内臓を温めるという提案

代謝アップ×免疫力アップ×血流アップ
未読
内臓を温めるという提案
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内臓を温めるという提案
出版社
出版日
2022年12月13日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「疲れが抜けない」「頭が痛い」「肩や腰が凝っている」「肌の調子が悪い」――。このような悩みがあるなら、内臓が冷えているからかもしれない。

手足が冷える「冷え性」はよく聞くが、内臓が冷えるとは? そう思われる方もいるだろう。本書の著者、山口勝利氏は「体の不調を感じたら、どんな健康法よりもまず内臓を温めてほしい」という。山口氏は30年前に鍼灸接骨院を開業し、6万人を超える患者の病気や不調と向き合ってきた。その経験から得た、不調と「内臓の冷え」との関係性や、「内臓の温め方」についてまとめたのが本書だ。

人間の体には「生体恒常性(ホメオスタシス)」という、細胞や内臓を健康な状態に保つための機能が備わっている。これをコントロールしているのが自律神経だ。内臓の温度が低いと、自律神経はホメオスタシスを維持するためにがんばり続ける。その結果、負担がかかってうまく機能しない状態になるという。そして自律神経が乱れると、頭痛、不眠、疲労、肌トラブルなどの体の不調を引き起こす。不調の原因=内臓の冷えとは、このような原理からきているとされる。

本書では「食事」「ストレッチ」「防寒術」の視点から、内臓温度アップの施策を紹介する。「面倒そう……」と尻込みする必要はまったくない。特に「食事」では、「ヒハツ」というスパイスを1日1グラム摂るだけという手軽さだ。「ヒハツ」は「ロングペッパー」とも呼ばれるコショウのような香辛料で、大型スーパーやネット、アジア食材店などで簡単に手に入る。

快調な毎日のために、まずは「ヒハツ」から始めるなど、取り組みやすそうなところ、興味が湧いたところから試してみてはいかがだろうか。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

山口勝利(やまぐち かつとし)
理学博士、柔道整復師、鍼灸師、全国冷え症研究所所長。冷えの理論を応用したダイエット&ボディメンテナンスサロン・シェイプロック銀座代表。
1962年生まれ。神奈川県横須賀市出身。30歳のときに墨田区で鍼灸接骨院を構える。多くの患者さんを施術していく中で、体の冷えがあらゆる不調の原因となっていることに気づき、「全国冷え症研究所」を1997年に開所。今では、全国に400の分室を持つ。 冷えに関する6万人のデータを持つ。 また冷えの怖さ、対処法を広めるべく、TVや雑誌などにも多数出演。 「冷え症」治療の第一人者として注目されている。著作に『冷え性治してキレイにやせる』(二見書房)『冷えた女は、ブスになる』(祥伝社)などがある。

【監修】井上宏一(いのうえ ひろかず)
日本内科学会認定内科医。日本抗加齢医学会専門医、南砂町おだやかクリニック院長。
1971年生まれ。兵庫県神戸市出身。2000年3月順天堂大学医学部卒業後は、一つの臓器だけを専門にするのではなく、人間の体全体を診ることができる医師を目標に、小児科医、内科医として、さまざまな病院で研さんをつむ。現在、南砂町おだやかクリニック院長を務め「『健康=幸せ』の実現をサポートする医療」を掲げ、 西洋医学にとらわれず、代替医療も取り入れた総合医療を目指している。

本書の要点

  • 要点
    1
    コロナ禍の外出自粛による運動不足や生活環境の変化による自律神経の乱れが原因で、血流が悪くなり、内臓が冷えている人が増えている。
  • 要点
    2
    内臓を温めると基礎代謝が向上し、免疫力が上がって自律神経も整う。病気から遠ざかり、心や美容にもよい影響をもたらす。
  • 要点
    3
    1日3分の「ほかほかストレッチ」はインナーマッスルを鍛え、血流を促す効果がある。

要約

私たちの臓器は冷え切っている

ポストコロナの「内臓の氷河期」

2020年初頭から猛威を振るった新型コロナウイルス。外出自粛、長時間のマスク着用、リモートワークなど、私たちは新たな生活スタイルを強いられた。この期間、著者・山口氏のクリニックには冷え性をはじめ、原因不明の頭痛、肩こり、肌荒れなど、さまざまな不調を訴える人が以前よりも多く来院するようになった。新型コロナウイルスは「コロナ負債」ともいえる大きなダメージを、私たちの体に残したようだ。

このダメージとは、主に次の3つである。

まず、運動不足による筋力の量と質の低下だ。血液を全身に運ぶ役目をする筋肉が減ると、血流が悪くなり内臓は冷えやすくなる。

次に、生活環境の変化からくる自律神経の乱れだ。血流をコントロールしている自律神経が乱れると、内臓に適切な熱が運ばれなくなって内臓が冷えてしまう。

そして最後は、体型の変化である。コロナ禍の運動不足やストレスに伴う肥満化。人間は1キロ体重が増えると、毛細血管が1500メートル長くなるという。つまり、毛細血管が長くなった分、全体的な血流は悪くなり内臓の冷えにつながり得る。

さらに、慣れない環境での長時間のリモートワークで、骨格が歪んでしまった人も多い。骨格が歪んで血管が圧迫され、血流の悪さや自律神経が乱れにつながることもある。

冷え性の2つのタイプ
Phiromya Intawongpan/gettyimages

冷え性というと、「手足が冷たいこと」と思う人は多いだろう。しかし、冷え性には2つのタイプがある。血管が広がるタイプと縮まるタイプが混在しているのだ。

冷え性の7割は、手足が冷たい「血管収縮型冷え性」である。このタイプは、室内にいても手足や足先が冷える、寒い時期に症状が出る、主に下半身が冷える、手足がむくむ、肩こり・腰痛・便秘・生理痛が気になるといった特徴がある。

この冷え性の原因は、基礎代謝の低下や自律神経の乱れによって、血液が手足の末端まで届かないことにある。手足の温度が低い人は内臓温度も低い。健康な人の理想的な内臓温度は、体表面温度よりも1〜2℃高い37.2~38℃くらいだとされる。

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要約公開日 2023.03.02
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