか富を得られない人はいつまでも裕福になれないことを意味する。

【必読ポイント!】「年収300万円」でもFIREできる

「年収が高くないとFIREできない」は誤解

FIREを達成する上で最も大切なのは「年収に対する貯蓄(投資)の割合=貯蓄率」である。「年収が高くないとFIREできない」と思っている人もいるかもしれないが、それは誤解だ。年収がどんなに高くても、貯蓄率が低ければ、FIREは達成できない。

投資リターンが年率5%だとすると、FIRE達成までの年数は以下のようになる。

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要約公開日 2022.07.07
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