リセットの習慣

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出版社
日本経済新聞出版

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出版日
2022年08月01日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

降水確率は40%。迷った末、傘を持たずに家を出たら、駅に向かう間に降り出した。オフィスに到着する頃には服が濡れて体が冷え、気分がどんより。その流れを断ち切れないまま、仕事でミスを連発してしまった――。こんな経験はないだろうか。

本書のテーマは「リセット」だ。著者の専門分野である自律神経を軸として、悪い流れを断ち切り、いい流れをつくるための99の行動習慣が紹介されている。そのうちのひとつが「迷ったら傘と上着は持っていく」だ。冒頭のケースは、傘と上着さえあれば防げた「悪い流れ」にほかならない。小さなことに見えるかもしれないが、人生は小さな選択によってつくられた「流れ」に左右されるものなのだ。

コロナ禍に入って2年半ほどが経った今、著者が提案するのは「ちょっと強めにリセットする意識」をもつこと。健康なはずなのに体が重い。落ち込んでいるわけではないけれど、なんだかスッキリしない。そんな人に、これまでの行動習慣を思い切って変えてみることと、新しい行動習慣を取り入れてみることをすすめている。「行動しないこと」が当たり前になった時代だからこそ、新しい流れをつくって動き出すことに意味があるのだという。

99の行動習慣のうち、自分に合いそうなものや、すぐに取り入れられそうなもの、今の悩みを解決してくれそうなものから試してみてはどうだろう。人生の流れが変わり、新しい自分に出会えるかもしれない。

著者

小林弘幸(こばやし ひろゆき)
順天堂大学医学部教授。
日本スポーツ協会公認スポーツドクター。
1960年、埼玉県生まれ。1987年、順天堂大学医学部卒業。1992年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任。自律神経研究の第一人者として、数多くのプロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。
主な著書に『整える習慣』(日経ビジネス人文庫)、『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    停滞モードを断ち切りたいときには「新しい習慣を取り入れること」と「とにかく『動くほう』を選択すること」が効果的だ。
  • 要点
    2
    片づけは自律神経を整えるのに有効だ。帰宅してすぐ、着替える前に一カ所だけ片づける習慣をつけよう。
  • 要点
    3
    自分の軸がある人は、迷いがなくなり、精神状態が安定しやすい。つくり笑いをしがちな自分にストレスを感じるなら、すっぱりやめるか、「コミュニケーションを円滑にするためにつくり笑いをする」と決めてしまえばいい。

要約

【必読ポイント!】アフターコロナの処方箋

木曜日を「リセットデー」にする

コロナ禍がもたらした停滞モードを断ち切れず、心も体もスッキリしないと悩んでいる人も多いだろう。そんなときは大胆かつ意識的なリセットが必要だ。「新しい習慣を取り入れる」と「とにかく『動くほう』を選択する」をテーマにしよう。

新しい習慣としておすすめしたいのは、一週間のうち一日を「リセットデー」にすること。リセットデーには、少しだけ特別なランチを食べたり、仕事を早く切り上げてお気に入りのカフェでお茶を飲んだりして、気持ちを切り替えるようにする。

自律神経の調査でも「木曜日に一番数値が悪くなる」との結果が出ている。多くの人が平日に仕事をしているため、木曜日には心身ともに疲れがたまっているからだ。

木曜日に限らず、重要な定例会議の翌日でもいいし、楽しみにしているマンガやドラマが公開される曜日でもいい。リセットデーを設けて意識的に「一週間の区切り」を入れれば、日々の生活にリズムが生まれるはずだ。

気になったときは「行動するほう」を選ぶ
tm_alexei/gettyimages

道を歩いているとき、通りかかった神社を「なんだかいいな」と思う。SNSで知人が「美術展に行ってきました」と投稿しているのを見て、「自分も行ってみたいな」と感じる。誰しもこのような経験があるだろう。

そんなときは、あえて「行動するほう」を選ぶようにしてみよう。自律神経を整える上で大切なのは、自分からいい流れをつくること。行動するのは面倒でも、動いてみれば必ずいい気分になるし、小さな達成感が得られる。リラックスできて、コンディションが上がるだろう。

もう一つ習慣化したいのは、一日の終わりに「今日、行動するほうを選んだこと」を日記や手帳に書いてみることだ。この習慣によって、「いかに自分が行動するほうを選んでいないか」に気づけるだろう。やがて少しずつ「行動するほう」を選べるようになってくると、その達成感がやみつきになり、どんどんアクションを起こせるようになる。

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要約公開日 2022.09.13
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