ゆるFIRE

億万長者になりたいわけじゃない私たちの投資生活
未読
ゆるFIRE
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ゆるFIRE
ジャンル
出版社
かんき出版

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出版日
2022年01月20日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

FIREというワードをご存知だろうか。Financial Independence, Retire Earlyの頭文字をとったもので、「経済的自立と早期退職」を意味する。お金のためにあくせく働き続けるのではなく、経済的に自立して早期リタイアし、悠々自適な生活を送るというものだ。

FIREを達成後の生活費は投資によって築いた資産とその運用益で賄う。FIREは新しい働き方の1つという見方もあるが、「新しい生き方」の1つとも言える。ただ、完全FIREを達成しようとすると、多額の運用資金を捻出するために、高収入と厳しい倹約が必要になる。達成は容易でない。そこで、もう少し「ゆるく」FIREを実践しようというのが、本書のテーマ「ゆるFIRE」だ。

ゆるFIREは、達成後の収入源を運用益だけでなく好きな仕事からも得ることによって、比較的簡単にセミリタイアを達成する。完全FIREでは投資元本の4%を取り崩していくことで資産を減らさずに生活していくが、ゆるFIREでの取り崩し率は2.5%。不足分はフルタイムではない「ゆるい」仕事でまったり稼ぐ。運用資金を作るための貯蓄率も年収に対して50%として、あくまで無理をせず、必要なものを我慢せず、生活を便利にするものにはためらわずお金を使うスタイルだ。

「マジ」なFIREを実践するのは敷居が高いが、ゆるく目指せるのならばやってみたい。しんどい仕事は辞めたいが、好きな仕事ならやりたい。そんな方にはかなり有益な情報源になるだろう。なぜなら、本書は著者の実践に基づくものだからだ。FIREまではいかないが、これから資産を構築したいという方にも参考になる一冊だ。

著者

アラサーdeリタイア管理人 ちー
元平凡アラサーOLが「ミニマルライフ×副業×資産運用」でセミリタイアした生活を伝えるブログサイト「アラサーdeリタイア」管理人。物とお金をうまく管理することで、好きなことだけをしてゆるく生きるライフスタイルについて発信中。
元は年収300万円未満の事務職OL、ゴミ屋敷に住んでいたほどのズボラ人間にもかかわらず、30代前半で3000万円の資産形成に成功。2018年末より、生活費の半分を投資資金である3000万円から出る利益でまかない、残りの半分を事業収入でまかなう、サイドFIRE生活に突入している。
サイドFIRE生活に突入後も資産は増え続け、2021年10月時点の個人総資産額は6000万円を突破。意外にも会社員の夫は、稼いだ分は都度使っていく浪費家(結婚時に夫の自動車ローンや奨学金などの負債を代わりに返済。家計は完全折半制で、互いの収支に不干渉)。
YouTubeチャンネル「ちーのゆるFIRE自由な日々」も運営中。本書が初の著書となる。

本書の要点

  • 要点
    1
    ゆるFIREの貯蓄目標は年収の50%。極端な節約生活を送るのではなく、人よりちょっと努力して稼ぎ、ちょっと努力して節約する。
  • 要点
    2
    ゆるFIRE資金を稼ぐ基本は本業だ。社会保障や福利厚生を考えると本業に勝るものはなく、そこに副業でちょっとプラスして稼ぐ力を上げる。
  • 要点
    3
    無駄を省き、合理的に機能的に生活するミニマルライフはゆるFIREと相性が良い。必要なモノは買い、不要なものは元から断つ。自分にとって何が合理的か考えよう。

要約

ゆるFIREとは何か

人よりちょっと努力する

著者が本書で伝える「ゆるFIRE」には、人の何倍も努力して稼いだり、何もかも我慢した節約生活をしたり、高リスク運用に手を出したりする極端な努力は必要ない。完全FIREの貯蓄率目標は年収比70~80%であるのに対し、ゆるFIREの貯蓄目標率は50%。

それでも大きな数値に見えるかもしれない。しかし、一人暮らしの平均生活費が年間約220万円、平均年収が433万円で手取りが330万円とすると、ちょっと努力して手取り360万円を稼ぎ、ちょっと節約して生活費を180万円に抑える。これで貯蓄率50%を達成できる。

本書では30代で資産形成を始めることをすすめているが、スタートはいくつからでも遅くない。収入がある内はいつでも始められる。定年前のセミリタイアは無理でも、「ゆるFIRE」のメソッドで築いた資産があれば、余裕のある老後が送れるはずだ。思い立ったら吉日。無理をせず、今よりちょっとだけ努力してみよう。

4%ルールと2.5%ルール
Khanchit Khirisutchalual/gettyimages

FIREとは、投資などの運用益で生活できるようにして早期リタイアすることだ。FIREの基本ルールの中に、年間の生活費を投資元本の4%に抑えられれば資産を減らさずに生活できる「4%ルール」という考え方がある。

ただし、これは米国の株式市場を元にした研究から発生した考え方で、そのまま日本に使えるかは一考を要する。比較的物価が安く、社会保障が充実している日本において、米国株の資産を保有していれば、米国で生活するよりリスクがかなり低い。半面、日本では長生きにより老後資金が増えるリスクがある。

また、毎年4%を取り崩すのはそれなりのストレスもある。そこで著者が提唱し、そして実際に実行しているのが、年に投資元本の2.5%を取り崩す「2.5%ルール」だ。

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要約公開日 2022.03.28
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