東洋医学では「中庸」という言葉を使い、何事もバランスを重視する。本書では体を「動かす」と「休める」のバランスに焦点を当てて、東洋医学の観点から、季節ごと、月ごと、週ごとの過ごし方を提案する。
本書における「体を動かす習慣」とは、体を動かしやすくしたり、日々の活動を元気にこなしたりするための食事やツボ押し、過ごし方のコツを指す。一方「休める習慣」とは、心を落ち着けたり、体のトラブルを鎮めたりする食事やツボ押し、過ごし方のコツだ。要約では、季節ごとと月ごとのおすすめの過ごし方を紹介する。
春は一年の養生の中で最も大事な季節だ。新陳代謝が高まり、死んでいく細胞よりも新しく生まれる細胞のほうが多くなるため、若返りのチャンスである。春に体を整えることが、1年中調子のいい体をつくるための土台になる。
春は「肝(かん)」の季節だ。肝とは、気と血の流れを調整し、血液を貯蔵して全身の血液量を調整する臓腑である。新陳代謝が上がり、活動量も増える春には、肝の負担が大きくなる。
肝の機能が滞って血が不足すると、筋肉も栄養不足に陥る。その結果、運動機能が低下したり、手足が痺れたりしやすい。こうした症状を防ぐには、食べ物や飲み物からエネルギーを補給しつつ、気をめぐらせることが重要である。
春は「ゆるっと動かす・しっかり休める」がポイントだ。運動をしたいなら、いきなり激しく動くのではなく、体を大きくゆっくり動かそう。まだやる気が出ないなら、無理せずに休んでいてもよい。
2月は少しずつ日照時間が伸びるタイミングであるため、冬に比べて体を動かすことに意識を向けたい。この時期に重要なのは、太陽の光を意識的に浴びて新陳代謝を上げ、体を目覚めさせることだ。「動かす習慣」として、早起きして10分間、朝日を浴びるのもいいだろう。新陳代謝が上がるタイミングだからこそ、水分不足にならないよう、一日2リットル以上の水分を摂ることも意識したい。
3,400冊以上の要約が楽しめる