「めんどくさい」が消える脳の使い方の表紙

「めんどくさい」が消える脳の使い方


本書の要点

  • 脳に通じる命令を習得して「めんどくさい」を消すため「自分は変えられる」という意思をもとう。

  • 「めんどくさい」が消える7つのコツを使えば、練習いらずでいきなりテキパキ動き出し、すんなり行動を変えられる。

  • 仕事、家事、健康、人間関係。どの作業も脳と体の仕組みがわかると「めんどくさい」を消すことができる。

  • 脳は内臓のひとつで、自分ではない。罪悪感による「めんどくさい」の沼から抜け出すために、神経をつなぎ換え、目の前の事実を口に出すようにしよう。

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めんどくさいの正体とは

『脳に通じる命令』でめんどくさいをなくす

あなたは、めんどくさいことに対峙するために、どんな戦略をとるだろうか。作業療法士である著者の仕事は、あらゆる作業をうまくやるための戦略を立てることだ。身体機能が低下して呼吸が困難になったなら、呼吸筋と肋骨の状態を改善し、脳の呼吸中枢に伝達される情報を変え、呼吸を深くする。同様に、キッチンの魚焼きグリルを洗っていないことに気づいて「めんどくさい」と感じたら、その気持ちを消してグリルを洗えるようにする。あらゆる作業は、脳と体をうまく使う戦略が立てられれば改善できる。「めんどくさい」を消す戦略として、『脳に通じる命令』を習得しよう。人前でスピーチをするときに「リラックスしよう」と言い聞かせても、脳は体にどんな命令を出したらいいかわからない。一方、「前に見学に来た小学生に説明したときのように話そう」と言い聞かせれば、やったことがある行動と同じようにやればいいということになる。こちらのほうが、脳に通じやすい命令だ。『脳に通じる命令』で「めんどくさい」を消して、思い通りの1日を送れるようになろう。

まず「自分は変えられる」と決心する

jacoblund/gettyimages

「根っからのめんどくさがりだから、自分は変えられない」と言う人もいる。「根っからの」を突き詰めて考えると、遺伝子情報ということになるだろう。遺伝子研究の分野では、遺伝子は化学物質の連鎖にすぎず、パソコンのハードウェアにあたると考えられている。遺伝子の支配が及ぶのはハードウェアまでで、ソフトウェアは自由に創造できる。人生でいうならば、遺伝子の影響は経験や学習の蓄積までで、そこから自由に自分を創造することができるということだ。とはいえ、いくら科学的に脳の構造を変えられることがわかっても、「休日はごろごろする」という文化を築いてきた人が、科学的根拠だけで行動を変えられるわけではない。

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要約公開日 2022.09.14
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