人間関係を半分降りる

気楽なつながりの作り方
未読
日本語
人間関係を半分降りる
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気楽なつながりの作り方
著者
未読
日本語
人間関係を半分降りる
著者
出版社
定価
1,540円(税込)
出版日
2022年06月30日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

本書のタイトルに目が留まった人は、人間関係で悩んだことのある人だろう。そして、それはほぼすべての人のはずだ。「人間の悩みはすべて対人関係の悩み」と言ったのは、心理学者のアドラーである。

本書が考えるのは、仕事相手や友人、家族、恋人、そしてSNSで目にする人といった、あらゆる人間関係をめぐる「生きづらさの最終的な解決法」だ。

著者は、1993年に刊行された『完全自殺マニュアル』で脚光を浴び、その後も生きづらさの問題を追い続けているフリーライターの鶴見済氏である。10代から社交不安障害を患っていたことや激しい家庭内暴力にあっていたことなど、自身の悲痛な体験をシェアしながら、現代日本の生きづらい状態から脱するための「やさしい人間関係の作り方」を伝えてくれる。

著者が指摘するとおり、今の日本には、会社、学校、家庭の3領域以外の居場所がほとんど育っていない。それらの「固く閉ざされて密着した世界」で、つらい人間関係から逃れられなくなっている。本書は、そんな生きづらさを抱いているすべての人にとっての「心の処方箋」だ。

「人間は醜い」「みんな同じなんて気持ち悪い」といったストレートなフレーズ。著者のいたたまれない体験。そして私たちが持つ家族観や結婚観などが、日本固有の、かつ、ごく短い時期の社会通念に過ぎないという事実。これらの要素を交えながら、魂のこもった文章が綴られていく。多くの読者が共感し、心解き放たれ、救われるに違いない。

ライター画像
山下愛記

著者

鶴見済(つるみ わたる)
1964年、東京都生まれ。東京大学文学部社会学科卒。複数の会社に勤務した後、90年代初めにフリーライターに。生きづらさの問題を追い続けてきた。精神科通院は10代から。つながりづくりの場「不適応者の居場所」を主宰。著書に『0円で生きる』『完全自殺マニュアル』『脱資本主義宣言』『人格改造マニュアル』『檻のなかのダンス』『無気力製造工場』などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    友情も恋愛も親子愛も兄弟愛も、すべてが素晴らしいなどということはあり得ない。人間には醜い面があるのだから、少し離れてつながろう。
  • 要点
    2
    集団の中で「人からどう思われるか」を基準に生きるのはやめよう。悪意のある視線から離れ、やさしい視線のある場所のゆるい人間関係に乗り換えることだ。
  • 要点
    3
    家族とは、たまたま至近距離に居あわせた特殊な人たちでしかない。愛に溢れた家庭のイメージは、もともと啓蒙のために上から押しつけられたものだ。愛着を感じる対象は人でなくてもよい。

要約

すべての悩みは対人関係の悩み

人間は醜い。少し離れてつながろう
SvetaZi/gettyimages

著者が人生で一番悩んだことは、間違いなく人間関係だ。過去の日記にも、ほとんど人間関係のことが書かれていた。心理学者のアドラーも「人間の悩みはすべて対人の悩み」と言っている。

一方で、人間関係の悩みは口に出すには差しさわりがあり、あまりないことになっている。代わりに、学校や会社などの社会の問題が取り上げられている。しかし、その背後では“人間”が一番の原因になっているかもしれない。

著者は高校生のとき、社交不安障害(対人恐怖症)になった。周囲の視線がやさしいものだったら違っていたはずだ。子どものいじめも、親の暴力も、問題だと思われるようになったのは、つい最近のことに過ぎない。我々は人間関係からくる苦しみを、問題として取り上げてこなかったのだ。

友情も恋愛も親子愛も兄弟愛も、すべてが素晴らしいと考えるのではなく、悪い面もあると考えるのが普通だろう。人間には醜い面があるのだから、少し離れてつながることを考えた方がいい。

それなのに、奇妙な性善説のせいで、世の中は近すぎる距離で「閉ざされて生きるようなしくみができている」。日本では特に戦後、人は家庭、会社、学校の3領域に閉じ込められていた。それが90年代あたりになってから、家庭を持たない人が増え、終身雇用も少なくなり、不登校も増えた。つまり、「家庭、会社、学校の3つの領域から人が降りはじめたのだ」。人びとはきつくて耐えられず、いわば「沈黙の革命」を起こしたといえる。

だが、世の中にはこの3領域以外の居場所が育っていなかった。孤立、ひきこもりの問題もそのせいだろう。著者はそのために、「社会に適応できない/しない人のための居場所」を作った。少し離れた、流動的なつながりがたくさんできることで、閉ざされて密着している人間の世界を外から崩してやりたい。それが著者の願いだ。

【必読ポイント!】 友人から一歩離れる

「人からどう思われるか」を気にしなくて済む場所へ

著者が日記につづった人間関係のことの大部分は、「友人」に関することだった。友人というよりは、家族でも恋人でもない、まわりにいる大勢の人たちに関することだ。

視線の密度の濃い高校の教室で、人目を気にしすぎる病に罹ってしまった。フリーライターになり、教室やオフィスのような「人の詰まった」環境から離れ、話の合う友だちと出会いやすくなったことで、気づけば病は消えていた。

人目が多く人間関係が固定されている場所にいると、「どう思われるか」に振り回されがちになる。そして、否定的な視線に満ちている場所では、さらに人目を気にすることになり、心の負担も大きくなる。

集団とは「みんな同じ」を強いるところだ。問題を解決するには、集団から離れた方がいい。あらかじめ、楽に集団を変えられるような準備をしておこう。“人の詰まった箱”のような場所は、そもそも人間に合っていないのではないだろうか。その箱に疲れる人には、オプションを用意して当然だ。

やさしい視線のある場所の、やさしい、ゆるい人間関係に乗り換えることだ。人の目に服従することなく、主体的に生きられれば、生きている感覚が違ってくる。

「みんなとちょっと違う人」でいい
sturti/gettyimages

あなたが新しく集団に入ったとする。そこで過ごすうち、何を言えば好感を持たれ、何を言えば関心を持たれないのかがわかってくる。そうなると、好感を持たれそうなことをやりたくならないだろうか。それが自分のやりたいことではなく、無理に合わせているのだとしたら、どんどん自分を失っていくことになる。

あなたが集団に気に入られようとしてしまうのは、自分の弱さのせいではない。

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